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「日本は若い研究者の待遇があまりにひどい」

ニュートリノ振動でノーベル物理学賞の梶田隆章氏に聞く(第2回)

  • 山口 栄一=京都大学大学院 総合生存学館(思修館)教授

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2017年6月26日(月)

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 新著『物理学者の墓を訪ねる ひらめきの秘密を求めて』(日経BP社)で偉大な物理学者たちの足跡をたどった京都大学大学院総合生存学館(思修館)教授の山口栄一氏(イノベーション理論、物性物理学)が、現代の“賢人”たちと日本の科学やイノベーションの行く末を考える本企画。

 前回に続き、ニュートリノ振動でノーベル物理学賞を受賞した東京大学宇宙線研究所長の梶田隆章氏との対談の模様を伝える。話題は科学教育や国の研究予算など日本における科学を巡る環境に進んだ。

(構成は片岡義博=フリー編集者)

理論と実験という車の両輪

山口:私は岐阜のカミオカンデには2回、行ったことがあります。また、カミオカンデと同じようにニュートリノの観測ができるイタリアのグラン・サッソ山の地下研究施設にも行ったことがあります。1日ずっといて、これは気が狂いそうになるなと思いました(笑)。そこにいる研究者は世俗の享楽から離れた修行僧のようにも思えたけれども、しかしみんな生き生きとしていました。それは自分を動かす内なるモティベーションがあるからなんでしょうね。

梶田隆章氏
梶田隆章(かじた・たかあき)
1959年埼玉県生まれ。東京大学宇宙線研究所長。埼玉大学卒。東京大学大学院博士課程修了。同研究所教授などを経て2008年より現職。1999年朝日賞・仁科記念賞、2010年戸塚洋二賞、2012年日本学士院賞を受賞。2015年ニュートリノ振動の発見によりノーベル物理学賞受賞。(写真:栗原克己)
[画像のクリックで拡大表示]

梶田:やっぱり皆さん、研究が好きで、自分の研究を通して新たな知見を広げたいという思いに突き動かされてやっていると思いますよ。

山口:素粒子理論の人たちはいわば天才肌の人が多いけれども、素粒子実験の人たちは、あの姿を見ると本当に努力型だと思います。でも実は努力型の人間が世の中を、あるいは常識を変えていくということをあそこで感じました。素粒子に関していうと、ある意味でもう理論は行き詰まっていて、実験が世の中を変えてきたという気がしてならないです。

梶田:理論と実験は車の両輪のようなもので、理論が常識を変えることもあるし、実験が常識を変えることもある。そういうふうに進んでいくものじゃないでしょうか。ただ、現在は理論があまりにも進みすぎてしまって、もう実験で確かめることができないようなところにいってしまったので、なかなか難しい感じはしますね。

山口:梶田さん自身は、大学院のときから理論物理よりも実験物理の方を選ばれていますね。

梶田:それはとても理論をやれるとは思えなかった(笑)。大学生のとき、能力もなければ、するべき勉強もあまりしていない。さらには自分が1日中、ずっと論文を読んでいる姿がとても想像できない(笑)。

コメント5件コメント/レビュー

>ところが日本では基礎研究が1990年代の終わりからどんどん軽視されています。

成果の出にくい基礎研究はアメリカのように軍事予算で賄いましょう(2017/06/27 12:10)

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いただいたコメント

>ところが日本では基礎研究が1990年代の終わりからどんどん軽視されています。

成果の出にくい基礎研究はアメリカのように軍事予算で賄いましょう(2017/06/27 12:10)

選択と集中、聞こえが良い言葉ですが、要は博打ですよね。

競馬で言えば、本命1本に全額掛けてるみたいなもん。
あたれば大きいかもしれないけれど、外れたら目も当てられない。
そして、本命だから倍率低いので、あたっても結局あまり儲かりません。

一見、リスク回避型に見えて、極めて高リスクなのが、選択と集中だと思います。

すでに勝ち馬が見えてる時にのみ通用する戦術であって、研究のようなどの馬が伸びるか分からない勝負で使っちゃダメですよ。

コレってキャッチアップ思考のそのもので、「追いつき追い越せ」と実はまったく同じだってことに今気付きました。
エライ人たちにも、早く気付いて欲しいものですが…。(2017/06/26 20:39)

日本では科学者発明家が自分で会社を作って大きくしたという話は聞かないです。科学者が自分で会社を作れば、その社員は科学者になるのでは?さらに、言わせてもらうと、そのような科学者主体の会社が大きくなって社会に一般雇用も創出するべきなのではないでしょうか?

そうすれば、基礎研究に対する理解も深まり、予算も付くでしょう。

科学者側が日本の文化や社会に変われというのではなくて、自分たちが変わればよいのではないでしょうか?首相が自ら科学予算を真っ先に削るような国で何を期待してるのかなと思います。

今の厳しい社会で高齢者を差し置き、子ども手当を差し置き、基礎研究に金を出せと言われて、ああそれはいいアイデアと思う人がいるでしょうか?

因みに、現在色々な産業が過剰に保護されて競争力が低いですが、それらの予算を科学にまわせば、日本は間違いなく一流の国になれるでしょう。

記事で言いたいことはわかりますが、そのようなやり方ではうまくいきません。いままでやってきた方法と同じことを何回繰り返しても同じ結果しか出ないわけです。現状を再確認するべきかと思います。(2017/06/26 18:20)

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