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口腔ケアで肺炎激減、医療費削減効果も

歯科医と特養ホームの施設長、起業家が実証

2018年12月7日(金)

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 医療費の増加が止まらない。2017年度の概算医療費は42兆2000億円と前年度に比べて2.3%増え、過去最高を更新した。中でも高齢者の医療費の伸びが大きく、75歳以上の後期高齢者の医療費だけで全体の38%に当たる16兆円(前年度比4.4%増)が使われた。その負担は、現役世代の健康保険料や国の財政支出に回るだけに、医療費の削減は喫緊の課題になっている。

 そんな中、ユニークな取り組みが九州でスタートした。特別養護老人ホームなど施設に入所する高齢者に、歯磨きや歯茎のマッサージといった「口腔ケア」を定期的に行うことで、誤嚥性肺炎を大幅に減少させることに成功したのだ。施設から病院に入院する日数が減ることで、医療費の削減効果も出ているとみられる。

入院日数が減少し、介護施設の収入増加

 20年ほど前から口腔ケアが誤嚥性肺炎を減少させるという論文はあったものの、口腔ケアの実施は施設任せで、データの蓄積もなく、因果関係は実証されてこなかった。この取り組みが全国に広がれば、高齢者医療費の削減につながる一助になりそうだ。

 この取り組みを始めたのは若手歯科医師の瀧内博也氏(歯学博士)と起業家の浜俊壱氏(中小企業診断士)、特養施設長の小金丸誠氏らのグループ。小金丸氏は社会福祉法人さわら福祉会の特養ホーム「マナハウス」(福岡市西区)の施設長を務める。

福岡市西区の特別養護老人ホーム「マナハウス」で口腔ケアを行う介護職員

 瀧内氏は小金丸氏らの協力を得て、マナハウスなど福岡市内の6つの特養を2015年4月から1年間にわたって調査。入居定員100人当たり合計1706日の入院があり、そのうち569.5日を、誤嚥性肺炎を含む「肺炎」が占めていることが分かった。入院理由の3分の1が肺炎だったわけだ。しかも肺炎にかかって入院した施設入居者の多くが施設を退去して医療施設に移ったり、死亡したりしていた。

 そこで瀧内氏らは、施設の協力を得て2017年9月から口腔ケアを実施した。介護職員にケアの方法を瀧内氏が指導し、週に2回、1回10分をメドに行った。その結果は驚くべきものだった。

 口腔ケアをスタートする2年前の1年間の肺炎による入院は18回337日、1年前の1年間は25回545日だったものが、実施後1年間は10回144日に激減したのだ。「まさか、こんなに減るとは思わんかった」と施設長の小金丸氏も驚く。因果関係は解明できていないが、肺炎だけではなく、その他の疾病などによる入院も大きく減少した。2年前は年間1339日、1年前は年間1310日だった全体の入院日数は、口腔ケアの実施後の1年間は459日に減少したのだ。「明らかにインフルエンザにかかる率も下がった」と瀧内氏はいう。

口腔ケアで肺炎などによる入院が激減したデータを示す歯科医師の瀧内博也・クロスケアデンタルCEO

 実は、入院日数の減少は介護施設にとって大きなメリットがある。入所者が病院に入院して施設を出た場合、介護保険から支払われる介護報酬の日額1万4000円が削減されるのだ。入院が減れば、その分収入が増えることになる。調査では入院が1年間で850日減少したので、施設の収入は1200万円アップしたことになる。マナハウスでは早速、職員のボーナスに上乗せした。施設の収入が増えれば、社会的に問題になっている介護職員の待遇改善に回すことができるわけだ。

コメント3件コメント/レビュー

他サイトで紹介していた「歯はみがいてはいけない」を実践している。・食後の歯磨きはNG、・歯磨きペーストの使用はNG、・朝起きてすぐ歯ブラシだけで歯磨き、・夜寝る前に歯ブラシだけで歯磨き、デンタルフロスの併用推奨、というもの。これは、唾液が虫歯を予防している、という考え方に基づいている。特に「朝起きてすぐの歯磨き」が重要で、というのも寝ている間は唾液が出ず、寝起きは口の中は細菌だらけなので、つばを出して飲み込むとそれが体内で悪さをして体力を落とす、というもの。
歯磨きをすると自然とつばが出て、それが口内の細菌をつぶしていくらしい。つばを飲み込むときに飛沫が肺の方に行くと、肺炎になってもおかしくないと思うが、どうなんだろうね。(2018/12/07 20:09)

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「口腔ケアで肺炎激減、医療費削減効果も」の著者

磯山 友幸

磯山 友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞で証券部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め2011年3月末に独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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他サイトで紹介していた「歯はみがいてはいけない」を実践している。・食後の歯磨きはNG、・歯磨きペーストの使用はNG、・朝起きてすぐ歯ブラシだけで歯磨き、・夜寝る前に歯ブラシだけで歯磨き、デンタルフロスの併用推奨、というもの。これは、唾液が虫歯を予防している、という考え方に基づいている。特に「朝起きてすぐの歯磨き」が重要で、というのも寝ている間は唾液が出ず、寝起きは口の中は細菌だらけなので、つばを出して飲み込むとそれが体内で悪さをして体力を落とす、というもの。
歯磨きをすると自然とつばが出て、それが口内の細菌をつぶしていくらしい。つばを飲み込むときに飛沫が肺の方に行くと、肺炎になってもおかしくないと思うが、どうなんだろうね。(2018/12/07 20:09)

すごい成果だと思うのだが、口腔ケアと誤嚥性肺炎の減少の因果関係がイマイチ分からない。そこをもっと突き詰めることができたら老人以外の健康の向上も見込めそう。(2018/12/07 12:16)

口腔ケアの充実が誤嚥性肺炎の予防に効果があるということは、言われてなる程と感じたが、これまでこのような認識は無かった。
口腔ケアすることで入所者の口臭も悪くなくなり、介護士の働く環境も良くなるというものだ。
亡くなった父が入院しているときに、休みの日に父の歯磨きをしていたことを思い出した。
これから全国的に誤嚥性肺炎が少なくなると良いと思います。(2018/12/07 12:15)

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