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いろいろ驚かされたパリモーターショー

商品化へと着実に前進する欧州の電気自動車

2018年10月10日(水)

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2018年10月1日に開幕したパリモーターショー

 10月1日に開幕したパリモーターショーに行ってきた。同ショーはドイツのフランクフルト・モーターショー(正確にいうと、フランクフルト・モーターショーの乗用車ショー)と交互に隔年開催しており、2年ぶりの開催になる。このコラムの第67回第68回で、前回のパリショーの様子をお伝えしているのだが、独フォルクスワーゲン(VW)を筆頭とする欧州メーカーがEV(電気自動車)に本気で取り組み始めたことや、日産自動車が世界で初めて実用化に成功した可変圧縮比エンジンなどを紹介した。

 ところが、である。今回のパリモーターショーの一番のサプライズは、前回のメインの話題として取り上げたフォルクスワーゲンも日産も出展しなかったことである。筆者も世界のいろいろなモーターショーを取材してきたが、欧州で開催される国際モーターショーで、フォルクスワーゲンが出展しないのは初めての経験だ。

 このコラムの第92回でも、フランクフルト・モーターショーへの出展を見送る完成車メーカーが続出したことに驚いたことを報告したが、その流れは今回のパリでも収まっていないようだ。前回のパリショーへの出展を見送った英ジャガー・ランドローバー(JLR)は今回は出展したものの、今回のパリショーでは先に触れたフォルクスワーゲンや日産以外にも、日本メーカーではマツダやスバル、欧州メーカーでは、独オペル、スウェーデン・ボルボや英ロールス・ロイス、同アストン・マーティン、同ベントレー、伊ランボルギーニ、フィアット・クライスラー・オートモビル(FCA)、米フォード・モーターなども参加しなかった。

電動化の流れは変わらず

 「展示されなかったもの」の話題はこのくらいにして「展示されたもの」の話題に移ろう。今回のショーでは引き続き「電動化」が大きなテーマだったのだが、前回との違いは、2年前にはコンセプトの提案が多かったのが、今回は商品化の段階へと着実に前進していることだ。その象徴的なモデルの一つが、独ダイムラーが2年前のパリモーターショーでコンセプトモデルを出展したEVの新たなブランド「EQ」の具体的な商品化第一弾である「EQC」が展示されたことである。EQCはすでに9月に報道発表されているが、このショーで初めて一般公開された。外観は、2年前に発表されたEQのコンセプトモデルのデザインをかなり忠実に商品化したという印象だが、コンセプトモデルではフロントグリルの部分までディスプレイになっていたのを、商品段階では通常のグリルに変更した。

ダイムラーが公開したEV「EQC」。ダイムラーの新しいEVブランド「EQ」の商品化第一弾になる

 EQCはSUV(多目的スポーツ車)型のEVで、まだ発売日や価格は公開されていないが、2019年に発売され、価格は900万円程度と予想されている。スペックの詳細も未公表だが、航続距離は450km以上で、また前輪と後輪の両方にモーターを備えており、前後のモーターを合計した出力は300kWに達する。車体寸法は全長4761×全幅1884×全高1624mm、ホイールベース2873mmと同社の「GLCクラス」に近い。

 独アウディも同社としては初めての量産EVとなる「Audi e-tron」をこのショーで発表した。Audi e-tronもEQCと同様にSUV型のEVで、全長4901×全幅1935×全高1616mm、ホイールベース2928mmと、車体寸法はEQCに非常に近い。前後輪にそれぞれモーターを備え、その合計出力が300kWであることもEQCと共通する。航続距離はEQCよりも若干短い400kmと発表されている。EQCより早く、欧州では2018年末から出荷が始まる予定だ。

アウディが出展した初の量産EV「Audi e-tron」

コメント13件コメント/レビュー

FCVは燃料インフラに問題があり、EVはわざわざガソリンスタンドに行かなくても家で充電できる、と主張するのは偏っています。

実際にはEVでも、上記が可能なのは自分の家庭に充電設備を購入・設置できる層のみであり、その他のために十分な充電設備があるかと言えば全く足りません。また、EVが仮に普及した場合、その充電時間の長さから必要な充電設備の数は、既存のガソリンスタンドと同程度でも足りません。
EVは充電器とセットでの販売を考えない限り、インフラで比較するのであればどちらが有利とも不利とも言えないと思います。

記事中でドイツの例を挙げているように、水素は電気を貯蔵・運搬するのに、現状では最も適した形態です。バッテリーとは比較になりません。
今までは、社会が必要とする電気量に対してそれ以上に発電し、余剰は何らかの形で消費(廃棄)していた訳ですが、今後地球環境を考えていくのであれば、余剰は捨てずに貯蔵することになっていくのは必然です。
自動車のための水素ではありません。電気社会のために水素が必要になるのです。となれば、FCVは当然ありでしょう。FCVは「芽が出ない」と切り捨てた筆者の方こそ「目がない」としか思えません。

