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AI+熱量、変わり続けるサプライチェーン2018

2017年12月20日(水)

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年末年始の特別企画として、日経ビジネスオンラインの人気連載陣や記者に、それぞれの専門分野について2018年を予測してもらいました。はたして2018年はどんな年になるのでしょうか?

(「2018年を読む」記事一覧はこちらから)

 2017年は、不思議な組み合わせと出会う年だった。

 では、その不思議な組み合わせはどのように実現するだろうか。もちろん、不思議な経緯を経て、だろう。

 数年前、本屋のほうがネットよりも思わぬ本に出会える可能性が高いと考えていた私は、いつものとおり、出版社との打ち合わせのあと神保町の古本屋街を歩いていた。そこで、なぜそれらの本に目を留めたのかは、もう覚えてはいない。

 そこで手に取ったのは、葛和満博さんの『飲食業のオーナーになって儲ける法』『飲食業の革命方式』といった40年ほど昔の書籍だった。立ち読みして吃驚した。これらは小規模飲食店において、投資家と経営者を分けることで効率性をあげるノウハウを開陳していた。たとえばサラリーパーソンがいたとする。自分自身を人的資本として会社で働くだけではなく、ささやかなお金でも飲食店に投資すれば、その不労所得が手に入る。そして誰もが投資家となれる仕組みを、葛和さんは公開していた。

 どこを切っても血が吹き出しそうな現場感、臨場感、そして圧倒的なリアル。ありていにいえば、金の稼ぎ方。いまの論者たちが語っている内容のはるか先に、所有と経営の分離を説いた先見性。もちろん現代とは環境が違う。ただ、だからこそ、かぎりなく本質に近い思考法だけが残る。

 正直にいえば、その熱量以外は、ほとんど失念してしまった。ただ、残滓としてあるのは、衝動――しかも、強い振動を持ったものだった。

 そこから幾星霜。

 氏はジャスマックという企業で、料理人という経営者と、資本家をつなぐビジネスを実践していた。私は偶然にも、仕事の関係で、85歳になる葛和さんにお会いすることになった。前日に、氏の著作を読み返した私は、その内容を記憶していないことにあらためてうろたえながら、当日は青二才のような、馬鹿げた言葉を復唱するだけだった。「私は、ご著作を読んでいますよ」――。しかし、考えるに、私はその出会いについて、いったいほかに何を伝えられるだろうか。

 不思議なことに、それ以降、私はことあるごとに懇意にしてもらい、氏と数度にわたって会食した。氏の発言から、読書を通じて知った言葉たちと再会する機会に恵まれた。それにもかかわらず、そのあとには、また何も覚えてないことに驚く。覚えているのは、やはり、その熱量だけだ。ただ、事業家から得られるものとして、それ以上のものがあるだろうか。

 しかし、そのなかでも、氏から繰り返し発せられる言葉だけは私の心を打った。

「あのねえ、この歳まで生きていて良かったですよ。まさか、AIなるものがこれほど存在感をもつとは。これからは飲食店でもAIに任せればいい。あとはAIにできない、人間力を発揮して集客すればいい」。その矍鑠とした発言に、迷いのかけらもない。

 氏は、これから店舗設計やレシピ開発にAIを活用するという。そしてすでにAIの研究を進めていた。その先見性に、あらためて驚くとともに、私は、飲食店というおよそAIと乖離している業態にも浸潤するその不思議な組み合わせを見た。

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「AI+熱量、変わり続けるサプライチェーン2018」の著者

坂口 孝則

坂口 孝則(さかぐち・たかのり)

調達・購買コンサルタント

大阪大学経済学部卒業後、電機メーカー、自動車メーカーに勤務。原価企画、調達・購買、資材部門に従業。調達・購買関連書籍23冊を上梓。2010年、調達・購買コンサルタントとして独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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