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EVに経営資源はかけられない

トヨタとマツダ、資本提携の真意

  • 木村雅秀=日経テクノロジーオンライン

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2017年10月10日(火)

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 トヨタ自動車とマツダは2017年8月、資本提携することで合意した。約500億円相当の株式を互いに持ち合う。電気自動車(EV)のプラットフォームを共同開発するほか、総額約16億ドル(約1760億円)を折半出資し、米国に年間30万台の生産能力を持つ完成車の生産合弁会社を設立する(図1)。

図1 トヨタとマツダが資本提携
約500億円分の株式を相互に持ち合う。電気自動車(EV)のプラットフォームを共同開発するほか、折半出資で米国に完成車の生産合弁会社を設立する。写真はトヨタが提供。日経テクノロジーオンラインが作成

 両社がEV技術を共同開発する背景には、「儲からないEVに経営資源はかけられない」という共通の事情がある。EVの市場性については様々な予測があるが、当面は主流にはならないとの見方が多い。KPMG FAS執行役員 パートナー グローバルストラテジーグループの井口耕一氏によると、販売台数ベースのEV世界市場シェアは「2025年に9%、2030年に11%、2040年に18%」とさほど伸びない見通しだ(図2)。三菱UFJモルガン・スタンレー証券エクイティリサーチ部エクイティリサーチ課シニアアナリストの杉本浩一氏は、「2030年でもEVの世界市場シェアは10%未満」とみる。

図2 EVの世界市場シェア
FCVを含むEVの世界市場シェアは2025年に9%、2030年に11%、2040年に18%とさほど伸びない見通し。EVとFCVについては、トヨタと同じような予測である。ただ、業界ではよりアグレッシブな見方もあり、控えめな予測といえる
出典:KPMG FAS

 EVの伸びが期待できないのは、「消費者に受け入れられないため」(杉本氏)。課題は、電池コストの高さだ。今後、革新的な電池技術が開発される可能性もあるが、「2030年には間に合わない」(同氏)という。米Tesla社のEVが売れているのは、「自動運転などの先進性と組み合わせているためで、EVそのものによる魅力ではない」(同氏)という。

 消費者が本当にEVに魅力を感じれば、「環境規制も補助金も必要なく、スマートフォンのように売れるはず」(杉本氏)。しかし、事前予約が50万台を超えるTesla社の「Model 3」を除くと、「最も売れるEVでも年間3万~4万台にとどまる」。この数量でEV専用の車両を作ろうとすると、「金型代だけでペイしなくなる」という。

 ただ、世界中で環境規制の強化が進み、自動車メーカーとしてEVは避けて通れなくなった。独Volkswagen(VW)社など欧州の自動車メーカーは欧州や世界最大の中国市場での環境規制に対応するため、EV事業を進めざるを得ず、「やるからには先行して他社にOEM供給しようと考えている」(同氏)。これに対し、トヨタやマツダは、経営資源をかけずに効率的にEV技術の開発を進めることを目指している。EVは儲かりにくく、政治情勢の変化によってはEVシフトへの流れが止まるリスクもあるからだ。

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