• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

耕作放棄地で、棒を持って私を睨みつけた子ども

荒廃する農地の先にある未来

2018年6月29日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 農林水産省の若手官僚の有志が今春まとめたリポートのことがずっと気になっている。「この国の食と私たちの仕事の未来地図」と題したリポートには、20~30年後に想定される日本の食料事情として次のような一節があった。

 「世界の至るところで、ブラジルと同じ状況が起き、日本は有事の際に、食料調達が困難になる。また、平時の日本では、国内の食料価格が高騰し、中間層以下は食料アクセスができなくなる」

農水若手官僚の有志のリポート「この国の食と私たちの仕事の未来地図」

 ここで「ブラジルと同じ状況」というのは、穀物の一大生産国、ブラジルで中国勢などに押され、日本企業の「買い負け」が起きていることを指す。

 農水省の若手官僚たちは、空想でリスクを指摘したわけではない。彼らが参考文献として挙げているマッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社のリポート「『グローバル食料争奪時代』を見据えた日本の食糧安全保障戦略の構築に向けて」(2017年12月)も次のように記している。

 「日本の相対的な経済規模の縮小に伴い国際市場での購買力が低下し、輸入がままならなくなる状況も予測される」

 若手官僚のリポートは全体として「ワクワクするような未来」を創造することを目標にしており、上記の文章もリスクシナリオを防ぐために提起したものだ。マッキンゼーのリポートも食料危機の可能性を強調するのが目的ではなく、「食料価格が不安定になる懸念は依然として残るが、劇的に需給が逼迫するとは考えにくい」と強調している。

 ただし、食料の多くを輸入に依存する日本が何も手を打たずにいれば、今のままの食生活を維持できなくなる可能性はある。中国やインドなどの新興国の所得向上やアフリカや中東の人口増加で、世界の食料需要は今後も増大が見込まれるからだ。一方、今も日本は中国に次ぐ世界2位の外貨準備の保有国だが、よほど成長率が上向かない限り、相対的な国力は低下する。

 2つのリポートは、そのことに警鐘を鳴らしている。ところが、日本の足元の食料事情は、けして杞憂(きゆう)とは言い切れないリスクシナリオを覆い隠す。膨大な食料を捨てている「飽食の国」だからだ。

コメント19件コメント/レビュー

この4月より仕事でJA、自治体、生産農家等に現状と課題について聞いて回っています。
どこに言っても「人手不足」というキーワードが出てきます。
ただよく言われている「後継者問題」に伴う「新規就農」だけではなく、生産物を収穫する
際の人手が最近確保が困難になっていることをあげる関係者が増えています。
この地域ではトマトや花き等を扱うところでしたが元々田舎の地区のため主婦のパートさんを
期間限定で集めていたが他の産業での人手不足も田舎でも出ているため人材の取り合いになって
いるそうです。北海道では農業の場合11月~3月は基本お休みしているため通期雇用の仕事に
負けてしまうそうです。そのためハウスの拡大を躊躇う方が多くJAも頭を痛めているそうです。
生産物を増やしたくても増やせない構造もあることを知っていただきたいです。(2018/07/03 15:52)

オススメ情報

「ニッポン農業生き残りのヒント」のバックナンバー

一覧

「耕作放棄地で、棒を持って私を睨みつけた子ども」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

この4月より仕事でJA、自治体、生産農家等に現状と課題について聞いて回っています。
どこに言っても「人手不足」というキーワードが出てきます。
ただよく言われている「後継者問題」に伴う「新規就農」だけではなく、生産物を収穫する
際の人手が最近確保が困難になっていることをあげる関係者が増えています。
この地域ではトマトや花き等を扱うところでしたが元々田舎の地区のため主婦のパートさんを
期間限定で集めていたが他の産業での人手不足も田舎でも出ているため人材の取り合いになって
いるそうです。北海道では農業の場合11月~3月は基本お休みしているため通期雇用の仕事に
負けてしまうそうです。そのためハウスの拡大を躊躇う方が多くJAも頭を痛めているそうです。
生産物を増やしたくても増やせない構造もあることを知っていただきたいです。(2018/07/03 15:52)

食糧がなくて困ることはあり得ない。今まで食べていた野菜が芋の葉っぱになることはあってもそれ以上でも以下でもない。それに日本には食料にしていない食材も数多くある。

要は利便性に問題が生じるといった程度の問題なのですよ。それでも海外で暮らしている人よりは豊かな生活が送れるはず。

筆者みたいに大げさなこと言ってるとほかの東アジアの国はどうなのってことになる。食糧難は北朝鮮だけでしょ?

要は農地が急になくなるわけではないから、問題が起きたら必要に応じてそれに対処すればよい。3年もあれば十分な量を確保できるようになるだろう。

危機を煽るようなことばっかり言って国民の税金を大量に使うのはよろしくない。どうしても自国生産したいなら、年金たくさんもらえる世代が勝手に自分の金でやればよい。(2018/07/01 20:14)

作為的すぎませんか。いまどき、子供が棒を持って睨んだってどこの国ですか。このキャッチーなタイトルで中身の軽薄さが滲み出ています。(2018/06/30 20:51)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

ディズニーと一緒にいいものが作れるのなら、ロボットの導入もあり得るかもしれません。

上西 京一郎 オリエンタルランド社長兼COO(最高執行責任者)