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意思決定を助ける「イシューツリー」の作り方

~リーマン・ショックとの戦いを支えた経営スキル(前編)~

2017年5月12日(金)

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 女性キャリア向けの講演の質疑応答で『大きなビジネスを決めるときに不安はなかったのか?』と聞かれることがよくあります。不安はもちろんあります。特に、ゼネラル・エレクトリック(GE)に勤務していた時は、リーマン・ショックというGE最大の危機があり、私自身初めての経験も多く、常に不安を抱えながら決断を下していきました。これから2回に渡って、「重要な場面で、どのようなスキルを使って意思決定をするのか」、というテーマについて私の経験も交えながら説明します。

証券会社リーマン・ブラザースが引き起こした「リーマン・ショック」は世界経済に打撃を与えた。(ニューヨーク証券取引所)

危機のはじまりは一本の電話

 2008年9月15日の朝、ニューヨーク。当時、GEインターナショナルの戦略・事業開発本部長を務めていた私は、前日までGE全社の事業開発リーダーが集まる会議で連日深夜まで仕事をして疲れ気味。少しゆっくりしようと思い、滞在中のホテルでのんびり朝食を取っていたときに同僚から電話がかかってきました。

 「今すぐニュースを見て。荷物をまとめて会社に来て」

 いつもは冷静沈着な同僚の動揺した声に、仕掛けていた企業買収でのミスが発覚したのか、大型のコンプライアンス問題が勃発したのか、いったい何が起きたんだろうと考えながら、ホテルの部屋に急ぎました。部屋に戻ってテレビをつけると、「リーマン・ブラザーズ破たん」のニュースが映し出されました。

 リーマン・ショック当時、GEの金融事業は、GE全体の売上高の4割近くを占め、総資産の8割を超えていました。また、最上級の格付けを武器に、コマーシャル・ぺーパーによる短期金融市場に依存した調達構造になっていました。リーマン・ブラザーズの破たんにより、短期金融市場の流動性が一時的に枯渇するのは容易に想像ができました。金融事業依存になっているビジネス構造から、今後非常に苦しい時期が来るのだと予測され、脇にじわっと汗がにじんできました。

 その日は午後の便で帰国する予定でしたが、しばらく自宅には戻れないだろうと、フライトをキャンセル。荷物をスーツケースに放り込み、オフィスへ向かいました。

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「意思決定を助ける「イシューツリー」の作り方」の著者

秋山 ゆかり

秋山 ゆかり(あきやま・ゆかり)

事業開発コンサルタント・声楽家

ボストン・コンサルティング・グループの戦略コンサルタントを務めた後、GE Internationalの戦略・事業開発本部長、日本IBMの事業開発部長などを歴任。コンサートのプロデュースや演奏も行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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