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フィットネスやカラオケ、併設に賭けるコンビニ

消費者に選ばれるラストワンマイル

2018年1月31日(水)

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 サプライチェーンは、さまざまな役割の構成要素によって成り立っている。同じ企業の中にあっても、サプライチェーンに関係している各部門の機能と責任は異なり、その調和がサプライチェーンの効率性に大きく関係している。

 サプライチェーンの円滑な運営は、企業内だけではなく、異なる機能の企業が、同じ目的を達成するために調整を続ける事業運営が欠かせない。各企業の戦略と業務の双方に同期が必要だ。そして多くの業態では、商品提供を受ける消費者もサプライチェーンの一端を担う。いわゆるサプライチェーンの「ラストワンマイル」の部分だ。

 経済産業省が昨年発表した平成28年の商業販売額は442兆円。うち、小売業が139兆円を占める。公益社団法人日本通信販売協会が昨年8月に発表した「通販市場売上高調査」によると、2016年の売上高は6.9兆円。この団体に加入していないアマゾン・ドット・コムの売り上げ1.1兆円を加えても8兆円。通信販売は小売業全体の1割に満たない。いまだ多くの消費者によってサプライチェーンが成り立っているとも言える。

 そして、これらの数字からインターネットを活用した通信販売の市場は、まだまだ拡大する可能性がある。一方で消費者にサプライチェーンの一端を負担させる既存の小売業は、引き続き商業販売の中心を担うため実店舗での販売の拡大にしのぎを削っている。

コンビニを取り巻く厳しい経営環境

 今や日本の小売業界の主役であるコンビニは、一店舗あたり2000人~3000人の商圏人口が必要といわれている。日本フランチャイズチェーン協会に加盟するコンビニ大手8社の店舗数合計は、2017年12月時点で5万5322店を数える。一方日本の人口は1億2659万人だ。単純計算で1店舗あたり2288人であり、店舗数は明らかに飽和状態だ。

 厳しい経営環境の中、コンビニが成長を持続するには、魅力ある商品や店作りの取り組みが欠かせない。しかしコンビニの商品は、他のコンビニチェーンと比較した「優位性」を示すのが難しい。コンビニ各社は自社チェーンの店舗で販売される商品開発に取り組んでいる。しかしあるチェーンのヒット商品は、すぐに他のチェーンに模倣されてしまう。商品の魅力だけで、消費者を引きつけ続けるのが難しいのだ。

 結果的によく訪れるコンビニは、自宅やオフィスの最寄りの店舗や、通勤通学途中にあるといった日常生活の「動線」上にある店舗が選択される。これまでは、できるだけ人通りの多い立地を選んだり、店舗形態を拡大し「駅ナカ」といった小規模スペースにも出店したり、できるだけ多くの消費者の「動線」のカバーが事業拡大戦略の中心だった。店舗数が明らかな飽和状態になった今、コンビニ業界は従来の戦略の転換に迫られている。

 集客の決め手は、消費者に負担を強いるサプライチェーンのラストワンマイルだ。店舗数が飽和状態になった今、その名前の由来であるコンビニエンス=利便性を超え、消費者が店舗に足を運ぶ「理由付け」が必要だ。「ラストワンマイルを負担しても行きたい」と消費者が考える店舗作りが、これからのコンビニ業界の雌雄を決するのである。

コメント1件コメント/レビュー

少子高齢化で老人世帯は年々増え、いずれ彼等の多くは運転免許証を返納し自ら運転する事を止めるか、或いは自動運転車に買い換える様にならざるを得ない。そういった社会でコンビニの存在は大きい。老人世帯は日常の食料品を家の近くで少量ずつ買いたい。車がないから1週間ぶん買いだめするほどの荷物を持てないからだ。コンビニでも一部始めた様だが、メニューに合わせた加工食材を宅配する方法では高く付くので、多くの世帯は自分で店に出向いて買うスタイルを選択するだろう。2、3日で使い切るほどの量をパックして店に並べる。そうすると包装材ばかりが多くなってしまうので、物によっては、消費者が入れ物持参で必要量を購入出来る売り方も用意して欲しい。そうは言っても、私個人的には老人ホームの様に建物全体を老人が占める様な環境は良くないと考えている。老人中心のマンションであれば、例えば1階にコンビニや保育園を設け、老人は低層階に集めて高層階には若い世帯を優先的に入渠させるなど、若い世代との交流が当たり前に発生する状態が好ましい。近未来のコンビニは今以上に生活に密着する形に移行する事になるだろう。(2018/01/31 18:11)

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「フィットネスやカラオケ、併設に賭けるコンビニ」の著者

牧野 直哉

牧野 直哉(まきの・なおや)

未来調達研究所取締役

2012年、未来調達研究所取締役就任。現役バイヤーの立場から情報発信を行い、企業の調達・購買部門における取引先管理・サプライヤーマネジメントの専門家。調達・購買の現場に根ざした理論構築を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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少子高齢化で老人世帯は年々増え、いずれ彼等の多くは運転免許証を返納し自ら運転する事を止めるか、或いは自動運転車に買い換える様にならざるを得ない。そういった社会でコンビニの存在は大きい。老人世帯は日常の食料品を家の近くで少量ずつ買いたい。車がないから1週間ぶん買いだめするほどの荷物を持てないからだ。コンビニでも一部始めた様だが、メニューに合わせた加工食材を宅配する方法では高く付くので、多くの世帯は自分で店に出向いて買うスタイルを選択するだろう。2、3日で使い切るほどの量をパックして店に並べる。そうすると包装材ばかりが多くなってしまうので、物によっては、消費者が入れ物持参で必要量を購入出来る売り方も用意して欲しい。そうは言っても、私個人的には老人ホームの様に建物全体を老人が占める様な環境は良くないと考えている。老人中心のマンションであれば、例えば1階にコンビニや保育園を設け、老人は低層階に集めて高層階には若い世帯を優先的に入渠させるなど、若い世代との交流が当たり前に発生する状態が好ましい。近未来のコンビニは今以上に生活に密着する形に移行する事になるだろう。(2018/01/31 18:11)

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