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現地で感じた米国自動車部品産業の底力

提案力で日本企業に差をつける

2016年11月22日(火)

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 米国の自動車産業というと、読者の皆さんはどんな印象をお持ちだろうか。2008年に起きたリーマン・ショックのあおりで、米ビッグ3のうちゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラー(現在のフィアット・クライスラー・オートモビル)の2社が連邦破産法第11条を申請し、事実上倒産したことから、日本や欧州の自動車産業に比べて、競争力の面で立ち遅れているという印象を持っている人も多いのではないだろうか。かくいう筆者もそうだった。

 ところが、10月中旬に米国の自動車部品産業を中心に訪問するプレスツアーに参加する機会があり、いくつかの自動車部品メーカーを訪ねて、そういう筆者の印象が間違っていたことを知った。もちろん今回は、ごく一部を垣間見たにすぎないが、提案力、技術開発力という点で、日本企業も学ぶべきところが多いと感じた。

ゴム部品でもイノベーション

 まず紹介するのが、米クーパー・スタンダードである。同社の名前を聞いたことをない読者が大半だろうし、かくいう筆者自身もそうだった。同社が手がける製品は、例えばクルマのウェザーストリップや、エンジンを車体に搭載するときの防振ゴム、燃料・ブレーキなどの配管部品といったゴムや樹脂の部品が中心である。この分野では世界でも大手の部品メーカーで、元々は欧米市場で強いメーカーだが、最近ではアジア地域で年間30%近い成長を遂げている。

 正直に言って、こうしたゴム・樹脂系の部品では、それほど技術革新の余地があると思っていなかったのだが、訪問してみると、非常にイノベーションを重視した企業なのが印象的だった。現在の経営体制となった2013年以降、社内でイノベーションのためのアイデアを発掘するための活動に力を入れており、既に成果も出始めている。その1つが今回紹介する「Fortrex」という材料だ。これは、ウェザーストリップの性能を向上させながら軽量化も達成するという、かなり画期的な商品である。

 日本の部品メーカーだと、こういう新規の材料開発は材料メーカーに任せるというのが一般的だ。それだけに、部品メーカーが材料の開発から手がけるというこだわりは、筆者が抱いていた「効率重視・利益重視」というステレオタイプな米国企業のイメージとは大きく違っていた。

新開発の材料「Fortrex」製のウエザーストリップ(右側)と、従来の樹脂(TPV:動的架橋型熱可塑性エラストマーと呼ばれるタイプ)製の比較。見た目はどちらもあまり変わらない

 当たり前のことだが、クルマのドアに付いたサイドウインドーは上げ下げすることができる。このサイドウインドーの周囲に、防水ゴム製のシール部品があることはご存知と思う。このゴム製のシール部品がウェザーストリップだ。この部品が、ドアの窓枠とガラスの間を埋めてガタつきを防ぐと同時に、外界の雨や風が車内に侵入するのを防ぐ。さらに、騒音を防止する役割も果たしている。

 このウェザーストリップ、国内ではゴム製を、海外では樹脂製を使う場合が多かった。しかし、ゴム製の場合には樹脂製よりも重いという難点がある一方、樹脂製は使っているうちにだんだん部品がヘタり、遮音性能が低下するという課題を抱えていた。

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「現地で感じた米国自動車部品産業の底力」の著者

鶴原 吉郎

鶴原 吉郎(つるはら・よしろう)

オートインサイト代表

1985年日経マグロウヒル社(現日経BP社)入社、2004年に自動車技術の専門情報誌の創刊を担当。編集長として約10年にわたって、同誌の編集に従事。2014年4月に独立、オートインサイトを設立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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