• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

農業改革「小泉劇場」残された宿題

標的は農協ではなく農家

2016年12月26日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 小泉進次郎氏が自民党の農林部会長に就いて間もないとき、一本の記事をこの連載で書いた(2015年11月13日「小泉進次郎が格好いいのは分かったが」)。ベテラン農林族が集まる会議をテンポのいい議事進行で小気味よくさばく様を伝えつつ、記事は「お手並み拝見」としめくくった。そろそろ総括が必要だろう。

小泉氏は農業資材の値段引き下げをテーマにした(東京・永田町)

いつの間にか「業」が「協」に

 議論がひとまず決着したのが今年の11月下旬。この間に筆者が感じてきたのと同じことを、そのまま表現した発言があるので紹介しておこう。

 「いつの間にか『業』が『協』に変わった。農業構造の改善ではなく、農協改革という形にすりかえられた」

 農協の上部組織、全国農業協同組合中央会(全中)の奥野長衛会長の12月8日の記者会見での発言だ。まぎらわしいので先述しておくと、全中は農協の方針を決める団体で、環太平洋経済連携協定(TPP)への反対運動などの旗振り役としても知られる。

 これに対し、同じ上部組織でも全国農業協同組合連合会(全農)は肥料や農薬などの農業資材の調達や、農産物の販売を手がける団体で、農業商社とも称される。国際的にみて高いとされる農業資材の引き下げ問題で、全農の事業の見直しが論議の焦点になった。

 全中の奥野会長の発言を「筆者が感じてきたのと同じ」と紹介すると、あたかも「改革派vs抵抗勢力」のうち、後者のかたを持つように思われるかもしれない。「農協のトップ」と聞くだけで、「敵方の親玉」と感じる人もいるだろう。だが、小泉氏の論議の進め方はそんな単純な対立構図にはなかった。

 奥野氏は、農協を通さずに農産物を売る農業法人との連携を呼びかけるなど、農協内部では「改革派」だ。小泉氏もこれを踏まえ、今年3月に奥野氏の地元の三重県を訪ねて会談するなど、連絡を取り合ってきた。このやり方は、「抵抗勢力」を一方的に措定し、「敵味方の構図」で相手を追い込む手法とは一線を画していた。奥野氏もみずからの方針を、「対話路線」と表現していた。

コメント5件コメント/レビュー

兼業や高齢の農家は農協が無くなってもやっていけるのでしょうか?彼らに退場してもらう為の農協改革って方法もあるのかしら?でもそれが急激に起きたら、それはそれで大変な問題になりそうです。(2017/01/11 22:01)

オススメ情報

「ニッポン農業生き残りのヒント」のバックナンバー

一覧

「農業改革「小泉劇場」残された宿題」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

兼業や高齢の農家は農協が無くなってもやっていけるのでしょうか?彼らに退場してもらう為の農協改革って方法もあるのかしら?でもそれが急激に起きたら、それはそれで大変な問題になりそうです。(2017/01/11 22:01)

>>「では「農家の問題」とは何か。規模の小さい兼業農家ばかりの農業構造だ。」

これは、日本政府が農地解放以来進めてきた政策。事業として成り立つ集約された農業形態を小さく、農業だけでは、生計が成り立たない(年金、兼業で経済原理から離れた趣味、小遣い稼ぎの農業)に日本政府、自民党が推進してきた。
今更、(50年前ならまだしも)こんな事を指摘しても意味がないのでは、旧地権者に買い戻させることをしないと無理でしょう。(ただ、今の政治家、政府には無理だろう)

今の自民党のように、変に政策を入れるよりは、日本農業を高齢化にあわせて、安楽死させ、事業原理に基づく自然な農地集約を時間の流れに任せるべきでは、そして、政治はその流れを妨げないような立法、行政が必要。

差別化された、コストに見合う農産物が市場で成立し、所得の低い消費者は輸入農産物でカロリーを維持するような時代になるまで、戦前のような農業で本当に生活できるような事業としての農業は無理でしょう。(2016/12/26 17:11)

確かに「農家の問題」は多々あると思います。
ですが、今の農業を取り巻く状況は、農協による独占的支配、つまり農業資材から販売に至るまで、そのすべてを農協に委ねています。
農家は、農協に逆らえれば資材を買うことも、米を販売をすることもできません。
農協が指定した農薬ひとつ、別のメーカーに変えることも、難しい場合もあるのです。
このような絶対的支配の中で、農家はどのように変われるというのでしょうか。
変えるべきは「農協」ではないかと思います。(2016/12/26 15:47)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

私たちは、ひどいニュースのあまりのひどさに 麻痺しつつある。

小田嶋 隆 コラムニスト