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野生のオランウータン調査に同行してみた

国立科学博物館 オランウータン 久世濃子(2)

2017年1月14日(土)

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東南アジアのボルネオ島とスマトラ島に暮らす“森の人”、オランウータン。群れを作らず、木の上で暮らすため、同じく大型の類人猿であるゴリラやチンパンジーなどと比べると多くの謎に包まれている。そんな野生のオランウータンを研究すべく、自ら調査フィールドを拓き、10年以上にわたり野生での調査を続ける久世濃子さんの研究室に行ってみた!(文=川端裕人、写真=内海裕之)

 アジアで唯一の大型類人猿オランウータンは、ボルネオ島(マレーシアとインドネシア)とスマトラ島(インドネシア)の森に暮らしている。

 群れを作らない、孤独な、大型類人猿であり、これは基本的には群れを作って生活する霊長類の中では異色だ。

 そして、生涯のほとんどの時間を森の木の上で過ごすライフスタイル。食事をするのも、排泄をするのも、眠るのも、出産するのも、すべて木の上だ。こういった樹上性が強い生き物の中で、オランウータンは「最も重たい」のだという。重たいのに木の上で暮らすというのは、それこそ物理学の法則に歯向かうようなものだ。

 国立科学博物館の久世濃子特別研究員が、21世紀になってから、共同研究者と一緒に拓いた野生のオランウータンのフィールドは、ボルネオ島のマレーシア側、サバ州にある。日本からも直行便が飛んでいる州都コタキナバルから、もう一本、飛行機に乗ってラハダトゥという地方都市まで行き、そこからはおよそ80キロ、車で2時間ほどの距離だ。

国立科学博物館人類研究部の久世濃子さん。

ダナムバレイの原生林

 今現在、オランウータンの研究が行われているフィールドはそれほど多くない。野生のオランウータンを観察して論文を発表しているチームは、せいぜい7つくらいだという。その中で、久世さんたちのダナムバレイは、日本の研究者が自ら運営して、定期的に論文を発表している唯一の学術研究調査地だ。

 そして、ただでさえ少ない調査地の中で、ダナムバレイは特別な輝きを放っている。

「今のオランウータンの調査地のなかでは、ほぼ唯一残された原生林ですね。人の手が基本的に入っていない、それこそ何万年前からずっと続いている東南アジアの熱帯雨林が残っている。ほかの調査地は、二次林で、人の手が入ったところなんです」

ナショナルジオグラフィック2016年12月号でも特集「オランウータン 樹上の危うい未来」を掲載しています。Webでの紹介記事はこちら。フォトギャラリーはこちらです。

コメント1件コメント/レビュー

オランウータンは毎日寝床を作るのだろうか。壊れなければ、前日の寝床を再利用するのだろうか。どんな寝床だろうか。年を取って高い木に登れなくなったらどうするのだろうか。いつどうやってオスメスが出会うのだろうか。子供は高い寝床から落ちないのだろうか。興味は尽きない。

好きでなければできない仕事だろう。

定点観測カメラやドローン、センサーなど、IT技術は使えないだろうか。僻地では電力がないのかもしれないが、3人でこれだけの調査は大変だ。オランウータンの野生の邪魔をしないで調査を手伝う技術を、どなたか頭のいい方が考えてくれたらと思う。(2017/01/15 22:00)

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「野生のオランウータン調査に同行してみた」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

オランウータンは毎日寝床を作るのだろうか。壊れなければ、前日の寝床を再利用するのだろうか。どんな寝床だろうか。年を取って高い木に登れなくなったらどうするのだろうか。いつどうやってオスメスが出会うのだろうか。子供は高い寝床から落ちないのだろうか。興味は尽きない。

好きでなければできない仕事だろう。

定点観測カメラやドローン、センサーなど、IT技術は使えないだろうか。僻地では電力がないのかもしれないが、3人でこれだけの調査は大変だ。オランウータンの野生の邪魔をしないで調査を手伝う技術を、どなたか頭のいい方が考えてくれたらと思う。(2017/01/15 22:00)

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