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パニックを起こすジタハラ(時短ハラスメント)

2017年5月2日(火)

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 現場をよく知らない上司などから、頭ごなしに「時短だ」「残業をするな」と言われ続けると、心身の調子を崩します。パニックになる人も出かねません。私はこれを「ジタハラ(時短ハラスメント)」と呼んでいます(関連記事『「ジタハラ(時間ハラスメント)」が急増する』)。

 長時間労働の是正はすべての日本企業に課せられた責務です。だからといって現場感覚に乏しい人がいわゆる「上から目線」で時短を強要すると、ジタハラになり、目標を達成しようという意欲を持つ真面目な人を苦しめる危険があります。

 ジタハラを防ぐにはどうすればよいでしょうか。鳥山人事課長と鷲沢社長の会話文を読んでください。

●鳥山人事課長:「社長、人事部の残業時間、ずい分と減ってきました」

○鷲沢社長:「成果が出てきたか」

●鳥山人事課長:「本気になると時短はできるものですね」

○鷲沢社長:「追い込まれると本気になって創意工夫をするからな。私は50歳から単身赴任を続けたせいで色々な『時短レシピ』を考案した。短時間で美味い料理が作れると喜びも格別だ」

●鳥山人事課長:「ご自分で料理をされるのですか」

○鷲沢社長:「必要に迫られたからな。やってみると気分転換になる」

●鳥山人事課長:「見習いたいですね。私は外食ばかりです」

○鷲沢社長:「工夫が足りんぞ。何事にも創意工夫する癖を付けたほうがいい。外食だけだと不健全になる」

●鳥山人事課長:「労務管理も同じですね。工夫して長時間労働を是正しないと経営も不健全になります」

○鷲沢社長:「その通り。残業が多い会社にいい人は来ない。引き続き、時間管理をしっかりやってくれ。人事部がすべての部署の見本にならないと」

●鳥山人事課長:「はい。ところで社長、相談があります。営業部で極端に残業が多い課があるのです」

○鷲沢社長:「ああ、獅子山課長のチームだろう」

●鳥山人事課長:「ええ、もう一つ、子犬課長のチームもそうです。人事として見過ごせませんから手を打ちたいのですが」

○鷲沢社長:「ちょっと待て。子犬課長のチームはいいが、獅子山課長のところはもう少し様子を見たい」

●鳥山人事課長:「どうしてですか」

子犬は叱る、獅子は様子を見る、その理由は

○鷲沢社長:「子犬課長のチームは目標達成まで後少しだ。営業の材料である『予材』を目標予算の2倍仕込んで管理できている。予材管理が定着してきて、勝利の方程式が見えてきた」

●鳥山人事課長:「とはいえ子犬チームは平均すると営業一人当たり60時間ぐらいの残業です。もっと短くしてもらわないと」

○鷲沢社長:「60時間は多いな」

●鳥山人事課長:「しかも月に2回ほど休日出勤をしている営業が3人もいます。彼らは80時間を超えています」

○鷲沢社長:「それはいかん。すぐ子犬を呼べ」

●鳥山人事課長:「獅子山課長は呼ばなくてよいのですか」

○鷲沢社長:「呼ばない。さっき言った通り、様子を見よう」

●鳥山人事課長:「しかし彼のチームも残業が平均60時間あります。休日出勤はほとんどないのですが状況は子犬チームと同じです」

○鷲沢社長:「獅子山チームには予材管理が定着していない。予材の埋蔵量が多い顧客を探すのに苦労している」

●鳥山人事課長:「獅子山チームは大口顧客の担当ですから予材は色々ありそうですが」

○鷲沢社長:「それが裏目に出ている。取引先に恵まれ過ぎて、『待ち』の営業になってしまった。チームに創意工夫する癖がない」

●鳥山人事課長:「コンサルタント出身の獅子山課長ですから創意工夫はお手の物ではないかと思いますが」

○鷲沢社長:「彼なりに考えているようだが、チーム全員が工夫しなければならん。予材管理を導入したら、このお客ならこのくらい予材がありそうだ、と一人ひとりが仮説を立てないといけない。予材の量と中身を見れば、創意工夫する癖がチームにあるかどうか、すぐ分かってしまう」

コメント4件コメント/レビュー

 もともと予材管理自体が突き詰めれば「生活費が足りないならバイトの時間を倍に増やせばいい」的なただの根性・精神論なんですよね。
 筆者のコンサルとしての底が浅いのはそこになんの論理的根拠もないところだと思います。倍予材を仕込めば何故目標達成が約束されるのかが一切説明されない。はっきり言えば小学生だって言えることをそれらしく言っているだけなのです。そりゃ達成できるまで数打ちゃ方式で量を増やせば目標達成は出来るでしょうよ、と。
 
 今回も時短がどうとか言ったところで何の解決にもなっていません。裏を返せば今回のストーリーは
社員が残業を強いられるほど予材を仕込まねばならない→それほど目標が高い→その目標は是正しない、社員の能力不足は残業でカバー
というただのブラック企業なわけです。(2017/05/08 09:03)

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「パニックを起こすジタハラ(時短ハラスメント)」の著者

横山 信弘

横山 信弘(よこやま・のぶひろ)

経営コンサルタント

CSK、日立製作所を経て、現在アタックスの主席コンサルタント。営業目標予算の2倍の材料を仕込む、組織マネジメント「予材管理」が注目され、コンサルティングのみならず、セミナー講師としても人気を博す。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

 もともと予材管理自体が突き詰めれば「生活費が足りないならバイトの時間を倍に増やせばいい」的なただの根性・精神論なんですよね。
 筆者のコンサルとしての底が浅いのはそこになんの論理的根拠もないところだと思います。倍予材を仕込めば何故目標達成が約束されるのかが一切説明されない。はっきり言えば小学生だって言えることをそれらしく言っているだけなのです。そりゃ達成できるまで数打ちゃ方式で量を増やせば目標達成は出来るでしょうよ、と。
 
 今回も時短がどうとか言ったところで何の解決にもなっていません。裏を返せば今回のストーリーは
社員が残業を強いられるほど予材を仕込まねばならない→それほど目標が高い→その目標は是正しない、社員の能力不足は残業でカバー
というただのブラック企業なわけです。(2017/05/08 09:03)

上司、上長、経営幹部が待つことのできる環境は羨ましいですね。新人も待ってくれてるというのがわかれば、ますます頑張る事でしょう。
文章中最初の、退職願が出されている、「鮫貝に話を聞いてみると、残業が多くて将来に不安を感じると言っています」と、途中の「時間制限されたら腹が立つ」のくだりは、モチベーションの違いが明らかですね。前者の期待している、根性出せの両方のケア配分はかなり難しそうです。(2017/05/05 11:02)

そりゃハラスメントでしょう。

業務量が多いんだから、増員する以外の手法は業務打ち切り以外にあり得ません。(2017/05/02 08:50)

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