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アマゾンの巧みなプライベートブランド戦略

2018年12月5日(水)

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(写真=Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 先日、LINEの銀行業務参入が発表された。単独ではなく、みずほフィナンシャルグループ(FG)との連携だった。プラットフォームを握って、その利用者にワンストップでサービスを与える。これは楽天も、グーグルも、どこでもそうだ。顧客基盤が強固であれば、その接触回数の多さから、なんでも販売できる、というわけだ。

 さらに私にとって興味深かったのは、みずほにとっても、自身の融資、口座管理、与信等のノウハウを活用してサービスを構築しようと思ったら、外部IT企業の力を借りたほうが早いということだ。新規口座開設の量は、メガバンクより、ネット銀行のほうが多いというから、両社の思惑が合致した。

 この、巨大な顧客基盤をもっていれば、なんでもできる、というのは、どの世界にもあてはまる。なにより、販売する力が重要だからだ。

 先日、ドン・キホーテが4K液晶テレビの第5弾を発表した。43型で3万9800円、58型で5万9800円という価格。同社といえば、かつてジーユーの980円ジーンズに対して、690円ジーンズを発売し、世間を驚愕させた。プライベートブランド開発ができるのは、それを売り切る販売力と顧客基盤があってこそだ。

 同社は、4Kテレビ、タブレット、PCなどの黒物家電から、炊飯器、ドライヤーなどの白物家電まで、激安プライベートブランド商品を開発している。また、寝具、衣料品にも手を広げている。また、ドン・キホーテの店内を歩くとよくわかるものの、食品売り場にこそ、プライベートブランド商品が溢れている。

アマゾンのプライベートブランド

 現在では、アマゾン・ドット・コムとドンキのみが小売業を制覇しているように思える。アマゾンのプライベート戦略はどのようなものだろうか。

 アマゾンこそ、最大の顧客基盤をもち、メールアドレスのみならず住所などの個人情報をすべて有している。さらに消費行動も押さえている、世界最大の小売業者といっていい。アマゾンは、このところ相当なピッチでプライベートブランドを増やし続けている。ところで、あなたは次のアマゾンブランドをご存知だろうか。

  • Amazon Presto:日用品のブランドだ。台所で消費される商品を中心に扱っている。さらにアマゾンは、たとえば「キッチンペーパー」と誰かが検索した際に、自社商品を優先表示させることができる。既存メーカーからすると驚異だろう。
  • Amazon Solimo:シャンプーや、カミソリ、コンディショナーなど。男性サニタリーを中心としている。
  • Amazon Basic:ここは正式サイトから引用しておこう。「お客様に高品質の商品を低価格でお届けすることを目的」としており、PCアクセサリーや、オーディオ関連商品、トラベル用品、オフィス用品など多岐にわたる。
  • Amazon Elements:オムツやウェットティッシュ、クリームにローションなどを品揃えする
  • Amazon Rivet:イケアやニトリのような中価格帯の家具を取り扱う。リンク先を見ていただくと、商品単価が安価に抑えられているとわかる。マットレスから枕、室内照明まで取り揃えている。
  • Amazon Wag:ペット向けのサービスだ。アマゾンが顧客のすべての商品を提供しようとする意気込みはすごい。ドッグ/キャットフードから、ペット関連サプライまで販売している。

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「アマゾンの巧みなプライベートブランド戦略」の著者

坂口 孝則

坂口 孝則(さかぐち・たかのり)

調達・購買コンサルタント

大阪大学経済学部卒業後、電機メーカー、自動車メーカーに勤務。原価企画、調達・購買、資材部門に従業。調達・購買関連書籍23冊を上梓。2010年、調達・購買コンサルタントとして独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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