水素社会は、元々日本が世界に先駆けて推進していることです。わざわざパリまで出かけて後追いのドイツ連中に聞いてやっと理解できたんですか?
国内では既に自前の太陽光発電設備から直接水素を生産し、FCVのフォークリフトを動かしている工場もあるし、記事のドイツの太陽光→水素変換事業にも旭化成などが参入していますよ。変換効率はナンバー1です。

自動車という切り口からしかインフラを語れないのであれば、EV,FCV,PHEV,PHVそれぞれに関する批判めいた記事を書くのは止めた方がよいでしょう。せいぜい本職の自動車評論家に徹し、構造や走行性能などのスペックだけに留めておくことをお奨めします。(2018/10/12 12:24)

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「いろいろ驚かされたパリモーターショー」の著者

鶴原 吉郎

鶴原 吉郎(つるはら・よしろう)

オートインサイト代表

1985年日経マグロウヒル社(現日経BP社)入社、2004年に自動車技術の専門情報誌の創刊を担当。編集長として約10年にわたって、同誌の編集に従事。2014年4月に独立、オートインサイトを設立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

FCVは燃料インフラに問題があり、EVはわざわざガソリンスタンドに行かなくても家で充電できる、と主張するのは偏っています。

実際にはEVでも、上記が可能なのは自分の家庭に充電設備を購入・設置できる層のみであり、その他のために十分な充電設備があるかと言えば全く足りません。また、EVが仮に普及した場合、その充電時間の長さから必要な充電設備の数は、既存のガソリンスタンドと同程度でも足りません。
EVは充電器とセットでの販売を考えない限り、インフラで比較するのであればどちらが有利とも不利とも言えないと思います。

記事中でドイツの例を挙げているように、水素は電気を貯蔵・運搬するのに、現状では最も適した形態です。バッテリーとは比較になりません。
今までは、社会が必要とする電気量に対してそれ以上に発電し、余剰は何らかの形で消費(廃棄)していた訳ですが、今後地球環境を考えていくのであれば、余剰は捨てずに貯蔵することになっていくのは必然です。
自動車のための水素ではありません。電気社会のために水素が必要になるのです。となれば、FCVは当然ありでしょう。FCVは「芽が出ない」と切り捨てた筆者の方こそ「目がない」としか思えません。

水素社会は、元々日本が世界に先駆けて推進していることです。わざわざパリまで出かけて後追いのドイツ連中に聞いてやっと理解できたんですか?
国内では既に自前の太陽光発電設備から直接水素を生産し、FCVのフォークリフトを動かしている工場もあるし、記事のドイツの太陽光→水素変換事業にも旭化成などが参入していますよ。変換効率はナンバー1です。

自動車という切り口からしかインフラを語れないのであれば、EV,FCV,PHEV,PHVそれぞれに関する批判めいた記事を書くのは止めた方がよいでしょう。せいぜい本職の自動車評論家に徹し、構造や走行性能などのスペックだけに留めておくことをお奨めします。(2018/10/12 12:24)

筆者はFCVの一次エネルギー供給問題については大いに心配をしているようだが、一方で、いわゆるEVを駆動するための一次エネルギーの問題については、どう考えているのか、考えているのかいないのかが、さっぱりわからない。

水素を化石燃料から取り出せばロスが大きくて環境にいいことがない。その通りである。では化石燃料由来の電力を大いに消費し自動車を駆動することはどうなのか。Well to wheelという見方で将来の自動車の動力を考えているのか、いないのか。

電力も自然には存在しないエネルギーである。加えて、貯蔵や長距離輸送はあまり得手ではない。地産地消の性格が強いエネルギーである。そしてその供給インフラを「自動車のためだけ」に大幅に拡充するためには莫大な投資が必要であろう。

商用車の動力問題に行き当たったのは、筆者にとってよい勉強だったのかもしれないが、だとしたら今まで何を勉強してきたのかとも嘆息する。

自動車動力の問題は、すぐれて一次エネルギーミックスの問題そのものであるという論考は、他の方に期待したほうがよかろうか。(2018/10/11 15:00)

FCVの読みは完全に外れた。これは経産省の責任が大きいのだが、ほとんど話題にもならない。トヨタもホンダも貧乏クジを引かされたわけだ。
原発の予算を全て再生可能エネルギーへ移せば数年でエコシステムが完成するだろうな。(2018/10/10 18:17)

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小田嶋 隆 コラムニスト