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協力会解散しMRJ量産に向け決意を示す三菱重工

2017年6月21日(水)

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パリ航空ショーで実機が初展示された「MRJ」(写真=中尾由里子/アフロ)

 三菱重工業が、7月1日付けの機構改革で、ユニークな部署の新設を発表した。部署名称は「サプライヤマネジメント部」でMRJ事業部に設けられた。同社が発表した資料を参照すると、同部署の部長には、調達グループのトップが就任する。度重なる納入延期が発表されている国産ジェット旅客機「MRJ」。その量産を担当する三菱重工において、同部署における新たな取り組みが、信頼を取り戻すことにつながるのか。新しい部署には、果たしてどのような期待が寄せられているのか。

サプライヤーを「不公平」に扱う取り組み

 サプライヤーマネジメントとは、購入関係にあるサプライヤーを区別し、貢献度合いによって、「不公平」に扱う取り組みである。貢献度が高いサプライヤーには、より密接な関係を構築して、共同してマーケットを攻略するパートナーとして扱う。一方、単なる購入のみを行うサプライヤーには、発注企業として関与する度合いを低くする、などといった具合だ。

 専門の部署がなくても、サプライヤーからモノやサービスを購入していれば、サプライヤーマネジメントは調達・購買部門のバイヤーによって日常的に実践されている。ポイントは、無意識な対応に終始して成果も成り行き任せか、それとも企業戦略や調達戦略をベースに、確固たる意志をもって、サプライヤーに最大限の貢献を求めてマネジメントするかどうかの違いだ。三菱重工の新たな部門は、事業ニーズに貢献するサプライヤー管理の実践が目的と考えられる。こういった部門新設につながる動きが、この3月から4月に起こっていた。

 同社は4月1日に「民間機調達センター」を神戸造船所に設置した。本社主導による調達業務改革が目的だ。この動きに呼応して、航空機製造の中心的役割を担う2つの事業所の協力会社組織が、相次いで解散した。こういった一連の取り組みの狙いは、大きく2つに整理される。

部品メーカーから機体メーカーへの脱皮

 従来同社は、防衛省向けに加えて、米ボーイングで製造される旅客機の、機体の一部を担当する部品メーカーの位置づけだった。部品メーカーと機体メーカーで、製造に必要となる取り組みに大きな違いはない。しかし、部品メーカーと機体メーカーでは、求められる責任が大きく異なる。

 部品メーカーであれば、顧客に部品を納入すれば良い。納入した部品を使用して製造された機体が、どの地域に納入されようと、それは顧客企業がユーザーに対する責任を担う。一方で航空機を自社開発し、顧客へ納入するとなると、部品メーカーとは比較にならない程に、サプライヤーから顧客までをつなぐサプライチェーンが長く複雑化する。三菱重工にとって旅客機の開発は、技術的なハードルと、旅客機メーカーとしてのサプライチェーンを構築するハードルの2つがあったのだ。

 MRJ製造に必要な部品の調達拠点を、名古屋からあえて神戸に移したのは、神戸造船所が担ってきたサプライチェーン最上位に位置する最終製品メーカーとしての部品調達ノウハウにある。有料道路の料金収受システムや、都市交通システムといった、納入後のメンテナンスサービスが欠かせず、サプライヤーのリソース活用が必須とされた製品を製造、納入してきた。このノウハウを活用し、航空機事業を部品メーカーから脱却させる必要があったのだ。

コメント1件コメント/レビュー

サプライがどううのこうの以前に国産化率を上げる方を考えた方が良いのではないか?MRJの開発遅れの原因の一つに型式証明取得があるが、その形式証明を取るためにには型式証明の取れた部品メーカの部品を使わないといけない。三菱はそれができてなかった。防衛産業では型式証明は必要無いのでお抱え部品メーカや国内の部品メーカを使えたが。旅客機ではダメだ。FAAなりの認証もった工場で型式証明の取れた部品を使う事が旅客機の前提。まず部品メーカに高いハードルである型式証明を取った部品を開発する所から始めないといけない。そうでなければ欧米の部品メーカを今後も使わざるをえず完成機は相変わらず国産化率の低いまま、国内の産業への広がりも今後の海外展開もありえない。サプライを考えるならもっと手前の段階から部品メーカを育てていかないといけない。(2017/06/21 11:14)

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「協力会解散しMRJ量産に向け決意を示す三菱重工」の著者

牧野 直哉

牧野 直哉(まきの・なおや)

未来調達研究所取締役

2012年、未来調達研究所取締役就任。現役バイヤーの立場から情報発信を行い、企業の調達・購買部門における取引先管理・サプライヤーマネジメントの専門家。調達・購買の現場に根ざした理論構築を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

サプライがどううのこうの以前に国産化率を上げる方を考えた方が良いのではないか?MRJの開発遅れの原因の一つに型式証明取得があるが、その形式証明を取るためにには型式証明の取れた部品メーカの部品を使わないといけない。三菱はそれができてなかった。防衛産業では型式証明は必要無いのでお抱え部品メーカや国内の部品メーカを使えたが。旅客機ではダメだ。FAAなりの認証もった工場で型式証明の取れた部品を使う事が旅客機の前提。まず部品メーカに高いハードルである型式証明を取った部品を開発する所から始めないといけない。そうでなければ欧米の部品メーカを今後も使わざるをえず完成機は相変わらず国産化率の低いまま、国内の産業への広がりも今後の海外展開もありえない。サプライを考えるならもっと手前の段階から部品メーカを育てていかないといけない。(2017/06/21 11:14)

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小田嶋 隆 コラムニスト