• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

「農家が離れる!」危機が生んだ農協改革

JA東西しらかわ、コメを「スピード販売」

2017年1月27日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 農産物や農業資材の売買を手がける農協の全国組織、全国農業協同組合連合会(全農)の改革論議で昨年、焦点の1つになったのが委託販売から買い取り販売への移行だった。

 農協は一般的に委託方式で農産物を売っている。地域農協や全農は販売手数料を受け取るが、コメや野菜がいくらで売れるのかという販売リスクは負っていない。最終的にリスクを負うのは農家だ。これに対し、買い取り方式は農産物の所有権が農家から移転するので、安値でしか売れなかったときのリスクは農協や全農が負うことになる。

 もともと農協の農産物販売がいまの形だったわけではない。戦中の統制経済からの移行に際し、戦後選んだのが委託方式だった。当時の農協は規模が小さく、財務基盤も脆弱で経営危機におちいっていたため、リスクの小さい方法を選択した。その結果、農家は農産物市況の変動にさらされることになった。

「1年」めぐる政治バトル

 政府の規制改革推進会議はこれを問題視し、昨年11月にワーキンググループが出した意見で「1年以内に全量買い取り方式に移行すること」を全農に求めた。「みずからリスクをとって真剣に農産物販売にとりくむこと」を促すのが目的だった。「真剣に売っていない」と言わんばかりの文言で、しかも「1年」という期限を切って見直しを求める提言に全農は猛反発した。

 そのあとはお決まりの政治バトルだ。自民党の小泉進次郎農林部会長やベテラン農林議員、農協幹部が水面下で激しい綱引きを繰り広げ、「1年」という期限は抜け落ちた。政府の決定は買い取りへの移行を促すにとどまった。全農の自主判断にゆだねたわけだ。もちろん、その「自主判断」も引き続き政府・与党との調整で決まるが、「1年」という期限は復活しない見通しだ。

 農協も民間組織である以上、政府が経営のあり方を強制することはできない。にもかかわらず、その「自主判断」に政治調整が伴うのは、農協が政治と持ちつ持たれつの関係を続けてきたからだ。ただし、委託方式から買い取り方式に徐々に移行すべきだという提言じたいは間違ってない。それは外部から言われなくても、農協がみずからの判断で農家のために実現すべきことだ。

コメント2件コメント/レビュー

コメント氏の仰るとおりです。政府の補助金や中央官庁のひも付き予算、紹介コンサル等々地方創生の失敗は、大事な部分を他人任せにするところにあります。地方には地方の事情があり、地方のことを一番良く知っている人達がいます。J「Aしらかわ」に似た事例は全国に沢山あります。成功している農家、農業組織は、農業を基礎に自分達で生産から販売までトータルマーケティングで稼いでいます。中央官庁の人たちは政治家も含め農業に携わる人を上から目線で見ているところがあります。今の政府の遣り方は国民から見てもイジメに近い遣り方に見えます。農業改革を実現しようと思うのなら、規制を排除し補助金は出しても口は出さない方向で、「やってみなはれ精神」で
方向転換しない限りできないでしょう。政治家も農協を相手にするのではなく、農家を相手に改革の方向を目指すべきです。そうすれば改革できる農協、農家だけ生き残り他は自然淘汰されます。
このことを怖がっては改革は出来ません。日本の食糧は生き残った農家だけで十分供給可能でしょう。(2017/01/27 18:24)

オススメ情報

「ニッポン農業生き残りのヒント」のバックナンバー

一覧

「「農家が離れる!」危機が生んだ農協改革」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

コメント氏の仰るとおりです。政府の補助金や中央官庁のひも付き予算、紹介コンサル等々地方創生の失敗は、大事な部分を他人任せにするところにあります。地方には地方の事情があり、地方のことを一番良く知っている人達がいます。J「Aしらかわ」に似た事例は全国に沢山あります。成功している農家、農業組織は、農業を基礎に自分達で生産から販売までトータルマーケティングで稼いでいます。中央官庁の人たちは政治家も含め農業に携わる人を上から目線で見ているところがあります。今の政府の遣り方は国民から見てもイジメに近い遣り方に見えます。農業改革を実現しようと思うのなら、規制を排除し補助金は出しても口は出さない方向で、「やってみなはれ精神」で
方向転換しない限りできないでしょう。政治家も農協を相手にするのではなく、農家を相手に改革の方向を目指すべきです。そうすれば改革できる農協、農家だけ生き残り他は自然淘汰されます。
このことを怖がっては改革は出来ません。日本の食糧は生き残った農家だけで十分供給可能でしょう。(2017/01/27 18:24)

地方の衰退は、行政に取り入ってコンサル料を稼ぐ仕組みにあるということを示しているようです。
「コンサル不要!!」と途中で気付いたのは幸運でした。
地方に住んでると、なんでこういう建物なの?とか、駐車場がなんで有料なの?とか、不思議に思う新規開店なんかが多いですが、トーキョーのコンサルが入ってそういう風にしてるんですね、たぶん。まあ、そんな店はあっという間につぶれますが。
全農も、コンサルみたいなことしてトーキョーの永田町流のやり方が地方で通用しないと理解するべきですね。
アメリカでトランプが地方で支持されたのと同じ構図かも。都会的な胡散臭さにうんざりしてるんでしょうね。日本も結構同じところあるしね、地方に住んでると。(2017/01/27 12:50)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

外交において個人プレーで短期的な成果を手にしようというのは交渉相手の術中にはまり、うまくいかないものです。

齋木 昭隆 三菱商事取締役・元外務次官