• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

人が大事だから言える「AIさん、それちょっといいね」

言論の自由が支える農業経営

2018年9月7日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

九大と共同開発した自動給水機を説明する横田修一さん

 茨城県龍ケ崎市で稲作を営む横田修一さんを取材し始めてから、かれこれ5年以上になる。国内有数の大規模農場の運営技術を中心に話を伺ってきたが、横田農場を理解するうえでとても大事なことを、ふと横田さんが口にしていたことに、後から気づくことがある。次のセリフもその1つだ。

 「うちの両親から、農業に対する愚痴を聞いたことがないんです」

 日本の農業をここまで苦境に陥れた原因は、農政を含めて様々にあるだろう。だがじつは、「農業はもうからない。息子には継がせられない」という農業界に渦巻く愚痴こそ、最大の「戦犯」なのではなかと思う。ここで「それは農政が悪いから」と言ってしまうと、話が堂々巡りになって、事態を突破する糸口を見つけることができなくなる。

 少なくとも、横田さんの両親は多くの農家が後継者の確保をあきらめたのと同じ時代を過ごしながら、息子に「農業は格好いい」というポジティブな農業観を抱いてもらうことに成功した。前回、横田さんの「小さいころから周囲に『農業やる』って公言して来ました」というセリフを紹介したが、農業に前向きに取り組む両親を見ながら育ったからこそ、子どもながらに自然とそう言えるようになったのだろう(8月31日「子ども時代から『農業やる』と公言し続けた結果」)。

 さらに素晴らしいのは、両親は「息子を家業に巻きこむ」という形では就農させず、横田さんの大学時代に経営を法人化しておいたことだ。その結果、横田さんは「家を継ぐ」のではなく、「横田農場に就職する」という形で社会人の一歩を踏み出すことができた。農業界には、会計を明朗にするため、息子が親に迫って法人化する例もあるが、横田農場はその対極にある。

 そういう両親のもとで、横田さんを含め、横田農場はどうやって意思決定しているのか。AI(人工知能)など新しい技術をどう考えているのか。稲作の未来はどうあるべきなのか。インタビューを続けよう。

オススメ情報

「ニッポン農業生き残りのヒント」のバックナンバー

一覧

「人が大事だから言える「AIさん、それちょっといいね」」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

私はずっとバランスシートを重視し、公私を厳しく区別することを経営の根幹にしている。

岡田 卓也 イオン名誉会長相談役