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忍び寄るマイクロプラスチック汚染の真実

東京農工大学 マイクロプラスチック汚染 高田秀重(1)

2018年6月16日(土)

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21世紀に入り、生産量が激増しているプラスチック。便利さの一方で、大量のプラスチックが海に流出し続け、近年は5mm以下の「マイクロプラスチック」にも大きな注目が集まっている。そこで、マイクロプラスチック汚染について早くから研究を続けてきた高田秀重先生の研究室に行ってみた!

(文=川端裕人、写真=内海裕之)

東京農工大学の高田秀重教授は、マイクロプラスチック汚染の世界的な研究者の一人だ。

「このままだとみなさん、プラスチックの屑がまじった魚を食べることになりますよ。もう食べているかもしれない」と高田秀重教授は言う。

 東京農工大学農学部環境資源科学科の水環境保全学/有機地球化学研究室が入っている棟はただいま建替え中で、仮設のプレハブで話を聞いている。高田教授は、環境中で見つかる残留性の高い人工物質について、幅広く研究を展開しており、ぼくは現時点での状況を知りたくて訪ねた。そんな中、強く印象づけられたのが、まさにこの話題だった。

 高田さんたちが、2015年、東京湾の埠頭で釣ったカタクチイワシを調べたところ、8割の消化管の中から、様々なプラスチック片が出てきたという のである。もちろん、魚の消化管は、普通は食べずに捨てるわけだが、何かの拍子に口に入ってしまうこともあるかもしれない。いや、小さな魚だと内臓を抜かないまま揚げることもあるし、サンマの焼き物などでは、ワタの苦味をむしろ楽しんで食べる人も多い。とすると、やっぱり、食べてしまっているかも……。

2015年に東京湾の埠頭で釣ったカタクチイワシ。(写真提供:高田秀重)

 考えるだにショッキングだ。高田さんの淡々とした穏やかな口調ゆえに、逆にリアリティが増した。

「釣ったものをさばいて胃腸を取り出して、アルカリに漬けて1週間もすると、中のプラスチックだけが残って浮いてくるんです。それを分析機械で確認したところ、ポリエチレンとかポリプロピレン、それも、大きさにすると1ミリ前後のものが多くあると分かりました」

カタクチイワシの消化管の中から見つかったマイクロプラスチック片。左がポリエチレンで、右がポリプロピレン。マイクロプラスチックは8割の魚から出てきた。(写真提供:高田秀重)

 ここで見つかったプラスチック片は、近年、「マイクロプラスチック」として問題視されるようになったものだ。国連の海洋汚染の専門家会議の定義では、「大きさが5mm以下のプラスチック」である。もちろん人間が環境中に放出したプラスチックに由来するもので、高田さんは、世界的にも早くから研究を続けてきた功労者の一人だ。

コメント22件コメント/レビュー

イワシの丸干し、ワタをとって食べる人はあんまりいないでしょう。
すでに食べている、というのが確かだと思います。(2018/07/01 09:47)

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「忍び寄るマイクロプラスチック汚染の真実」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

イワシの丸干し、ワタをとって食べる人はあんまりいないでしょう。
すでに食べている、というのが確かだと思います。(2018/07/01 09:47)

新たな「ダイオキシン問題」を作ろうとしているようにも見えます。ポリエチレンとかポリプロピレンは普段よく使っているが、それを汚染物質と捉えるところに無理があるようにも思います。「マイクロプラスチック汚染」の原因は、多分プラスチックを燃やさなくなったからだと思います。燃やせばエコシステムを構築できそうな気がします。(2018/06/23 12:58)

まずは北米・EUを含めた先進国で法律上禁止されている歯磨き粉・スクラブ剤等に入っているマイクロプラスチックビーズを日本でも使用禁止するべきです。英語では無数に存在する当該成分に対する情報が日本語媒体では圧倒的に少なすぎる。地球は有限です。個々の力でも少しずつ、日本を本当の意味での環境先進国と言われるように変えていきましょう。(2018/06/20 10:06)

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