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神戸製鋼が露呈したトレーサビリティーの弱点

2017年10月18日(水)

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(写真:ロイター/アフロ)

 10月8日に明らかにされた神戸製鋼所が生産するアルミ・銅製部材のデータ不正・改ざん問題。最初の発表から10日あまりが経過し、依然として影響がどこまで拡大するのかは不透明なままだ。8日の発表に続き、11日には鉄粉製品の品質データや、検査子会社によるデータの改ざんが明らかになった。13日には川崎博也会長兼社長自ら記者会見を行い、事態の経緯を説明した。

 企業の不祥事発表にともなう経緯としては、次々に新たな事実が明るみにでており、事態の収束にはまだ時間を要する印象を受ける。今回の問題、これまでに発生したさまざまな偽装や不当表示による不祥事とは大きく異なっている。データ不正・改ざんに関連する可能性がある製品が、余りにも多すぎるのである。

素材で発生したが故に広がる影響

 データ不正・改ざんは、多くの部品や製品を生む素材・材料で発生した。不祥事によって影響を受ける企業や製品は、どれほどの数になるのか、現時点では見当さえつかない。いや、これから膨大となる検証作業を経ても、影響を受ける製品をすべて判明させるのは不可能といわざるを得ない。これはサプライチェーンにおける部品管理方法が影響している。

 問題として対処が必要なのは、現在稼働し、ユーザーが使用している製品だ。製品を使用するユーザーも製造した企業も、今回の不祥事の影響によって、使用できなくなる最悪の事態は回避したいのが本音だろう。その結果、苦肉の策として問題品の納入を受けた各社から、検討結果として「製品の安全性に問題はない」といった発表が行われている。

40日がもつ意味

 今回のデータ不正・改ざんは、発表からさかのぼること約40日前の8月末に社内で発覚、約1カ月を経過した9月28日には、経済産業省へ報告している。この1カ月の間、神戸製鋼所は事実関係の調査を行うと共に、顧客へ提供する正規のデータを準備し、実使用に耐えうるかどうかを顧客が検討できる準備を行ったと推察される。今回の不祥事によって、鉄道の運行や自動車の走行に影響するような、大きな社会的な混乱を避けるために必要な準備期間が40日だったのだ。

 40日間におよぶ準備で当面の混乱は回避できても、抜本的な解決には大きな問題が立ちはだかる。JR西日本は、神戸製鋼所のアルミ製部材部品が、新幹線の台車などに148個使用されていると発表した。このような発表は、神戸製鋼所から納入を受けているすべての企業で実現することは不可能だ。高速旅客鉄道車両である新幹線だからこそ、構成する部品にトレーサビリティー(追跡可能性)が確保されている証だ。

コメント6件コメント/レビュー

記事のいう通り、神鋼だけでなく、JAPANブランドへのダメージは計り知れないと思う。「日本製なら安心」というイメージが壊れれば、日本は何を強みにしていけばいいのか?大げさな言いかただが、「MADE IN JAPAN神話」の終焉のきっかけになるのではないか。安倍さんこれこそ国家の一大事ですよ。もう中国製を蔑む時代は終わった。(2017/10/18 18:09)

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「神戸製鋼が露呈したトレーサビリティーの弱点」の著者

牧野 直哉

牧野 直哉(まきの・なおや)

未来調達研究所取締役

2012年、未来調達研究所取締役就任。現役バイヤーの立場から情報発信を行い、企業の調達・購買部門における取引先管理・サプライヤーマネジメントの専門家。調達・購買の現場に根ざした理論構築を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

記事のいう通り、神鋼だけでなく、JAPANブランドへのダメージは計り知れないと思う。「日本製なら安心」というイメージが壊れれば、日本は何を強みにしていけばいいのか?大げさな言いかただが、「MADE IN JAPAN神話」の終焉のきっかけになるのではないか。安倍さんこれこそ国家の一大事ですよ。もう中国製を蔑む時代は終わった。(2017/10/18 18:09)

神戸製鋼所のまさに「おひざもと」 神戸エリアに在住しています。
神戸製鋼は、このたび、生誕の地である「神戸」の「製鋼」設備を全廃し
同じ兵庫県の西部に、鉄鋼生産を集約することを発表。

以前より製鉄に必要な熱源である「石炭」を利用した発電所を併設し
CO2の排出はあるものの「消費地に近い発電所」として、一定の役割を果たしてきました。

が、このたび、その「製鉄」をやめる代わりに始めようとしているのが
現在の二倍の「数」の発電所を、同じ敷地に作ろうというプロジェクトです。

曰く「より高効率の発電所を作って、産む電気の割に少ない公害で」と
売り文句は勇ましく、ただし、県のアセスメントは市民に非公開にと
「ハナから、生のデータは市民に見せる必要なし」とのスタンスで今日に至ります。

ようやく県から「環境評価データの再提出を」との要請が出ていますが
「再」とはどういうことか。「同じものをもう一回出せ」ということなのでしょうか。
県の担当者は「受け取ったけど、残るとやばいから捨てた」のでしょうか。

信用せよ、という方が、無茶です。神戸製鋼を。
もう、不必要なんで、退場してもらっても、個人的には構いませんよ。

ラグビーチームは、、、、市民チームとして、残って欲しいかなぁ。(2017/10/18 14:05)

思い起こせば『姉歯耐震設計偽装』に始まり、数々の食品偽装、『旭化成建材等による杭データ偽装』等、ここ10数年間に様々な偽装が暴露されてきた。「神鋼ともあろう企業が、起こすようなはずはない。」と誰しも疑うことは無かったであろう(と思う)。我々日本人はともすれば「親方日の丸的」なものに対して疑念を差し挟むことは、何とはなしに無かった(ような気がする)。「お上」は絶対的であり、「お上」の下に重層的な階層社会(企業社会)を形成しており、コスト競争においても「お上」は専横的に下層階層に対して、一方的な要求をするものである。どんな絶大なシステムや企業でも、単純で基本的でより人間的な(固有の)弱点により、かくも脆く崩壊するのかな。どれだけの歴史と先人達のたゆまぬ努力と汗と血の賜物であるはずの大企業や素晴らしい技術、製品が、何とちっぽけで情けの無いものに見えてしまう。『思いもよらぬ』と言うが結局あらゆる企業や様々なシステム(マシンやソフト、通信やそれらを統合する有形無形の形態)を構成する人間という『出来損ない』が、一番始末に終えない物に見えてくる。毎度毎度お偉いさんは、頭を垂れ謝罪されるが、一体何を何に対して謝罪されているのだろうか?人間が人間を貶める行為だろうか。人間の脆弱性に対する『アップデート』は存在しない。(2017/10/18 12:56)

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