• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

トヨタ、ホンダの未来のクルマはコミュ力勝負

自動化・IoTでヒトとの関係は大きく変わる

2017年1月17日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

世界最大級の家電見本市「CES2017」。近年では自動車関連の出展が増えている

 皆様、大変遅ればせながら、あけましておめでとうございます。1月1日に、すでにこのコラムのことしの1回目が掲載されているわけだが、あれは年が明ける前に書いているので、やはり一度はこう書いておかないと気持ちがすっきりしない。

 さて、ことしは年が明けてすぐ、米ラスベガスで開催された世界最大級の家電見本市「CES 2017」に行ってきた。CESはもともとConsumer Electronics Showの意味で、文字通り家電の見本市だったのだが、最近ではクルマ関連の展示が急速に増えている。これは、クルマのエレクトロニクス化が進み、家電との垣根が急速に低くなっていることに加え、自動車業界のほうでも、家電・エレクトロニクス業界の新しい発想をクルマに取り入れたいとの思惑から、積極的にCESに出展するようになっていることが背景にある。

 このためCESを主催するCTA(Consumer Technology Association)も、家電見本市のイメージを払拭しようと、イベントの正式名称を「CES」とし、Consumer Electronics Showと書かないように、メディアにも要請している(にもかかわらず、実際にはプレスカンファレンスでConsumer Electronics Showへようこそ、などと言ってしまうエグゼクティブがけっこういるのだが)。

トヨタ、ホンダが人工知能車

 筆者はいままでCESに出かけたことがなかったのだが、最近では自動運転関連の発表の舞台としてCESを選ぶ企業が増えていることから、ことし初めて取材に行ってみた。このコラムの今回と次回の2回は、CESを見て感じたことをお伝えしていきたいと思う。

 今回CESの自動車関連の展示を見てまず感じたことは、「ヒトとクルマの新しい関係」を、多くの企業が模索し始めたことだ。その背景にあるのは自動運転と「IoT(Internet of Things)」である。現在実用化し始めている自動運転技術では、例えば高速道路でのハンドル、アクセル、ブレーキ操作を自動化したものがあるが、人間は依然としてシステムが正常に作動しているかどうかを監視する義務を負っている。しかし、この「監視」というのが曲者だ。

 システムが正常に、しかも安全に動作しているかどうかを監視するには、システムがどう動作しているかを人間が正確に知る必要がある。クルマが車線をきちんと認識しているか、周囲の車両を認識しているかを人間が分かっていなければ、「監視している」ことにならないのはいうまでもない。

 しかも、人間の仕事はクルマの監視だけではない。本当に「監視」しようと思えば、道路の状況はクルマが認識している通りなのか、あるいは周囲を走っている車両の様子は本当にクルマが認識しているかどうかを自分の眼で確認する必要がある。つまり、自動運転車を「監視する」ということは、クルマの状況と、外界の状況を常に見比べながら確認するということなのだ。これは、外界の状況だけを注意していれば良かった手動運転のときよりも、むしろ大変な作業なのではないかと筆者は思う。

 人間が運転操作に全く関与しなくてもいい「完全自動運転」の実現はまだしばらく先のことと考えられている。だとすれば、しばらくは人間とクルマが協調して運転する時代は続く。人間の監視作業の負荷を減らしていかなければ、自動運転機能の利用者は「そんなに面倒な作業が必要なら、自分で運転するよ」ということになりかねない。いかに車両の状況や外界の状況を的確に、しかも少ない負担で人間に伝えるか――。この課題が「ヒトとクルマの新しい関係」が求められている第一の理由だ。

コメント5件コメント/レビュー

いつも使う表現ですが、いまの交通情勢は、2トン近くもある車体が、いとも簡単に発進できる技術が人の感性を退化させ、安全への意識と運転する責任感欠落につながっている点を、メーカーを含め我々がいつ気づくかがポイントになるとおもいます。ただし、高齢化がすすんでいく現実には対処が必要で、私的にはナイト2000のような対話型かつ補助もしてくれるシステムが、人の感性を活かしたままとなる究極なのかもしれません。疲れているときは自動で、運転を学びたいときやリハビリや注意喚起のために人の操作を補助してくれるとともに、間違いには指摘もしてくれる、乗っている人の気づく力を向上させるようになればいいなとおもっています。ただし、現実のAIはいまだ考えて判断していないことも忘れてはいけないとおもいます。(2017/01/18 08:20)

オススメ情報

「クルマのうんテク」のバックナンバー

一覧

「トヨタ、ホンダの未来のクルマはコミュ力勝負」の著者

鶴原 吉郎

鶴原 吉郎(つるはら・よしろう)

オートインサイト代表

1985年日経マグロウヒル社(現日経BP社)入社、2004年に自動車技術の専門情報誌の創刊を担当。編集長として約10年にわたって、同誌の編集に従事。2014年4月に独立、オートインサイトを設立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

いつも使う表現ですが、いまの交通情勢は、2トン近くもある車体が、いとも簡単に発進できる技術が人の感性を退化させ、安全への意識と運転する責任感欠落につながっている点を、メーカーを含め我々がいつ気づくかがポイントになるとおもいます。ただし、高齢化がすすんでいく現実には対処が必要で、私的にはナイト2000のような対話型かつ補助もしてくれるシステムが、人の感性を活かしたままとなる究極なのかもしれません。疲れているときは自動で、運転を学びたいときやリハビリや注意喚起のために人の操作を補助してくれるとともに、間違いには指摘もしてくれる、乗っている人の気づく力を向上させるようになればいいなとおもっています。ただし、現実のAIはいまだ考えて判断していないことも忘れてはいけないとおもいます。(2017/01/18 08:20)

メモ1. 面白い。自動運転技術が発達しても人間は車が正常に周囲の環境を認識しているか「監視」する必要があり、運転するとは別の意味での緊張状態が継続するとのことだ。この緊張状態をいかに緩和するかがデザインの肝であり、それは本記事によればHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)のデザインなのだろう。

メモ2. トヨタのコンセプトカー「Cocept-愛i」は、運転する人の情報をSNSや身体データを汲み取り、その人の趣味嗜好にあった音楽やルートを提供してHMIの向上を狙っている。だが私の父親は自らルートを開拓することを好んでおり、一概に人工知能が「先回り」して指示することがプラスに働くというわけでもない。(2017/01/17 22:23)

状態、状況の監視という意味では現代の航空機の巡行中の状態とかなり似ています。操縦士の役割は空路、周囲の監視(含むレーダー画面の気象状況)、航空機の状態、エンジンの状況の監視、実際の操縦はほぼ離着陸のみで、それ以外の航路変更、高度変更も設定するだけで後は自動航行。肉体的負荷が軽減された分、周囲の状況把握に集中しやすくなっています。
自動車でも、ACCなどを使うと車間距離やアクセルワークに気を使っていた分、周囲の状況確認に振り向けられるので、より安全に運転できます。
少し、将来が見えてきていますね。(2017/01/17 19:16)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

外交において個人プレーで短期的な成果を手にしようというのは交渉相手の術中にはまり、うまくいかないものです。

齋木 昭隆 三菱商事取締役・元外務次官