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「持続可能性」が調達のキーワードとなる2017年

2017年1月11日(水)

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 昨年5月、日産自動車が新たな役職としてチーフ サステナビリティ オフィサー(Chief Sustainability Officer)を設けた。企業のサステナビリティ(持続可能性)戦略を担うポジションだ。欧米では多くの企業で設置されているが、日本ではまだ設置している企業は少ない。2017年には、多くの日本企業が追従するはずだ。CSOの設置によって積極的な持続可能性への取り組みをアピールするのは、投資家に対して大きな訴求効果を持つ。

 近年投資先の選定基準にESGを加える動きが広がっている。ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、統治(Governance)の頭文字を組み合わせた造語だ。日本では年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がESGを投資先決定に採用する方針を示して話題となった。企業においてはCSOの打ち出す戦略に沿って、各部門でESGに関係する課題解決が必要だ。サプライチェーン管理で2017年に顕在化しそうな動きをまとめてみる。

取り組みが進む環境

 まず環境(Environment)。このテーマは、ESGのなかでももっとも歴史ある取り組みとして行われている。日本でも2001年4月に環境物品等の調達の推進等に関する法律(グリーン購入法)が施行されたことをきっかけとして、各企業とも環境に負荷の少ない商品を選択する機運が生まれた。

 現在では、より広範囲をカバーするCSR(企業の社会的責任)調達として各企業が取り組んでいる。CSR調達は、グリーン調達以外の内容も含まれており、ESGの残り2つの内容とも親和性が高い。

 また、2020年まであと4年にせまった東京オリンピックでも、地球環境への負荷の少ないISO20121(持続可能なイベント運営)に沿った運営が計画されている。たとえ東京オリンピックの準備や運営に関係なくとも、環境配慮は今や当然のように実行されなければならない内容だ。

大きく変化する社会とサプライチェーン

 続いて社会(Social)。サプライチェーン上の調達管理で大きな変化が到来する。昨年12月14日中小企業庁から下請中小企業振興法・振興基準の改正と、通達内容の見直しが発表された。この法改正の最も大きな変化は、下請代金遅延等防止法の対象となるサプライヤーへ手形やファクタリング支払時に設定している「支払いサイト」の短縮だ。従来の120日を60日まで短縮しなければならない。自動車、素形材、電機・情報通信機器、産業機械、繊維、トラック運送の6業種11団体がサプライチェーン全体の取引適正化を目的にした自主行動計画を本年度中に策定する予定だ。他にも、一方的な原価低減要請の防止や、労務費の上昇分の購入価格への反映、金型・木型の保管コストの負担が含まれる。

 こういった取り組みは、多くの親事業者となる大手企業と、多くの下請事業者となる中小企業の従業員の待遇「格差」解消が目的だ。全企業数の99.7%を占める中小企業に勤務する全体の約7割の従業員の待遇が改善されれば、拡大する企業規模による経済的な格差の解消へ貢献する取り組みになる。

 加えて、政府が強く主導する長時間労働防止に代表される「働き方改革」も注目される。こういった政府の取り組みを受けて、各企業における実践内容は2017年にだんだんと明確になってゆく。企業内の取り組みだけでなく、サプライヤーからの購入条件が見直されたり、従業員の働き方に影響する就業規則が変更されたりといった形で明らかになってくるだろう。

 しかし、そういった制度変更や仕組みの整備だけでは「働き方改革」は実現しない。企業内の業務効率化がともなわなければ実現しないのだ。この点は2017年、すべてのビジネスパーソンが強く意識すべき課題だ。日本は多くの業種で、すでに人手不足が慢性化している。人口動態的にすぐには解決しない。

 そういった環境下で労働時間を短くし、かつ給与水準の向上を図るには、単位時間当たりの効率を向上させるしかない。これは、政府や企業によるルールや仕組みの整備とともに、従業員の創意工夫と実践が欠かせない。サプライチェーン全体を見わたしてみれば、まだまだ効率化が進められるプロセスが残っているはずだ。2017年は効率化をどのように実現させるかが、各企業と従業員が一丸となって取り組む大きなテーマになるだろう。

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「「持続可能性」が調達のキーワードとなる2017年」の著者

牧野 直哉

牧野 直哉(まきの・なおや)

未来調達研究所取締役

2012年、未来調達研究所取締役就任。現役バイヤーの立場から情報発信を行い、企業の調達・購買部門における取引先管理・サプライヤーマネジメントの専門家。調達・購買の現場に根ざした理論構築を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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