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「引っ越し難民」を生まないズレのメリット

2018年2月28日(水)

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 日本は今、人口減少時代に突入しいろいろな問題の発生が危惧されている。経済活動を支える需要も、日本国内に限れば減少局面に入りつつある。この事実は、裏返せば供給能力も減少局面にあることを意味する。経済産業省が発表する鉱工業指数の「生産能力指数」をみても、徐々に生産能力が減少しているのは明らかだ。これまで景気浮揚を狙い、需要の拡大ばかりに注目し、供給能力はあまり問題視してこなかった。しかし供給能力の減少は、確実に私たちの生活に影響を及ぼす。

 これまでに直面したサプライチェーンの危機は、すべて供給能力の減少によって発生してきた。特に大きな自然災害によるサプライチェーンの断絶は、ある日突然発生するので、誰の目にも明らかな事象となる。しかし、人口減少による需要減退と同時に発生する供給能力の減少は、徐々に進行するためその存在がわかりづらい。ただし、その兆候が明らかになる瞬間がある。

供給能力不足は急激な需要変動で顕在化する

 供給能力の減少によって最初に影響を受けるのは、需要変動発生時の対応能力だ。中でも需要が大きく増加した時、能力不足に陥ってサプライチェーンを断絶させ、さまざまな影響を実体経済に及ぼす。ここ数年を見ても、さまざまな場面で供給不足による影響が顕在化している。

 増え続ける貨物量に、昨年悲鳴を上げたのが物流業界だ。特に宅配便事業は近年、需要が集中する年末に「遅配」がクローズアップされる。これは宅配便の取扱数量が、12月は他の月と比較して1.5倍まで増えるという、急激かつ短期間の需要拡大が原因だ。他の月は、中元需要の7月と異動や学校の入学に備える3月に若干増えるものの、12月ほどの騒ぎにはならない。

引っ越しできない

 そして最近は、新たな問題が注目されている。宅配便取扱量が増加する3月を目の前にして、新たな生活の場に引っ越せない人が増えているのだ。2016年の住民票の異動を「引っ越した」と見なしたデータによると、3月と4月で実に年間の引っ越し件数の30%近くが行われている。特に3月は各月平均の2倍以上の件数が集中している。全日本トラック協会は「引っ越し混雑予想カレンダー」を作成して、分散引っ越しへの協力を求めている。

 日本における「4月」は新たな門出を象徴するイベントが多い。進学や人事異動といった新たな環境に胸膨らませる季節だ。しかし、人手不足によって引き起こされる引っ越し能力不足は、新たな門出にも何らかの対応を迫っている。

実は日常的に発生している供給能力不足

 よくよく思い返してみれば、1年間を見通さなくても一定の期間のみ需要が急激に増大して生じる問題は日常的に発生している。もっとも顕著な例は通勤ラッシュだ。大都市圏の電車の混雑だけではなく、地方都市でも通勤するマイカーによって幹線道路の混雑が通勤時には発生する。公共交通や道路といったインフラを、1日数時間だけ集中する需要に合わせて装備するのは、コスト面からいっても妥当性は見いだせないだろう。したがって問題の解消には、供給側であるインフラ整備の充実と、需要側の通勤者の工夫が欠かせない。

コメント3件コメント/レビュー

通勤や社内の異動なら調節できるだろうけど、
学校や卒業して入社はこの日まではこっちにいて、あの日までには向こうにいなきゃの期間があるので引っ越しが集中するのも必然。これをどうにかするのは大変だと思う。
異動を引っ越しピーク時からずらすのは推進して欲しいですね。(2018/02/28 22:48)

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「「引っ越し難民」を生まないズレのメリット」の著者

牧野 直哉

牧野 直哉(まきの・なおや)

未来調達研究所取締役

2012年、未来調達研究所取締役就任。現役バイヤーの立場から情報発信を行い、企業の調達・購買部門における取引先管理・サプライヤーマネジメントの専門家。調達・購買の現場に根ざした理論構築を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

通勤や社内の異動なら調節できるだろうけど、
学校や卒業して入社はこの日まではこっちにいて、あの日までには向こうにいなきゃの期間があるので引っ越しが集中するのも必然。これをどうにかするのは大変だと思う。
異動を引っ越しピーク時からずらすのは推進して欲しいですね。(2018/02/28 22:48)

人事制度に振り回せれて、人事異動を世の中と画一的に行う企業の知能の低さ加減にはうんざり。人事制度はあっても、人事戦略がない日本の会社文化。それでも口を開けばグローバルとシームレス。(2018/02/28 14:48)

住民票の異動を伴わずに子供の転校ができるならば、世帯主に先に単身赴任させておいて後日合流もできますが、それが難しいから転勤辞令と同時に家族まるごとお引越しをするのではありませんか?子供だって4月に転校ならあまり目立ちませんが、年度途中に転校してきたら好奇の目で見られかねません。
少し早めるか遅めるかすれば料金が安くなること位、転勤族だってわかっているんです。わかっていてもそうせざるを得ない方もいますし、分散を促す努力義務を求めるのはまだしも、全ての方に強要できることではありませんね。(2018/02/28 12:00)

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