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「減反廃止」目前、「脱・兼業」の好機とせよ

構造改革スタートへ、2017年の農政は「吉」

2017年1月1日(日)

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お正月限定企画として、日経ビジネスの人気連載陣に、専門分野について2017年の吉凶を占ってもらいました。
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 2017年は日本の農業と農政にとって節目の年になる。半世紀近くにわたって日本の農業の重しになってきたコメの生産調整(減反)が、翌2018年に廃止されるからだ。その制度の大枠は、2017年中に決まる。

 減反廃止の影響は、たんに稲作にとどまらない。減反廃止に際し、焦点になるのがコメにまつわる様々な補助金の見直しだ。その方向によっては、零細な兼業農家も広く支援してきた農政を大きく転換するきっかけになる。

 後述するが、補助金について自民党の農林族から、「見直しが必要」という声が漏れ始めている。構造改革のスタートの年になることへの期待を込めて、2017年の見通しを「吉」としたい。

局面を変えた「飼料米」助成

飼料米は多収の専用品種の開発が進んでいる(つくばみらい市の農業・食品産業技術総合研究機構の試験圃場)

 減反は、主食のコメの生産上限を国が毎年秋に県ごとに指示する形で実施している。生産上限はその後、県から市町村、さらに各農家へと割り振られる。このおおもととなる「国から県への配分」が2018年になくなる。

 では減反廃止で何が起きるのか。それを理解するには、制度を補完してきた様々な要素をみる必要がある。

 コメをつくりたい農家の意欲を抑え込むうえで効果があったのが、集落の相互監視だ。「みんなが我慢しているのだから、抜け駆けは許さない」という村の論理だ。だがこれは、農業の衰退とともに集落の力が衰えたことで、ほとんど機能しなくなくなった。

 制度的に威力を発揮したのが、ペナルティーだ。減反目標を達成しない自治体は公共事業の優先順位を落としたり、減反に協力しない農家への支援を減らしたりするなど、様々な方法で締めつけてきた。だがこれも、批判をあびて全廃された。

 民主党政権のとき、減反を達成した農家に出す補助金をつくった。戸別所得補償制度だ。自民党は野党時代に「ばらまき」と批判してきた手前、2012年に政権に復帰すると廃止を決めた。まだ一部は残っているが、減反廃止とともに2018年に全廃される。

 減反を成立させてきた様々な要素はこうしてなくなるが、最後にもっともパワフルな助成策が残る。水田で主食のコメ以外の作物をつくるように誘導する補助金だ。

 もともと主食のコメからの転作は麦や大豆が代表的な作物だった。ところが自民党が政権に復帰したあと、家畜のエサにするコメである飼料米への助成を拡充したあと、局面ががらりと変わった。

 2015年、2016年と2年続けて減反を超過達成したのだ。

 もしこの状態が続けば、国から県への減反面積の配分をやめても、補助金につられ、主食のコメの生産は抑制される可能性がある。だが、そのことじたいが大きな問題とは思わない。主食のコメは消費が減り続けており、生産が減ることは自然な流れだからだ。

コメント1件コメント/レビュー

農業の効率が悪いから米農家が生き残れないのではない。
会社では、年々ベースアップ要求。農産物は安く
手に入れたい。と皆が考えるから、1次産業が衰退する。
海外から仕入れればよいから。
次は2次産業そして、破たん。
品質向上で得られる価格差で、持続する農業経営は難しい。
大方の農家の所得がどれだけ増やせるかが重要。

戸別所得補償は、減反とセットで考えられたもの。
減反しているのに、さらに減反する様要求した。
一番得をしたのは、農協と農協に一部委託している
兼業農家や高齢者農家で、出荷割合に応じた戸別所得補償を
得られた。(農協の委託費を負担するので、手残りは僅か。)
結局農協が得た戸別所得補償は多少ばらまかれた。
飼料米で潤った農家はほんの僅か。(2017/01/10 17:56)

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「「減反廃止」目前、「脱・兼業」の好機とせよ」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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農業の効率が悪いから米農家が生き残れないのではない。
会社では、年々ベースアップ要求。農産物は安く
手に入れたい。と皆が考えるから、1次産業が衰退する。
海外から仕入れればよいから。
次は2次産業そして、破たん。
品質向上で得られる価格差で、持続する農業経営は難しい。
大方の農家の所得がどれだけ増やせるかが重要。

戸別所得補償は、減反とセットで考えられたもの。
減反しているのに、さらに減反する様要求した。
一番得をしたのは、農協と農協に一部委託している
兼業農家や高齢者農家で、出荷割合に応じた戸別所得補償を
得られた。(農協の委託費を負担するので、手残りは僅か。)
結局農協が得た戸別所得補償は多少ばらまかれた。
飼料米で潤った農家はほんの僅か。(2017/01/10 17:56)

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