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皇居の桜田濠でもマイクロプラスチック汚染

東京農工大学 マイクロプラスチック汚染 高田秀重(3)

2018年6月30日(土)

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21世紀に入り、生産量が激増しているプラスチック。便利さの一方で、大量のプラスチックが海に流出し続け、近年は5mm以下の「マイクロプラスチック」にも大きな注目が集まっている。そこで、マイクロプラスチック汚染について早くから研究を続けてきた高田秀重先生の研究室に行ってみた!

(文=川端裕人、写真=内海裕之)

 マイクロプラスチック問題をめぐる大きな流れを見てきた。

 高田さんは90年代からこの流れの中で研究をし続けてきたわけだが、具体的にその研究はどんなふうに行われるのだろうか。大学にお邪魔しているわけだから、その点についても見せていただかない手はない。

高田秀重さんが教授を務める東京農工大学。

 まず、よくある「化学者のイメージ」とはどんなものだろう。ぼくの頭にぱっと浮かぶのは「白衣に試験管」や「白衣にフラスコ」といった姿だ。これはステレオタイプな「サイエンティスト像」そのものかもしれない。ネットで利用できる写真素材提供サービスなどを見ていても、「化学者」のカテゴリーにこういった写真やイラストがふんだんに用意されている。

 ところが、高田さんの研究は、そんなステレオタイプとは別のところから始まる。

 始まりは、常にフィールド。「現場百遍」を合言葉に、みずから現場でサンプルを取得するのが流儀なのである。日本だけではなく、ベトナム、ラオス、カンボジア、マレーシア、インド、ガーナ、ケニア、南アフリカ、モザンビークなど、世界中のあちこちに自ら足を運び、サンプルを取得してくる。その行動範囲は、ぼくが密かに「インディ・ジョーンズ系」と呼ぶタイプの研究者のものだ。

 ここでは、最も身近なフィールドの一つである東京湾の海底の泥を採取するところから始める。

東京湾で堆積物コアを採取する高田さんとそのチーム。(写真提供:高田秀重)

「2年に1回ぐらいですが、東京海洋大学の船で東京湾の底の泥、堆積物コアを採取しています。内径11センチのパイプに、1枚10数キロのおもりを2つつけて、船の上からゆっくりとワイヤーを使って海の底に落とすと、パイプが海底に突き刺さります。パイプには逆流防止の弁がついているので、中に入った堆積物を引き上げることができます。東京湾は、場所によりますが、大体平均で1年に1センチずつぐらい泥が積もっていきます。ですので、1メーターとれたとすると、まあ100年分ぐらい。それを船の上でスライスするんです。下から棒で突き上げて、上に出てきたものを2、3センチごとに切り分けていきます」

 揺れる船上で、これはかなり熟練とチームワークが必要な作業だ。1メートルで100年、1センチで1年。堆積コアに詰まった情報をダメにしないように、6人がかりくらいで慎重に作業を進める。

 その時、高田さんは、採取した現場の様子を自分の目や鼻、耳などで感じて頭に刻み込んでおくことを推奨する。よそからサンプルをもらって分析をするのでなく、自分で取りに行く、というのはそういうことだ。

コメント5件コメント/レビュー

出勤前の朝、近所の川沿いの道を毎日ジョギングするが、川や道にはゴミが目立つ。ゴミの大部分はプラスチックで、プラスチックの大部分は容器や包装やレジ袋です。コンビニなどの店は未だにレジ袋を使っている。レジ袋は禁止して紙袋にすればいいのにと思うが、いったい誰が反対しているのだろう?モリカケなんかじゃなく、こういうことに政治家は頑張って欲しい。(2018/07/01 17:45)

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「皇居の桜田濠でもマイクロプラスチック汚染」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

出勤前の朝、近所の川沿いの道を毎日ジョギングするが、川や道にはゴミが目立つ。ゴミの大部分はプラスチックで、プラスチックの大部分は容器や包装やレジ袋です。コンビニなどの店は未だにレジ袋を使っている。レジ袋は禁止して紙袋にすればいいのにと思うが、いったい誰が反対しているのだろう?モリカケなんかじゃなく、こういうことに政治家は頑張って欲しい。(2018/07/01 17:45)

この号は、これまでとは違いまだ確認されていない「被害」を煽る事が少ないため頭に入りやすかった。現場百辺の精神からは許されない事のはずでもある。(2018/07/01 06:45)

記事に添付されている最後の写真には『荒川の河口部のプラスチックごみ』とのみ紹介されているが、まるでプラスチックゴミ埋立場ではないか!酷すぎる。煙草の吸殻も、フィルター付きのフィルターはプラスチックだ。路上などのポイ捨てには高額の罰金を課さないと無くならない。我が家の狭い庭でも、道路に面した部分に捨てていく人がいるが、不在の時で犯人を特定出来ない。その為に監視カメラを着けるには金が掛かるし、どうしたものか困っている。ペットボトルも歩道の隅や街路樹の根本などに放置されているのを見掛けるが、現行犯には5万円程度の罰金を科すべきだし、監視カメラで自動的に検出して、犯罪だと知らしめないと良くならない。日本は長らく性善説を基本としてきたが、性悪説主体に切り替えていかないと『他人への迷惑顧みず』的な人は増える一方だ!(2018/06/30 18:00)

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