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財政で農家を守り、低所得層をいじめる愚

望む、「担い手政策」への回帰

2018年11月26日(月)

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農政に関わり、批判的な立場を維持した生源寺真一氏

 今回は、キーマンに取材して平成の農政をふり返るとともに、ポスト平成時代の課題を探る企画の第3弾。インタビューしたのはこの連載の常連、福島大学の生源寺真一教授だ。

 生源寺氏は旧農業基本法に替わる食料・農業・農村基本法の制定やコメの生産調整(減反)制度の見直し、基本計画の策定など農政に幅広く関わってきた。まさに平成の農政の「証言者」とも言うべき存在だ。

 ここで証言者と表現したことには意味がある。農政で長年重用されながら、政府や与党のやることに一定の距離を置き、批判的な立場を守ってきたからだ。そういう姿勢を保っているから、筆者も度々意見を伺ってきた。

 みずから政策の立案に関わっていながら、実現したものを後から批判することに対しては、反論も予想される。「政策があるべき姿にならなかった責任の一端を本人も担っているのではないか」と。

 そういう見方はわからないでもないが、筆者は立場を異にする。まるで政権の方針に寄り添うように、政権のやることにお墨付きを与える発言をする研究者がいることを否定できないからだ。中には、中立を旨とする研究者としての良心を疑わざるを得ないような発言をする人さえいる。

 そうした中で、政府にとって耳に痛い指摘もくり返しながら、生源寺氏は農政の真ん中に居続けた。そもそも研究者の立場で、自分の考えを政策に100%反映させることは難しい。そのズレをインタビューを通して語ってもらうことには、一定の意義があったと思っている。

 取材のテーマはコメ政策。先端技術の農業への応用など農政が対応すべき前向きな課題は数多くあるが、稲作をこれからどうするかという問いかけほど重い政策テーマはない。稲作農家の数の多さが政治への影響力を生む図式を含め、今もなおコメが日本の農業の構造を根底で規定しているからだ。

 日本のコメ政策のどこに問題があるのか。問題の背景はなにか。生源寺氏はこの問いに対し、インタビューで明確に答えてくれた。

コメント9件コメント/レビュー

日本農業は、数字は忘れたのでイメージですが農業生産の8割は2割の農家が担っているとのこと。また先進国の中で日本の農業人口比率は農業国として知られるカナダやオーストラリア、フランスよりも高く、日本より多いのはニュージーランドと韓国のみらしいです。これは政策が競争力を奪い生産性を低めた結果でしょう。もう少し競争の世界に放り込んだほうがよいと思います。(2018/11/28 15:50)

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「財政で農家を守り、低所得層をいじめる愚」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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日本農業は、数字は忘れたのでイメージですが農業生産の8割は2割の農家が担っているとのこと。また先進国の中で日本の農業人口比率は農業国として知られるカナダやオーストラリア、フランスよりも高く、日本より多いのはニュージーランドと韓国のみらしいです。これは政策が競争力を奪い生産性を低めた結果でしょう。もう少し競争の世界に放り込んだほうがよいと思います。(2018/11/28 15:50)

米作を保護するのが前提としても、高価格を維持するのは、愚策としか言いようがない。
国内の高価格を維持しながら、加工品が低関税なら、加工品の輸入は促進され、国内需要はさらに減る。
予算措置が不要という、政治的に安易な選択で、農業の衰退を加速している。(2018/11/27 19:43)

消費者負担の価格支持策で農家の収入がを確保することは米だけでなく特定の野菜にもある。米は国費を伴う政府主体の政策、野菜は生産者サイドの生産調整であるかの違いがあるが。野菜は飼料米政策など米ほどの国費を投じなくとも農家の再生産価格を維持する努力はされているのだ。
一体、政府が保護するべきは農家か、農地か、あるいは農地のうち水田なのか、自立できない零細農家を財政で支援するべきなのか、さらに掘り下げた取材を期待したい。(2018/11/27 01:11)

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