• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

世界をきれいにするカラス、やっちまったのは…

森林総合研究所 鳥類学 川上和人(5)

2018年4月21日(土)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

鳥の研究に魅せられて、無人島で過酷な調査を行い、鳥の進化の妙に思いをはせ、ベストセラーをものす。そんなマルチな活躍を続ける注目の鳥類学者、川上和人さんの研究室に行ってみた!

(文=川端裕人、写真=内海裕之)

 2013年、東京都西之島の南西海域で大きな噴火があり、2年間にわたって多量の溶岩をふき出した。やがて、西之島自体が溶岩に飲み込まれ、もともとの島の地面が残されたのはわずか0.01平方キロメートル、せいぜい1ヘクタールに満たなかった。当然、溶岩の下になったところに成立していたはずの生態系は壊滅した。残されたわずかばかりの地面も火山灰におおわれた。

 西之島は、1973年に噴火した後の生物相の変化が注目されており、すでに鳥類相や植物相が調べられていた。そのような島で、いったん生態系がリセットされるほどの災害が起き、さらにその後の推移を観察できることになった。それゆえ、西之島は「絶滅と移入」が宿命である島の生態系について新たな知見をもたらしうるフィールドとして、世界の注目を浴びている。

西之島。2016年5月20日撮影。(出典:海上保安庁)

 さて、それでは、溶岩と火山灰に覆われた西之島では、どのように新しい生態系が始まろうとしているのだろうか。川上さんと話す前なら、ぼくは確実に、まず植物が生えてくるのではないかと思っただろう。そして、流木にくっついてきた昆虫なども定着して……というふうに生態系のメンバーが徐々に揃っていくイメージだ。

 そのように言ったところ、川上さんの目がきらーんと光った。

川上和人さんは西之島の調査も続けている。

「そうですね。そう思う人が多いと思います。でも、植物が育つためには土壌がないといけないですし、何より種子を持っていかないといけない。でも、海鳥はというと、海で食べ物を食べて陸で巣をつくるので、陸上に何も期待してないんですよね。大地さえあればいい。種類によっては、巣材すら必要なくて、何もないところにコロンって卵を産んじゃうのもいるので。そして自分で自発的に移動できるので、噴火から逃げても、落ち着けば戻ってくることもできる。そういうふうにやっていけるのは海鳥だけなので、彼らがいることによって、今後、生態系がどんどん変わっていくと思うんですよ。それを見ることで、本当に彼らが果たしている機能がクリアにわかると思います」

コメント5件コメント/レビュー

読んでてワクワクします。続編を是非!(2018/04/23 16:18)

オススメ情報

「研究室に行ってみた」のバックナンバー

一覧

「世界をきれいにするカラス、やっちまったのは…」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

読んでてワクワクします。続編を是非!(2018/04/23 16:18)

「自然環境は保護しなければならない」のべき論が先にありきで,理由は後付のように感じていました.「すごい」と「おもしろい」は,明快かつ強靭な理由だと思います.続編を希望します.(2018/04/23 12:51)

ツバメが自然の中で営巣しないというのはビックリですね。
もし、人間絶滅したらツバメの生態も変わっちゃうわけですね。

この連載はなかなか面白かったので続編希望します。(2018/04/21 16:11)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

海外のクラウドサーバーに データを預けると、企業秘密がその国に筒抜けになりかねない。

太田 大州 富士通シニアエバンジェリスト