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中国巨大電池メーカー「CATL」の実力を垣間見る

テスラしのぐ世界最大の生産能力へ

2018年3月13日(火)

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 中国は世界最大の自動車市場であり、年間の自動車の販売台数は2017年で2887.9万台(中国汽車工業協会調べ)と、同年の日本の523.4万台の5.5倍もある。それにしても、販売台数全体に占めるEV+PHEVの比率は日本が1%程度なのに対して、中国では2.7%程度と日本の3倍近い。しかも、上海や北京といった都市部での販売台数比率は、国際エネルギー機関の資料(Global EV Outlook 2017)によれば、2016年で7%前後に達している。EVやPHEVといった先進的な環境車両の販売台数比率が日本よりも大幅に高いということに驚く読者も多いのではないだろうか。

 その原動力になっているのは中国が推し進める「新エネルギー車(NEV)」政策である。中国はEV、PHEV、FCV(燃料電池車)を新エネルギー車と位置付け、都市部でNEV専用のナンバープレートを割り当てたり、通常のエンジン車だとオークションが必要なナンバープレートをNEVでは無料にしたりして、通常は困難な新車の購入がNEVなら可能になる特典を持たせている。

 また、EVやPHEVは中国でも通常のエンジン車より割高だが、NEVに対しては中央政府および地方政府から多額の補助金を支給することによって、購入を後押ししている。その補助金の額は、EVの場合で航続距離により2万~4万4000元(1元=16円換算で32万円~70万4000円)、PHEVの場合で2万4000元(同38万4000円)に上る。

2025年には700万台の新エネルギー車を販売へ

 こうした措置を講じた結果、NEVの販売台数は2015年以降急速に伸び、それまで世界最大のEV市場だった米国をあっさり抜いて2015年以降は世界最大のEV大国になった。しかし、これはまだ序章に過ぎない。増えたとはいっても、先ほど触れたように中国における新エネルギー車の販売比率はまだ2.7%に過ぎない。中国は2020年には新エネルギー車の販売台数を200万台、2025年には700万台、そして2030年には1000万台に引き上げるという非常に野心的な目標を掲げている。

中国における新エネルギー車(EV+PHEV)の台数推移(2020年以降は目標値)

 中国がこのように野心的な目標を掲げている狙いは何か。もちろん、中国の都市部で深刻な大気汚染問題を解決するという狙いがあるのは間違いない。しかし、そもそも中国の大気汚染では中国の重工業で石炭を多く使用し、そこから多くのばい煙が発生していることが大きな原因になっている。また、クルマの中でも年式の古いディーゼルトラックなどからの排ガスも、大気汚染の大きな原因だ。

 単に大気汚染を解決したいのであれば、工場やトラックから排出される有害物質の規制を強化すればいいはずだ。また乗用車についても、一足飛びにEVに行くのではなく、日本ではすでに広く普及しているHEVを中国でも拡大すれば、排ガスの量は減り、クルマに使われる燃料も少なくて済む。

 それでも、HEVを拡大する政策を中国が採らないのは、HEVの土俵で勝負しても、先行する日本には勝てないと悟っているからだ。そこで、日本や欧州でもまだ量産化してから日の浅いEVの土俵であれば日本をはじめ欧米など自動車先進国に勝てる可能性があると踏んでいるのだ。中国がHEVを新エネルギー車の対象としなかったのにはこういう背景がある。

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「中国巨大電池メーカー「CATL」の実力を垣間見る」の著者

鶴原 吉郎

鶴原 吉郎(つるはら・よしろう)

オートインサイト代表

1985年日経マグロウヒル社(現日経BP社)入社、2004年に自動車技術の専門情報誌の創刊を担当。編集長として約10年にわたって、同誌の編集に従事。2014年4月に独立、オートインサイトを設立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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