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日本の農業が勝つために、克服すべき5つの課題

あなたが知らない日本と世界の「食と農業」の姿(下)

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[1/5ページ]

2016年12月22日(木)

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※上記筆者のうち、田中氏・山田氏は日本語版の監修

日本政府は、農業部門において大胆な目標を掲げている。農産物生産量を2013年の5千万トンから2025年までに5千4百万トンに大幅に増やし、増加分のほとんどを輸出に回す方針だという。目標達成の具体策を見極めるために、マッキンゼーは日本の農業部門に関連するトレンドについて調査を実施した。(写真:PIXTA)

 前回は、日本の農業の特徴とグローバルトレンドについて確認した。今回は、食料需要の急増など、根本的な変化に対応して起きている国際競争や、アグテック(農業とテクノロジーの融合)などの「農業らしからぬ」新たな潮流を解説しつつ、日本の農業がグローバルチャンスを掴み取るための道筋を示したい。

日本の農業が解決すべき宿題

 まずは、日本の農業の課題を、先に提示しておこう。

 日本の農業が進むべき方向について、日本政府は食品産業および農業に関して2つの高い目標を掲げている。農産物生産量を2013年の5千万トンから2025年までに5千4百万トンに大幅に増やし、生産者の所得を現在の290億ドルから350億ドルに約21%増やす、というものだ。目標の達成には、輸出の増加や生産コストの削減が必須になる。

 この目標を実現するために、「日本における農業の発展、生産性の改善に向けて」のレポートの中でマッキンゼーは、以下の5つの宿題を解決する必要があると提言している。

(A) 農業資材の購買:
農業の上流にあたる農薬、種子、肥料などの原材料は海外勢に押さえられている。当該諸国との貿易協定を結ぶなどして、原材料や食料・穀物の上流確保をした上で、国としての購買・仕入れ・コスト低減を達成できるか。

(B) 農業原材料コストの削減:
日本は、他国よりはるかに高い農業生産コストを削減できるか。例えば、肥料や農薬などの資材のコストを低減できるか。

(C) データに基づくサプライチェーン(供給網)を含めた、農業バリューチェーン(価値とコストを付加する連鎖)の効率化:
生産コストのみならず、農業バリューチェーン全体の最適化により、コストを削減できるか。例えば、ビッグデータを活用すれば、生産者はより正確に調達・生産日程を予測し、バリューチェーン効率化に寄与できるはずだ。

(D) エンドマーケットとのコラボレーション:
生産者や食品加工会社、物流会社など農業の周辺産業と協力し、変化する国内外の消費者需要に応えることが可能な供給の仕組みを構築できるか。そして、それら周辺産業との協力を深めることで、生産コストを抑制しながら、需要の変化に迅速に応えることができるか。

(E) アグテック(農業とテクノロジーの融合)の可能性:
新たなテクノロジーは農業に大きな価値をもたらす可能性を秘めている。例えば、ビッグデータを活用すれば、天候や土壌の状態、その他の要因に関する情報を選り分けて、最適な肥料や作付けパターンなどを提案できるはず。バリューチェーン横断で、日本のコンテクスト(状況、背景)に沿ってアグテックの適用を図り、日本の高い賃金体系を補う形で生産性向上を実現できるか。

コメント3件コメント/レビュー

日本の農業が産業に脱皮するにはこんな議論では100年かかる。問題は各政党の農政派の問題意識の改革と、農協の改革以外にない。日本の農業はいまだに江戸時代さながらで、明治維新のような全て旧体制を破棄しゼロから始めない限りいつまでたっても本来の産業として成立し得ないのではないか。この提言でももいくつかの特区の様な形で試行しながらと言っているが、試行は既に多くの篤農家達がやっている。米、野菜、果実、畜産、花卉と全国に多くの先進的な人達がいる。彼らに日本の農業の全てを任せるぐらい規制をゼロにして取り組まない限り日本の農業の産業化は無理であろう。彼等こそ維新の志士と同じ改革の役目を果たせる人材だ。政治家や農協は農業から引退し彼等に全てを任せれば数十年で日本の農業は世界でも有数の農業先進国になり得る。(2016/12/25 12:07)

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「日本の農業が勝つために、克服すべき5つの課題」の著者

L・ゲッデ

L・ゲッデ(るっつ・げっで)

マッキンゼー シニアパートナー

農業生産およびフードビジネスにおける戦略策定に加え、大手PEファンドに対し、発展途上国における農業セクターへの投資についても助言している。米国の化学・農業グループのリーダー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

フィッシャー

フィッシャー(やこぶ・ふぃっしゃー)

マッキンゼー シニアパートナー

農業セクターにおける市場戦略策定、サプライチェーンマネジメント、合併後の統合に関するコンサルティングに従事。大手グローバル化学薬品企業の経営戦略策定についてもアドバイスを提供している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

N・デニス

N・デニス(にこらす・でにす)

マッキンゼー Eパートナー

食品の安全およびリソース管理のプロジェクトにおいて世界の政府機関と協働した実績を有する。また、農産物の調達戦略に加え、農業セクター発展のための戦略策定にも携わっている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

田中 正朗

田中 正朗(たなか・まさあき)

マッキンゼー パートナー

金融・農業セクターを中心に、成長戦略策定、営業改革、タレントマネジメント、サービス・オペレーション品質の改善等のコンサルティングに従事。金融グループのリーダー。デューク大学経営学大学院修士課程修了。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

山田 唯人

山田 唯人(やまだ・ゆいと)

マッキンゼー Aパートナー

素材・エネルギー・農業セクターを中心に、グローバライゼーション、成長戦略策定、M&A等のコンサルティングに従事。2014年から15年まで、マッキンゼーのロンドンオフィスに所属。慶應大学経済学部卒業。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

日本の農業が産業に脱皮するにはこんな議論では100年かかる。問題は各政党の農政派の問題意識の改革と、農協の改革以外にない。日本の農業はいまだに江戸時代さながらで、明治維新のような全て旧体制を破棄しゼロから始めない限りいつまでたっても本来の産業として成立し得ないのではないか。この提言でももいくつかの特区の様な形で試行しながらと言っているが、試行は既に多くの篤農家達がやっている。米、野菜、果実、畜産、花卉と全国に多くの先進的な人達がいる。彼らに日本の農業の全てを任せるぐらい規制をゼロにして取り組まない限り日本の農業の産業化は無理であろう。彼等こそ維新の志士と同じ改革の役目を果たせる人材だ。政治家や農協は農業から引退し彼等に全てを任せれば数十年で日本の農業は世界でも有数の農業先進国になり得る。(2016/12/25 12:07)

この考えは、これまでの自由主義的なら間違いではありませんでしたが、農産物の輸出入に関しても保護主義へと潮流が変わる可能性も考慮しておくべきでは。(2016/12/22 12:17)

海洋資源を活用した農業ってのが全然出てこないのはなぜかな。(2016/12/22 10:21)

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