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こんなサプリメントにご用心

ケンブリッジ大学 栄養疫学 今村文昭(6)

2018年12月8日(土)

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「健康によい食事」や「体に悪い食べ物」など、健康情報のなかでも人気の「食」の話。だがそれだけに、極端だったり矛盾したりする話も多く、何を信用していいのか分かりにくいのも確かだ。そこで、食と健康にまつわる根拠(エビデンス)を提供する栄養疫学の専門家として、世界的に活躍する今村文昭さんの研究室に行ってみた!

(文・写真=川端裕人)

 ケンブリッジ大学MRC疫学ユニットの今村文昭さんとの対話は長時間に及んだ。

 朝9時ころから話しはじめて、気がついたらもうお昼になっていて、本当に飛ぶように時間がすぎた。

 ぼくは午後、ケンブリッジ大学のメインキャンパスで別のアポイントメントがあったので、いったんアデンブルック病院を離れざるを得なかった。

 お互いにまだ話が半分くらいしか済んでいないことを確認し、夕方、今村さんが仕事を終えてから、今度はケンブリッジの大学のメインキャンパスの会議室で話を再開することになった。

ケンブリッジという地名は「ケム川にかかる橋」という意味。ケム川をめぐるボートツアーは観光客に大人気だ。

 ここから先は、午前中の対話を前提にした「応用編」だ。

 ちまたに溢れる食品情報と、ぼくたちはどうつきあっていけばいいか。

 理論や方法に詳しい栄養疫学者の目から見るとどう見えるのか、これまでのところでも折に触れて述べてきたけれど(加糖飲料やフルーツジュースの件など)、あらためて目立った食品情報について、今村さんの意見を聞いてみたい。栄養成分レベルから食事パターンまで様々な階層がある中で、まずは栄養成分レベルから。

 つまり、サプリメントの類はどうだろう。

英国ケンブリッジ大学で研究を行なう栄養疫学者の今村文昭さん。

「まず、ご存知の方もいると思いますが、栄養疫学の歴史で注意すべきこととして、サプリメントの服用で死亡率が上がるという衝撃的な結果が出たことがあるんです。1980年代にニンジンやカボチャなど黄緑色野菜に含まれるβカロテンが、がんを抑制するという仮説が提唱されこれは期待が持てるのではないかと盛り上がりました。日本でもβカロテン入りの健康飲料やサプリメントが発売されましたよね。でも、その後、臨床試験が行われると、βカロテンのサプリメント服用によって喫煙者など特定のグループで死亡率が上がるということが分かりました。その一方で、重篤な疾患に対する有効性を示す研究はまったく出ていません。2000年以降に行われた複数のメタアナリシスでも、サプリメントの常用が死亡率を10%弱上げるだろうという結果になりました」

 健康によいと期待されていたものの効果が確認できなかっただけでなく、喫煙者などには有害であることが分かってしまった。ぼくも発売された健康飲料を時々飲んでいたから、衝撃を受けたことを覚えている。もっともこの健康飲料には、そもそも健康への影響が出るような量のβカロテンは入っていなかったそうなのだが。

 では、最近、ドラッグストアでよくみる様々なサプリメントはどうだろう。

コメント2件コメント/レビュー

こういうお話を聞くと、未だに、具体的になにを食べて暮せばいいのかという指針は得られていない、というのが結論だと思いますが、そうなんでしょうか。得られているのは「あまり〇〇をたくさん摂りすぎるのは良くない」程度の、何十年も前からの常識的な知見だけ?

あと、サプリが効かないという話の逆で、昔から普通に食べている食事のうちで、「実は〇〇は減らしたほうがいい」というような知見はありますでしょうか? 例えば、和食は食塩過多になりがちという話を聞いたことがありますが、科学的調査の結果はなにか出ているのでしょうか?(2018/12/10 14:52)

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「こんなサプリメントにご用心」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

こういうお話を聞くと、未だに、具体的になにを食べて暮せばいいのかという指針は得られていない、というのが結論だと思いますが、そうなんでしょうか。得られているのは「あまり〇〇をたくさん摂りすぎるのは良くない」程度の、何十年も前からの常識的な知見だけ?

あと、サプリが効かないという話の逆で、昔から普通に食べている食事のうちで、「実は〇〇は減らしたほうがいい」というような知見はありますでしょうか? 例えば、和食は食塩過多になりがちという話を聞いたことがありますが、科学的調査の結果はなにか出ているのでしょうか?(2018/12/10 14:52)

>「もしも、貧血や疲労感を抱いてサプリの利用も考えたいのでしたら、ご自身の食生活などの生活習慣を見直すことも選択肢にいれつつ、臨床医や栄養士にお世話になるのが適当だと思いますよ」

そんなことを言われても、そんな時間は無いし、そんなお金も無い。
(効くかどうか分からない)サプリメントや第3類医薬品に頼らざるを得ないのが
現状なのではないか。

「すぐに飛びつかない、常にエビデンスを求めて疑って掛かる」のは理解できたが、
結局のところ、医学というのはまだまだ入り口なのだなぁ、と感じた。
それが分かっただけでも収穫であろうか。(2018/12/09 00:33)

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