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「日本の中高校生は凄い」しみじみ実感した休日

M&Aプロフェッショナルたちのプロボノ奮戦記

2016年11月24日(木)

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 中高生45人が、ある企業のセミナールームに集結した。3カ月ほど前の土曜日。場所は丸の内。机の上にはミネラルウォーターとお菓子。彼ら彼女らが熱心に説明しているのは「買収提案」だ。

 「もし『My Tube』社の動画配信力を当社が使えれば、既存のモバイルビジネスにとって大きなシナジーが期待できます」

 「今回、当社としては『楽ゾン』社の持つ顧客データの有用性に着目しています。ただし、いきなり御社を買収するのではなく、このビジネスにだけに出資させてください。まず始めてみて、一緒にやっていく中で、お互いの信頼を深めたいです」

 「当社と組めば、今いる社員の方々にこれまで以上に活躍していただき、幸せになってもらえる。その自信があります」

 この日のために準備された「M&Aゲーム」のワンシーンだ。自分たちが架空の企業の役員となり、成長戦略を描き、買収先企業を探し、シナジー効果を議論する。買収の提案書は模造紙。紙を張り出し、買収先の候補に対して提案する。

 参加した45人は、私立国際基督教大学高等学校(ICU高校)、私立聖学院高等学校、私立サレジオ学院高等学校、国立筑波大学附属坂戸高等学校、東京都立国際高等学校、川崎市立高津中学校の中学3年生から高校3年生。

 45人は5人ずつチームに別れる。各チームが架空の会社となり、経営とM&Aに取り組む。架空の会社が9社できたが、役員(学生)たちの年齢も在籍校もバラバラ、お互いが初めてこの場で知り合った。この年代の年齢差は大人のそれよりも相当な違いがあるはずだが、やりにくい様子はまったくない。

 各チームが自分で命名した社名は「まっちゃ」、「たまご」、「アミーゴ」、「ダイバーシティ」、「いなかもの」、「女っ気なし」、「ジーザス」、「関東レインボー」、「ゴキのG」。いずれもチームメンバーの何らかの特徴を表したものらしい。例えばチーム全員がキリスト教系学校の生徒だから「ジーザス社」と名乗る。このあたりは、どこかまだあどけない。

プロボノにより実現したM&Aを通じた社会勉強

 この「M&Aを通じた社会勉強」を支えるために9社(9チーム)には大人がアドバイザーとして就いた。大人のほうは架空ではなく本物。独立系M&Aアドバイザリー大手、GCAに所属する若手である。

 今回の活動は、M&Aの世界にいる彼ら彼女らが休日に自分たちの専門知識や能力を社会のために役立てようというもの。プロフェッショナルのボランティア活動は欧米では「プロボノ」と呼ばれ、古くからある。例えば弁護士などが休日に、経済的な理由でサービスを受けられない人々の相談に無料で乗ったりする。

 イベントそれ自体は、次世代教育プログラムを企画、提供するテラスが主催した。テラスは文部科学省が取り組むスーパーグローバルハイスクール指定校向けの合宿プログラム「GLBC(グローバルリーダーシップブートキャンプ)」を提供している。今回のイベントはGLBCを一日で体験する「GLBCキャラバン・東京」というもので、そこにGCAが協力した。

 GCAは筆者の勤務先であるのだが、中高校生のポテンシャルとそこから刺激を受け、仕事でM&Aを手がけている時とは異なる姿を見せた若手の様子に、連載のテーマである「熱狂わくわく経営」のヒントがあると思ったので、ここで紹介させていただきたい。

コメント6件コメント/レビュー

M&A 金、かね、カネ。

中高生が何か新しいもの、新しいサービスを創り出そうとしないで、既存の企業をくっつけたり、バラバラにしたりして、彼らも大人も喜ぶの図。

これでは世界に勝てない。(2016/11/25 03:10)

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「「日本の中高校生は凄い」しみじみ実感した休日」の著者

金巻 龍一

金巻 龍一(かねまき・りゅういち)

GCA マネージングディレクター

M&Aアドバイザリーの一環として、日本企業のグローバル化と成長戦略を「事業統合シナジーの創出」という観点から支援する。慶應義塾大学特別招聘教授。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

M&A 金、かね、カネ。

中高生が何か新しいもの、新しいサービスを創り出そうとしないで、既存の企業をくっつけたり、バラバラにしたりして、彼らも大人も喜ぶの図。

これでは世界に勝てない。(2016/11/25 03:10)

失敗してもペナルティがたかがしれる模擬試験状態、
ゲームでのチャレンジ同様、アグレッシブに出来るもの。
見えるものが全てで教科書通りの判定をベースにするこの結果と、
現実での見えない部分の問題を考えなければ成らない点。
こういう現実との違いが本番では大きな行動の違いになる。
そこの所を無視して判断は出来ないよ。
ルールが全てのゲームや試験にリスク無しでは若者は強いと思うよ。
色々背負ってプレッシャーがかかり、情報が足りず、教科書通りが成り立たず、
不安要素が少なくない中で正しい選択が出来るか?といえば怪しいだろう。(2016/11/24 22:29)

こういう記事を見ると、おじさんたちに「社会に出たことのないガキになんてこと教えてんだ。現実を見させろ」などとまくし立てて来ないか心配になる。M&A自体を悪と捉えてるおじさんも多い。

特に経営者ではない普通のサラリーマンにとって、会社は自分の身分を保障してくれる場所であり、売ったり買ったりするものではない。

この記事の実験?が上手くいった理由として、中高生の中でも選りすぐりの生徒を集めたからだとは思うが、日本の若者にはこういった経営学や税金の仕組みを義務教育のうちに教えておいてもいいのではないか…と常日頃思っている。
数学から論理的な思考が学べると言っても、経営手腕が上がるわけでもないだろう。

日本の将来を担う世代には若いうちにお金に関する考え方(儲ける事が必ずしも悪ではないということ)を学んでもらいたい。(2016/11/24 16:17)

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