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金融庁「検査局廃止」で銀行に自立求める

森信親長官が3年目に突入し「総仕上げ」へ

2017年8月25日(金)

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3年目に入った金融庁の森信親長官(写真:竹井 俊晴)

強権を振るった「副作用」が深刻に

 金融庁の森信親長官の3年目がスタートした。これまで進めてきた金融行政の改革の総仕上げを行うことになる。日本の金融機関はバブルの崩壊で抱え込んだ不良債権を一掃し、ほぼ健全な資産状態に回復した。一方で、金融ビジネスの多様化や世界的な低金利に伴い、従来型の貸金業務では収益を稼げない構造問題に直面している。国内でも地方銀行や信用金庫・信用組合、農協など、金融機関の再編淘汰は進んでおらず、「オーバーバンキング」の状態が続いている。金融機関に「自立」を求める森流改革は成功するのだろうか。

 「金融庁、検査局を廃止 金融機関との対話重視」。8月22日に日本経済新聞がそう報じると、関係者の間からは驚きの声があがった。「遂に、そこまで踏み込んだか」と森流改革の本気度を思い知らされたというのだ。

 銀行などに立ち入り検査する「強権」は金融庁の金融機関に対する権力の源泉である。金融機関の経営者が金融庁の意向に逆らわず、従順に行動してきたのは、この金融庁の強権によって牙を抜かれてきた歴史があるからだ。

 検査を巡って金融庁の怒りを買い、他行との合併を迫られた銀行を見て、多くの銀行経営者が震え上がった。その主戦場が「検査」であり、それを担ってきたのが「コワモテ」の検査局だったのだ。それを廃止するというのだから、金融関係者が目を疑うのも無理はない。

 だが、金融庁が検査で強権を振るった「副作用」も大きかった。金融機関の経営の自主性が薄れ、すべて金融庁の意向を忖度する、形を変えた「お上頼み」が蔓延してしまったのである。金融庁の指導はしばしば「箸の上げ下ろしまで口を出す」と批判されたが、一方で、地方銀行の経営者などは、箸の使い方を自ら考えない風潮が広まった。

 そこにメスを入れようとしているのが森流の改革で、金融行政の大きな方針は明確に示すものの、各行の経営は自ら考えて行えという方向を示してきた。それが遂に、検査局の廃止という組織体制の見直しにまで及び、方向性が一段と明確になったのである。これに合わせて、銀行経営者が最も気にしてきた「金融検査マニュアル」も廃止されることになった。

コメント1件コメント/レビュー

金融危機で都銀では統合を進めることができたが地方金融は昔ながらで国の将来の禍根であることは事実だが、経営能力が全くない役人に経営指導を任せるのもイマイチ。何とかならないものか。(2017/08/25 13:42)

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「金融庁「検査局廃止」で銀行に自立求める」の著者

磯山 友幸

磯山 友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞で証券部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め2011年3月末に独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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金融危機で都銀では統合を進めることができたが地方金融は昔ながらで国の将来の禍根であることは事実だが、経営能力が全くない役人に経営指導を任せるのもイマイチ。何とかならないものか。(2017/08/25 13:42)

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齋木 昭隆 三菱商事取締役・元外務次官