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丹羽元中国大使に聞く安倍氏と習氏の背中の違い

日本中国友好協会会長、元中国大使の丹羽宇一郎氏を迎えて(2)

2017年12月28日(木)

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 元中国大使で、現在は日本中国友好協会の会長を務める丹羽宇一郎氏との対談の2回目。中国に深く関わってきた丹羽氏。日中で友好的にビジネスを進めるためには、文化の違いを認識したうえで、信用を築くことだと言う。一方で、安倍政権に対しては苦言を呈する。

(前回の記事「丹羽元中国大使『習近平は権限を委譲すべきだ』」から読む)

丹羽 宇一郎(にわ・ういちろう)
日本中国友好協会会長。1939年、愛知県生まれ。名古屋大学法学部を卒業後、伊藤忠商事に入社。1998年、社長に就任。2004年、会長に就任。内閣府経済財政諮問会議議員、総務省地方分権改革推進委員会委員長、日本郵政取締役、国際連合世界食糧計画(WFP)協会会長などを歴任し、2010年、民間出身では初の中国大使に就任。現在、公益社団法人日本中国友好協会会長、早稲田大学特命教授、福井県立大学客員教授、伊藤忠商事名誉理事。著書に、『人は仕事で磨かれる』(文藝春秋)、『中国の大問題』『習近平はいったい何を考えているのか』(共にPHP研究所)、『死ぬほど読書』(幻冬舎)、『戦争の大問題』(東洋経済新報社)など多数。(写真=吉成大輔、以下同)

山田:丹羽さんの書籍には、中国のことは好き嫌いじゃなく冷静に見ていかないといけない、中国をどう生かすかということを考えていかないといけないと書かれている。まったくそうだと思います。ただ、こういうようなことを言うと、すぐに親中派ですかとかそういう話になっちゃいますよね。

丹羽:僕なんかはしょっちゅう言われる。

山田:そういう単純な話じゃないんですよね。

丹羽:そうです。

山田:中国のことが嫌いなら嫌いでもいいし、どのような考えを持っていてもいいし、反対してもいいんです。嫌いでも何でもいい。だけど取りあえずはそういうのを置いておいて、中国というのはどういうところだということを冷静に見ないと判断できないし、ましてや日本の国益になること、策を決めるときにも判断を誤るだろう。だからまずは好き嫌いを取り払って考えてみたらどうですかということを言っているだけなんですけどね。

丹羽:それは私の場合もみんなレッテルを張っています。

山田:レッテルですよね。

丹羽:丹羽さんは中国寄りだと。でも、僕が言っているのは、思想や哲学で経済は動くものじゃないということです。共産党は嫌い、しかしもうかるから中国に行く。中国人にしても日本人は大嫌い、しかし日本に行ったらもうかるから俺は行く。経済というのはそういうものです。

 ただし、そこで前提が1つあります。相手をだましたり、日本の信用を失うようなことをして金もうけをしちゃ絶対にだめだ。金で買えないもの、それは信用だけだ。中国人の信用が大事です。

 だから本当に困ったらやっぱり信用があるということが支えなんです。信用がなくては長く付き合うことはできない。だから信用できる中国人を雇って、日本人を雇って仕事をする。札束だけ持っていってほっぺたをぶったたいて何でもできると思ったら大間違いだ。

山田:そうですね。

丹羽:中国の人には、日本人は嫌いでももうかると思うならやりなさい。日本人は好きだけどもうからないというのなら出ていきなさい、やったってしょうがない。好き嫌いとか思想や哲学で経済はやるものじゃないと言っていました。

山田:そういった意味では、丹羽さんも大変なときに中国で大使をやられていたわけですよね。

丹羽:どこに行ったって大変じゃない? 農民工と一緒だよ。どこに行ったって大変です。まあ、中国にたまたま行ったら大変だったというだけです。それは生きているということで、大変じゃなくなったら死ぬときです。

山田:ただ、日本では中国や韓国に対する言論とかを見ているとひどすぎる。中国に行って中国の中で同じことが言えるのか、韓国に行って同じことが言えるのか。そういうことを考えてから発言してみたらどうだろうというのを思うんです。

コメント41件コメント/レビュー

丹羽さんの仰る通り曖昧な基準で昇進できる日本企業の役員の典型的意見がここに書いてある。(2017/12/31 08:56)

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「丹羽元中国大使に聞く安倍氏と習氏の背中の違い」の著者

山田 泰司

山田 泰司(やまだ・やすじ)

ノンフィクションライター

1992~2000年香港で邦字紙記者。2001年の上海在住後は、中国国営雑誌「美化生活」編集記者、月刊誌「CHAI」編集長などを経てフリーに。2010年からは、「EMSOne」編集長も務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

丹羽さんの仰る通り曖昧な基準で昇進できる日本企業の役員の典型的意見がここに書いてある。(2017/12/31 08:56)

中国嫌いとか云々言ってる人の大半は中国を歩いていないってのは同意。
中国の畑のど真ん中にある小さな工場で1年働いてた私からすれば、日本人は弱すぎる。
中国の農民のしたたかさと強さとそれでいての純情なやさしさってのは、同じ人間として心が打たれるよ。
政経は完全に別物なんだから、批判は的外れだと思うよ。(2017/12/30 17:55)

この記事を読んで、なるほどと思う。しかしながら、コメントを読むと否定的な論調が多い。
なぜだろうか。
やはり、今までの発言やしてきたことで、素直にはこの人の言うことは、信用されないのだろうと考えた。

自分なりの総括としては、やはりこの人は、良くも悪くも伊藤忠のトップだった人の考え方だなあと思いましたね。
なぜかと言うと、自分の経済的利益を優先に考えているからです。中国の人口は13-14億人ですね。なんと日本の10倍です。ということは、伸びしろを考えるまでもなく、中国の懐に飛び込んで商売をすれば、何倍も成長できることは、誰も疑う余地がないことです。当然、商売人ですから、相手をよく知り、相手に気に入られなくなくてはいけません。人口から考えれば、今は貧しい人が多くても、今は、日本と同等の生活ができる人の割合が、10人中数人であっても、少しずつ2人3人4人5人と、一人ずつ増えていくだけで、日本の国が一つずつできるという経済規模になり、そのインパクトの大きさがわかると思います。
でもこうした考え方は、同じ民間でも、三菱商事や物産、住商のトップだと、制限がかかると思いますよ。やはり、何の基盤もなく、関西から裸一貫でここまで伸してきた伊藤忠のトップの考え方ですね。
そしてどうしても、中国に長くいると向こうよりになることは、人間として気がつかないうちにそうなってしまうんでしょう。

でも、隣国の見苦しいまでのすり寄りと右往左往を見れば、日本人としてのプライドを優先したいですね。
やはり、中国人も節操もなくすり寄られても馬鹿にするだけで、隣の大統領の中国での冷遇と馬鹿にされぶりを見ると、もはや哀れとしか感じません。
他山の石としたいものです。(2017/12/30 05:53)

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