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野生動物では異例、オランウータンの少子化の謎

国立科学博物館 オランウータン 久世濃子(3)

2017年1月21日(土)

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東南アジアのボルネオ島とスマトラ島に暮らす“森の人”、オランウータン。群れを作らず、木の上で暮らすため、同じく大型の類人猿であるゴリラやチンパンジーなどと比べると多くの謎に包まれている。そんな野生のオランウータンを研究すべく、自ら調査フィールドを拓き、10年以上にわたり野生での調査を続ける久世濃子さんの研究室に行ってみた!(文=川端裕人、写真=内海裕之)

 ボルネオ島ダナムバレイは、島の北東部を流れるセガマ川源流の原生林地帯だ。およそ440平方キロメートルが、ダナムバレイ森林保護区域として、保全の対象になっている。

 年平均気温は28℃、年間の降水量は3000ミリを超えないくらい。生物多様性のホットスポットであるボルネオ島だから、本当にたくさんの種類の生き物が住んでいる。大きいものはボルネオゾウがいるし、今回の関心の的であるオランウータンは、このエリアに500頭くらいはいるのではないかと推定されている。

ボルネオオオカブト?(写真提供:川端裕人)

 2013年にフィールドにいる久世濃子さんを訪ねた際、ぼくが思わず感動したのは、図鑑でしか見たことがない昆虫がごく普通に現れることだ。三本角の大きなカブトムシ(ボルネオオオカブトだと思うけれど、確信はない)、巨大なナナフシ、姿は美しいけれど動きはゴキブリそっくりのバイオリンムシ等々。オランウータンに会う前に、まずそれらが目に入ってきて、純粋に驚き感動した。さすがボルネオ! だ。

採食生態から

 久世さんは、2004年-05年の時期にダナムバレイの野生オランウータン調査地を拓き、現在に至るまで維持している。

 より正確に言えば、2004年、久世さんの盟友、金森朝子さん(現:京都大学霊長類研究所・思考言語分野研究員)が、博士研究のためにまず調査を始め、翌05年、同じボルネオ島にある保護施設での調査を中心に博士論文を仕上げた久世さんが合流し、本格稼働した。

 それでは、ここでの研究を見ていこう。

「最初は採食生態なんです」と久世さんは言った。

 いつ、どこで、なにを、どのように、どれくらい、食べているのか。採食生態というのは、平たく言うとそういうことだ。

ナショナルジオグラフィック2016年12月号でも特集「オランウータン 樹上の危うい未来」を掲載しています。Webでの紹介記事はこちら。フォトギャラリーはこちらです。

コメント3件コメント/レビュー

定性調査の一種である行動観察を齧りかけていますが、社外・社内問わず、調査に携わる担当者は圧倒的に女性が多いようです(わたし自身、女性です)。男女による適正の違い、その理由なども明らかになってくれば、より人間の理解に役立つかもしれませんね。(2017/01/23 13:07)

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「野生動物では異例、オランウータンの少子化の謎」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

定性調査の一種である行動観察を齧りかけていますが、社外・社内問わず、調査に携わる担当者は圧倒的に女性が多いようです(わたし自身、女性です)。男女による適正の違い、その理由なども明らかになってくれば、より人間の理解に役立つかもしれませんね。(2017/01/23 13:07)

●ヒトに近いオランウータンは、食糧事情が良くなると子供を少なく産み大事に育てる「戦略的少子化」を選択する・・・! 初めて聞くことばかりで驚きました。そして「少子化」は悪だ、社会的な問題だ、と思い込まされている自分に気づいて、二度驚きました(息子が2人いますが、実家の親も含めた人口増減率から見るとマイナスであること、次世代を生み育てる娘を産めなかったことで残念な想いでいる自分が居ます)。●確かに人間社会は乳幼児死亡率が高かった時代、労働生産性が低かった時代は、たくさん産んで、病気などで死んでも子供の数がゼロにはならないように、また働き手としての役割を担わせ、十分な教育を受けさせていなかった時代がありました。現代は、その多産多死の時代から少産少死の時代に、より豊かな、より良く生きるためには?を考えられる時代になったということ、かもしれない。●そうした「多角的な視点を持つこと」の大切さを気付かせてくれる記事でした。息の長い研究は大変かと思いますが、その成果はそれに見合った深いものをもたらす気がします。ありがとうございました!(2017/01/23 13:01)

素晴らしい研究者魂。女性の方が根気があると一括りにしたくないが、野生の霊長類調査は女性が多い分野なのかどうか気になる。

こういう長期戦の話を読むと、今日の株価がどうの、今四半期の利益がどうの、小さく思える。もちろん商業活動も技術の発達も必要なのは承知しているが、そんなこととは無縁の研究者の情熱に圧倒される。まとめサイトをDeNAに売って億単位を手にしながら、問題が表面化すると雲隠れした女性の卑小さと対照的だ。(2017/01/21 22:01)

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