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「在韓米軍の撤退求めず」が促した米朝首脳会談

隠されたメッセージは「米朝平和協定」か

2018年3月20日(火)

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在韓米軍のハンフリーズ基地を訪問したトランプ大統領(写真:AP/アフロ)

 米朝首脳会談の受け入れを、ドナルド・トランプ米大統領はなぜ即断したのか。理由は明らかになっていない。報道は、金正恩委員長から届いた「非核化する」「米韓合同軍事演習を理解する」とのメッセージを信用した、という。

 だが、韓国政府高官が、この他に「特別メッセージがあった」と明らかにした。このメッセージがトランプ氏の決断をうながす一助になった可能性がある。

 ホワイトハウスと米政府筋によると、この特別メッセージの内容は「在韓米軍の撤退を求めない」だったという。「米韓合同軍事演習を認める」「在韓米軍の撤退を求めない」は、北朝鮮のこれまでの政策からは、予想できない提案だ。 北朝鮮は、「米韓合同軍事演習の中止」を求め、威嚇するように核実験を行い、ミサイルを発射したこともあった。在韓米軍を撤退させ、南北統一を目指すというのが、北朝鮮の基本戦略だった。

 金正恩氏のメッセージから、一つの疑問が浮かび上がる。この政策を放棄したのか。本当に政策を変えたのか。

 実は、「在韓米軍の撤退」について、金正恩氏の祖父である故金日成主席の時代に「統一の過渡期には在韓米軍駐留を認める」方針を決定していた。この方針を、1990年代初めに米国に伝え、米朝交渉を求めていた。このため、金正恩氏は従来の方針を逸脱したわけではない。

 「非核化する」との金正恩氏の伝言も「朝鮮半島の非核化(注:北朝鮮軍と米軍の双方が核兵器を朝鮮半島から撤去する)」は、金日成、金正日(注:金正恩氏の父親)ともに約束していたから、方針転換とはいえない。「米韓合同軍事演習」も、容認すると言ったのでなく「理解する」と言ったに過ぎない。

「理解する」は誤訳か

 朝鮮語の「理解する」の意味は、日本語とは違う。日本語や英語の語感からすると、「理解する」は「認める」という感じだろう。一方、朝鮮語では「是認する」より、やや消極的な語感を持つ。

 「米韓合同軍事演習を理解する」という言葉を、金正恩氏がどのような意味で使ったかは、明らかではない。韓国側は、どのように英語でトランプ氏に伝えたのか。「アンダスタンド(understand)」と言ったのだろうか。

 金正恩氏は、「今後は、米韓合同軍事演習を認める」と言ったわけではないだろう。4月から行われる「米韓合同軍事演習」について、「しかたがない」との意味で、「理解する」と言ったのではないか。

 実は、失敗し困った時に韓国語では「理解してください」と、よく使う。日本語では「許してください」の意味だ。この語感を当てはめれば、金正恩氏が使った「理解する」の意味は「今回は許してあげる」か「今度だけは、仕方がない」の意味になる。この語感の違いを理解することなく、トランプ氏が首脳会談を即断したのなら、言葉の違いが生んだ「歴史的誤訳」というべきか。

コメント7件コメント/レビュー

パシリの韓国は自分に都合のよいように話を作って、双方に話しているに決まっているじゃない。そして、話がこじれてたら、逃げ出して、人のせいにする。日本が消極的だから、うまくいかなかったなどと言い出すに違いない。 万が一、うまく合意になれば、高飛車に日本に対するのだろうが、朝鮮半島内の主導権は北に握られ、南は引き続きパシリになるのだと思うけどなぁ。(2018/03/20 11:01)

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「「在韓米軍の撤退求めず」が促した米朝首脳会談」の著者

重村 智計

重村 智計(しげむら・としみつ)

東京通信大学教授 早大名誉教授 韓国同徳女子大客員教授

1945生まれ早大法卒。79年毎日新聞ソウル特派員、89年同ワシントン特派員。この間、韓国高麗大、米スタンフォード大留学。北朝鮮に傾斜する日本の朝鮮問題報道を変えた記者の一人。金芝河釈放、ベン・ジョンソンのドーピングなど多くの特ダネ報道。著書は「日韓友好の罪人たち」(風土デザイン研究所)など多数。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

パシリの韓国は自分に都合のよいように話を作って、双方に話しているに決まっているじゃない。そして、話がこじれてたら、逃げ出して、人のせいにする。日本が消極的だから、うまくいかなかったなどと言い出すに違いない。 万が一、うまく合意になれば、高飛車に日本に対するのだろうが、朝鮮半島内の主導権は北に握られ、南は引き続きパシリになるのだと思うけどなぁ。(2018/03/20 11:01)

確かに核廃絶で平和条約が結ばれるなら、最高の解決となろう。
しかし冷戦終結から四半世紀、米軍の半島駐留理由はほぼない。
キタの核が無力化出来れば、米軍は「本来の」アチソン・ラインに撤収するのではないだろうか。むろん日米同盟は再構築されることになる。

また、キタの王朝はたとえ自分たち主導でも、統一は考えてないとみている。
自国の人口の倍もの、「自由な」人口を抱えれば、モノと情報の流入はとめられまい。

それは王朝の崩壊を意味しよう。(2018/03/20 10:55)

韓国と深い絆をもっている重村智計氏ならではの所見だと感じました。とくに文末の「トランプ氏は、オーナー経営者型の大統領だ。オーナー経営者は、自分の判断と決断に自信を持ち、部下の言うことを聞かない。金正恩氏を説得できる、と考えている。」という判断はとんでもない憶測ではないだろうか。(2018/03/20 10:19)

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