• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

徹底的に社員の都合を優先する日本レーザー

「全社員株主」のフラットな組織づくり

2018年7月31日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

無借金経営、24期連続黒字を達成する、社員全員が株主の会社。細かなルールなしでも、優しく厳しい経営で社員は自律的に思う存分働く。権限委譲の象徴のような経営を紹介する。

毎年、全社員の2割以上が海外出張に行く。営業や技術の担当者だけでなく、事務社員も派遣する(左が近藤宣之会長)

 日本レーザー(東京・新宿)は、社員全員が自社の株主という珍しい会社だ。無借金経営で24期連続黒字。2011年には「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞の中小企業庁長官賞を受賞した。

 そんな同社だが、かつてはバブル崩壊という経営環境の変化に対応できず、債務超過で倒産寸前だった。そのとき再建を命じられたのが、親会社(当時)である日本電子で新米役員をしていた、現・日本レーザー会長の近藤宣之(のぶゆき)氏だ。

 1994年に社長に就任し、翌95年には日本電子の取締役を退任して、日本レーザー社長に専念。1年目で黒字化を実現、2年目には累損一掃に成功した。2007年にはMEBO(経営陣と社員による買収)という手法で親会社から独立を果たした。

社員を大切にする経営

 その原動力になったのは、やはり社員だ。51人の従業員一人ひとりに権限が委譲されていて、彼ら自身が自律的に考え、動けるからだ。「権限を与えて、自由に働いてもらう。それこそが社長就任以来実践する、社員を大切にする経営だ」と近藤会長は強調する。

 近藤会長はかつて親会社でリストラを経験したことから、人を切り捨てないという信念がある。それが今の経営につながっている。

 同社の組織はフラットで、シンプル。社員は管理部、システム機器部などの何らかのグループに所属する。グループには、役員が兼任しているグループ長がいるだけで、その上は経営陣。いわゆる中間管理職は存在しない。名刺に「部長」「課長」と書かれている社員はいるが、これは「資格」であって「役職」ではないので、同じグループの社員間に上下関係はない。

 もちろん必要に応じてグループ長の指示を仰ぐが、基本的には自主的に仕事を進める。社長や役員が指示する回数も少ないという。「例えるなら、弁護士事務所やコンサルティング会社のようなイメージ」と近藤会長は説明する。

 日本レーザーには職務分掌規定などはなく、仕事や権限の範囲ははっきり決まっていない。「海外の取引先とのシビアな交渉などは私自身が今でも担当するが、それ以外の定例的な仕事は社員に任せている」と近藤会長は話す。

 実際、社員の仕事の範囲は広い。業務部の江田弥生氏は購買を担当。どこのフォワーディングカンパニー(国際物流を専門とする会社)を利用するか。それを決めるのは、江田氏の仕事だ。「営業担当者と相談しながら総合的に判断して、状況や目的に合った先に依頼する」。

2015年にドイツのミュンヘンに出張しました。勉強になりました(江田氏、写真:菊池一郎、以下同)

 「江田が各社の価格やサービス内容を比較、検討してくれたおかげで、年間1000万円ほど物流費が削減できる見込みだ。江田が自分の裁量でやったことで、私へも事後報告だ」(近藤会長)。

オススメ情報

「ベンチャー最前線」のバックナンバー

一覧

「徹底的に社員の都合を優先する日本レーザー」の著者

荻島 央江

荻島 央江(おぎしま・ひさえ)

フリーランスライター

2002年からフリーランスライターとして活動。現在は「日経トップリーダー」や「日経メディカルオンライン」などに執筆。著名経営者へのインタビューや中小企業のルポを得意とする。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

欧米主導の議論に対して、「No, But Yes」と斜に構えてばかりでは取り残されます。

末吉 竹二郎 国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)特別顧問