• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

「彗星ヒッチハイカー」と「氷衛星の中心へ」

NASAジェット推進研究所(JPL)火星探査 Mars2020 小野雅裕(6)

2016年12月24日(土)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

唯一、太陽系のすべての惑星に探査機を送り込んだNASAのJPLことジェット推進研究所。あのNASAの無人宇宙探査ミッションの核とも言えるこの研究所で大活躍する小野雅裕さんに、「マーズ2020」火星探査計画をはじめ、JPLでの研究開発について聞いてみた!

(文=川端裕人、写真=的野弘路)

 NASAのJPLで研究生活を送る小野さんが、10年後、100年後を見据えた研究として取り組んだテーマのひとつに、「彗星ヒッチハイカー」がある。

 文字通り、彗星にヒッチハイクさせてもらって、燃料を節約しようというのが最初の発想だ。

「ボイジャーは太陽系の果ての天王星や海王星にまで行きましたけど、ただ近くを通り過ぎただけでしたよね。この前、ニューホライズンズという探査機が冥王星に到着しましたが、これも超高速でその近くを通り過ぎるだけでした。なぜかっていうと、減速して周回軌道に入るには莫大な量の燃料がいるからなんですね。そして、そんな量の燃料を積んだ宇宙船を太陽系の果てまで送ろうとすると、もう途方もなく大きなロケットが必要になるわけです。じゃあ、燃料を使って自力で飛ばなくても、何か別の天体に乗っかって連れて行ってもらえばいいじゃないかって」

NASAのジェット推進研究所JPLに勤務する小野雅裕さん。

KBOへ

 小野さんの念頭にあった探査対象の「遠くの天体」とは、KBO、いわゆるカイパーベルト天体だ。20世紀後半の観測で、海王星より外側の太陽系外縁部には、たくさんの小さな天体があることが分かってきた。小さいながらも合算した質量は相当なものになり、太陽系の重要な構成要素であることも。それらをざっくりと呼ぶ名がKBOだ。小さいとはいっても、冥王星クラスのものはごろごろあって、中には冥王星より大きいものまである。冥王星も太陽系外縁のカイパーベルト天体として捉えるのが自然で、従来の惑星から、準惑星に分類し直された。つまり、今、成人している多くの人が学校で習った知識を書き換え、従来の太陽系観を覆したのが、KBOの発見だ。

 小野さんが燃料を節約して遠いKBOまで行く「乗り物」の候補として考えたのが彗星である。だから、彗星ヒッチハイカー。これは、ダグラス・アダムスのSF『銀河ヒッチハイク・ガイド』にかけてある。

彗星の多くは太陽系の外縁部のカイパーベルト(Kuiper Belt)からやってくると考えられている。(Image:NASA)

人類の火星への旅は、もはや夢物語ではない――。ナショジオがお届けする火星の最新情報を、こちらでどうぞ!
マーズ 火星移住計画 特設サイトへ

コメント3件コメント/レビュー

昔原子力電池を衛星の電源に使ったことを覚えているが、同様にして放射性物質の崩壊熱を利用して氷を溶かしながら重力で氷層を落下するようにできないか?上昇は潜水艦のように浮力を利用して又氷層を溶かしながら表面まで上昇する。できるように思うがどうだろうか?(2016/12/28 10:53)

オススメ情報

「研究室に行ってみた」のバックナンバー

一覧

「「彗星ヒッチハイカー」と「氷衛星の中心へ」」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

昔原子力電池を衛星の電源に使ったことを覚えているが、同様にして放射性物質の崩壊熱を利用して氷を溶かしながら重力で氷層を落下するようにできないか?上昇は潜水艦のように浮力を利用して又氷層を溶かしながら表面まで上昇する。できるように思うがどうだろうか?(2016/12/28 10:53)

銛を打ち込むお話を読んで、思わず、ヤマトのロケットアンカーを思い出してしまいました。(2016/12/26 11:21)

 かれこれ40年前くらいの宇宙旅行の古書に、彗星内部をくりぬいて、彗星自体を資源として長期航行をすると言う発想があった。強いロープでひっぱるのとどちらが良いかはわからない。ロープで弾く場合やはり無人の探査機あたりなら良いけど、有人では長距離はちょっと無理な感じがする。
 でもまあ、やってみてからだね。(2016/12/24 11:01)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

70年なんてまだひよっこ。100年、200年続く会社にしないといけない

森 雅彦 DMG森精機社長