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ヤマトの成長に必要なラストワンマイル改革

2017年3月8日(水)

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 2月22日、ヤマト運輸の労働組合が経営側に荷受量の総量規制を求めていると報道された。その後、配達時間の見直しが伝えられたものの、3月7日には宅配料金を値上げする方針だと報じられた。人手不足と取扱量の増加が同時進行する中で、まだ抜本的な対応策は打ち出されていない。加えて会社側が、従業員のサービス残業の実態調査に乗り出した。ヤマト運輸が展開する宅配事業の根幹を担う翌日配達の実現が、従業員の長時間労働によって支えられていた実態が明らかになった。

 この問題は、宅配業ならではの膨大なサプライチェーンの終点、すなわち物流の肝である「ラストワンマイル」で発生している。バリエーションに富んだ荷受人それぞれのニーズにどのように応えてゆくのか。これまで従業員の献身的ともいえる労働に支えられていた宅配便サービスが今、岐路に立たされている。

 宅急便では配達のタイミングを、配達日が選べるのはもちろんのこと、時間帯としては午前中をはじめ最後は20時から21時まで、6つの予定時間から指定できる。一見すると、荷受人からすれば在宅時間に指定可能であり、利便性の高いサービスに見える。しかしラストワンマイルの効率性追求の視点では、その仕組みの活用には様々な問題がある。

配達時間設定と消費者ニーズのギャップ

 6つに設定された配達予定時間のいずれを選択しても料金は同じだ。では配達日と配達予定時間を、どんな基準で指定するだろうか。

 インターネットの通信販売であるAmazon.comで商品を注文する場合、プライム会員ならば配送方法について3つの選択肢が用意されている。「通常配送」「お急ぎ便」「お届け日時指定便」だ。注文画面ではあらかじめ「お急ぎ便」がチェックされている。東京の場合、在庫があれば注文する時間帯によって当日、一般的には注文の翌日には配達される。

 では、注文した翌日の何時に配達を希望するのか。前述したように、どんな配達時間でも料金は同一と設定されている。多くの荷受人は、昼間は仕事や外出している時間帯だろうから、仕事や外出から帰宅しても受け取り可能な、20時から21時の時間帯に配達希望が過度に集中するのだ。

同じサービスでも4倍も違う航空運賃

 2月22日に新聞紙上をにぎわせて以降、ヤマトホールディングスの株価は10%以上値上がりして推移している。貨物の総量規制によって同社の収益性を改善すると見込んでの買いが進んでいるのだ。もっとも期待の大きい部分は、配送料金値上げによる収益性の改善だ。どんな配送時間でも同じ料金設定だが、需要と供給の観点から見直しが必要である。

コメント7件コメント/レビュー

たいへん参考になった。「クロネコメンバーズ」「Myカレンダー」はぜひ利用しようと思う。ヤマトさんにはいつもお世話になっている。協力できることは協力し,みんながよりハッピーな暮らしがしたいと思った。誰かが苦労をしてそれでいて報われないシステムは長続きしない。いろいろ提案されているラストワンマイル改革をヤマトの経営陣には継続的に推し進めてほしい。(2017/03/14 14:43)

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「ヤマトの成長に必要なラストワンマイル改革」の著者

牧野 直哉

牧野 直哉(まきの・なおや)

未来調達研究所取締役

2012年、未来調達研究所取締役就任。現役バイヤーの立場から情報発信を行い、企業の調達・購買部門における取引先管理・サプライヤーマネジメントの専門家。調達・購買の現場に根ざした理論構築を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

たいへん参考になった。「クロネコメンバーズ」「Myカレンダー」はぜひ利用しようと思う。ヤマトさんにはいつもお世話になっている。協力できることは協力し,みんながよりハッピーな暮らしがしたいと思った。誰かが苦労をしてそれでいて報われないシステムは長続きしない。いろいろ提案されているラストワンマイル改革をヤマトの経営陣には継続的に推し進めてほしい。(2017/03/14 14:43)

そもそもは、記事にもあるとおり、アマゾン問題以前にヤマトの配達時間帯設定自体に問題があったと考える。
朝は「午前中」しか選べない。私の家に近い担当者は、経験的に朝8時半頃集配所を出発していると推測している。とすれば、3時間半の間隔ということになる。8時半から12時まで自宅待機しろ、と言われても、ほかに自宅内で完結する用があれば良いが、無ければそれを選ぶ人は少なかろう。仮に洗濯でもしてしまうとベランダに干している間、我が家ではドアチャイムが聞こえない。
また、配達指定ではない時の経験だが、トイレで座っている時にドアチャイムが鳴ったこともある。さすがに小用でない場合は1分以内の応対がきわめて困難だ。3時間半これらを禁止されるのは、普通は耐えられまい。
話が逸れたが、午前中以外は最終を除き2時間間隔である。一方で、最終だけ1時間間隔だ。午前中と同じ理屈で、受け取り希望者の大半が最終を選ぶのは目に見えていたはずだが、もしそう考えていなかったのだとしたら、経営陣の設計ミスに過ぎない。●
次に、前述の8時半出発だとして、「8時間労働」なら17時半以前(出発前に積み込み作業があれば、当然8時始業が予想される)が終業のはずである。早番・遅番制度の2パーティで配送しているのなら労働問題は表沙汰にならなかったはずだ。ここにも、雇用側の法令遵守思想欠如が現れていたとしか言えまい。●
配送料値上げが新聞記事になっていたが、そもそも「大口割引」自体がおかしい。持ち込み料相当の一部値引きがあるのは分かるが、大量発注者だからといって、ラストワンマイルには何ら貢献していないのだから。(2017/03/09 11:20)

ヤマト運輸にはエールを贈りたい。

しかし個人向けの料金と企業向けの料金の差には驚かされる。
今まで隠されてきたものが一気に噴出し、ヤマトにエールを贈るばかりでないかもしれない。(2017/03/09 10:58)

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