• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

子供に残すべきはカネより「STEAM教育」だ

鈴木寛(文科省大臣補佐官) × 成毛眞 特別対談(前編)

2017年1月13日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 「STEAM」。蒸気のことでもゲーム販売プラットフォームのことでもない。サイエンス(科学)の「S」、テクノロジー(技術)の「T」、エンジニアリング(工学)の「E」、マセマティックス(数学)の「M」、これで「STEM」。そこにアート(美術)の「A」を加えて、STEAMだ。

 米デューク大の研究者キャシー・デビッドソンによれば、「2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」。野村総合研究所によれば、「10~20年以内に日本で働く人の仕事の49%は人工知能(AI)やロボットで代替されるようになる」。

 AIが人間の能力を超える「シンギュラリティー」の時代、人はAIやロボットを使う側と、使われる側に否応なく選別される。そんな時代に求められる知性を身につけ、創造性を生かして「使う側」として活躍するために必要なのが、STEAMだ。

 今回は「すずかん先生」としてお馴染みの東京大学・慶應義塾大学教授の鈴木寛さんとの対談をお届けする。

 鈴木寛さんは現在、松野博一文部科学相の大臣補佐官として活躍している。民主党政権時代は文科副大臣を務め、離党後、2015年2月に当時の下村博文文科相の補佐官となって以来、この国の競争力を高めるため、教育改革の最前線を行く。そのすずかん先生に「STEM(STEAM)」にまつわる現状を、文科省の執務室でうかがった。

 なお、この対談は『AI時代の人生戦略 「STEAM」が最強の武器である』(SBクリエイティブ刊)に収録されており、日経ビジネスオンラインで一部改訂版を特別公開するものだ。対談を通してSTEAMに興味を持たれた方は、書籍もお読みいただければ幸いである。

人工知能を使うか、使われるか

成毛:日本人の大人にはSTEM教育が足りていなかったというのが私の結論なのですが、では、子供はどうなのか。文部科学大臣補佐官のすずかん先生に、それをうかがいたいと思って今日はやって参りました。

鈴木:今の高校生の大半と中学生以下は2000年以降に生まれており、2100年すぎ、つまり22世紀まで生きる可能性が大いにあります。

鈴木寛(すずき・ひろし)/1964年生まれ。東京大学教授、慶應義塾大学教授。文部科学大臣補佐官、日本サッカー協会理事、社会創発塾塾長、元文部科学副大臣。東京大学法学部卒業後、1986年通商産業省に入省。慶應義塾大学SFC助教授を経て2001年参議院議員初当選。12年間の国会議員在任中、文部科学副大臣を2期務めるなど、教育、医療、スポーツ・文化、科学技術イノベーション、IT政策を中心に活動2012年、自身の原点である「人づくり」「社会づくり」にいっそうまい進するべく、一般社団法人社会創発塾を設立。社会起業家の育成に力を入れながら、2014年2月から、東京大学公共政策大学院教授、慶應義塾大学政策メディア研究科兼総合政策学部教授に同時就任。10月より文部科学省参与、2015年2月文部科学大臣補佐官を務める。日本でいち早く、アクティブ・ラーニングの導入を推進。

成毛:22世紀まで生きる人たちにとっては、AIの「シンギュラリティ」(2045年頃にAIが人類を超す技術的特異点)を迎えるといわれる年は、まだ人生の折り返し地点であったり、もっと手前の地点だったりするわけですね。

鈴木:その頃の大人は、STEMを理解していないとなりません。わかっている人だけがAIを使う側に回り、わかっていない人はAIに使われる側に回ります。このことは、その頃の大人、つまり今の子供たちはよく理解しています。

 先日、優秀な生徒が集まっている私立校で、中高生を対象にこれからどういう仕事が残り、どういう仕事がなくなっていくかを話す機会があったのですが、感性のいい子は、自分がこれから生きていく世の中がどんなものであるか、直感的に理解しています。

成毛:それは、優秀な子だからではないですか?

鈴木:そうですね。トップレベルの子供たちのことは心配していませんが、STEM教育の機運を盛り上げ、普及を加速させていくために、全国で200を超える高校を「スーパーサイエンスハイスクール」に指定しています。

 また、文部科学副大臣のときに、「科学の甲子園」をはじめました。これは高校の生徒がチーム単位で理科・数学・情報の競技を行う大会で、野球の甲子園同様、各都道府県予選を勝ち抜いた学校が全国大会で競います。2012年に第1回大会を開催後、毎年行っていて、優勝校は「サイエンス・オリンピアド」というアメリカで開かれる大会に参加できます。

オススメ情報

「教科書を追え!  成毛探偵社」のバックナンバー

一覧

「子供に残すべきはカネより「STEAM教育」だ」の著者

成毛 眞

成毛 眞(なるけ・まこと)

成毛探偵社代表

1955年生まれ。書評サイトHONZ代表、インスパイア取締役ファウンダー、スルガ銀行社外取締役、早稲田大学ビジネススクール客員教授、元マイクロソフト社長。2014年、成毛探偵社代表に就任。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

貧乏な家に育ったから、とにかくお金に飢えていた。

神田 正 ハイデイ日高会長