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ウォルマート“冷蔵庫への直接配送”は流行る?

2017年9月27日(水)

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 私が大学を卒業して入社したメーカーでのこと。新入社員の私を驚かせたのは、納入業者が、オフィスの、さらに机のあるところにまで入ってきて、商談をしていたことだ。正確には、しばらくすると、それが当たり前になって驚かなくなった。

 納入業者と自社の境界は曖昧だった。商談のあと納入業者は、タイミングを見計らって、部長に挨拶しては帰っていく。いま思えば、重要書類も机上にあったはずだが、それを気にするひとはいなかった。納入業者がそれを見ても、どうってことない、という意識もあったのだろう。

 しかし、その牧歌的な時代も、急速に変化していった。いまでは、そもそも入館するのに厳重なチェックが重ねられる。もちろん、商談スペースと、オフィスは別になっている。機密書類の取り扱いや、送付条件なども厳しく設定されている。

 いまでは、取引先がオフィス内に“侵入”したことなど、思い出話としてしか聞かない。また、分離が当然の感覚でいると、昔のように取引先との境界が曖昧だった時代こそ、とても危険に思えてくる。

 ただし、それが違う形だったらどうか。

ウォルマートの家庭内侵入サービス

 ウォルマートが面白いサービス構想を発表した。スマートロックを使った、冷蔵庫への直接配送(“Delivery Straight Into Your Fridge”)だ。文字通りのサービスだが、けっこう衝撃的なので一度ご覧いただきたい。

 キャリアウーマンが自宅で冷蔵庫を開ける。食材が不足している。しかし、残念なことにスーパーマーケットに行く時間もないし、配送を受け取る時間帯に帰宅できない。彼女は職場に向かう前にウォルマートに食材を注文する。すると、ウォルマートの配達人の男性は、彼女の自宅に到着すると、カギを開けて(!)“合法的”に侵入し、冷蔵庫を開けて食材を入れて、そのまま立ち去る。

 そのとき彼女はオフィスにいる。スマートフォンに通知が届き、ウォルマートの配達人がやってきたことを知る。さらに自宅に設置したカメラが、配達人の様子をリアルタイムで中継する。女性の一人暮らし宅に侵入したのは男性とはいえ、もちろん危険なことはしない。配達人の行動の一部始終を確認し終わると、彼女はスマホを閉じ仕事に戻る。

 あくまでも私が確認した時点(2017年9月24日)ではあるが、goodボタンとbadボタンは残念ながら、badが多いようだ。

Delivとスマートロックと

 ウォルマートの同サービスは、米Delivとの連携を想定している。Delivとは、配送サービスを提供する会社だ。ただ、いわゆる日本でいうヤマトや佐川急便を想像すると、ちょっと違う。配送サービスのマッチング業者といったほうがよく、ウーバーの配送サービス版と思ったほうが近い。荷物を送りたい側と、トラックなどの運送手段を持っていながら稼働時間に余裕がある業者を結びつけるのだ。

コメント3件コメント/レビュー

冷蔵庫機能付き、ワンタイムパスワードによるロック解除化な宅配ボックスで良いのでは?
アメリカなら持ってかれない工夫が必要かもしれませんが。(2017/09/27 15:57)

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「ウォルマート“冷蔵庫への直接配送”は流行る?」の著者

坂口 孝則

坂口 孝則(さかぐち・たかのり)

調達・購買コンサルタント

大阪大学経済学部卒業後、電機メーカー、自動車メーカーに勤務。原価企画、調達・購買、資材部門に従業。調達・購買関連書籍23冊を上梓。2010年、調達・購買コンサルタントとして独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

冷蔵庫機能付き、ワンタイムパスワードによるロック解除化な宅配ボックスで良いのでは?
アメリカなら持ってかれない工夫が必要かもしれませんが。(2017/09/27 15:57)

 これ、本気でやる気なら、家の作りから設計する必要がありそう。
 それにアメリカは土足で家の中に入るから、結界の構造も違うし…。(2017/09/27 12:22)

仮に均一的・安全性の取れた配送員であろう日本ですらゼッタイ流行らない。まして、銃社会で労働者階級との差があるUS、他人と気軽に挨拶するように見えて実はお互い怪しい者でないという暗黙の意思表示するUSで、流行るはずが無い。(2017/09/27 10:19)

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