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憲法改正議論、踊る永田町と沈黙する大手町

施行から70年でようやく動き出したが…

2017年8月25日(金)

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安倍晋三首相は、2020年までに憲法を改正する方針を打ち出した。対象となるのは第9条(戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認)にとどまらない。高等教育の無償化など広く産業界にも影響するが、積極的に発言する経営者は少ない。

(日経ビジネス2017年6月19日号より転載)

(写真=安倍氏:的野 弘路、石破氏:菊池 くらげ、菅氏:ロイター/アフロ、山口氏・橋下氏・志位氏:読売新聞/アフロ、蓮舫氏:アフロ)

 「最後は総理の腹一つだけど、我々は『高等教育の無償化』までは言っていない」

 こう言って苦笑するのは、小泉進次郎衆院議員と共に「こども保険」のプランを提唱している自由民主党のある若手議員。こども保険とは、公的年金保険料を引き上げて財源を作り、未就学児の幼稚園や保育園の通園費を実質無償化しようという子育て支援案だ。

 小泉議員らが今年3月に打ち上げると、党内外から幅広い注目を集めた。子育てを終えた世代にも負担を求める形になっているなど課題は多い。だが、社会保障財源になる消費税引き上げが進まない中、子育て支援を少しでも増やす可能性があるとみられたからだ。

 ところが、これが今、改憲という大きな政治の渦に巻き込まれようとしている。憲法改正の動きは、安倍晋三首相が憲法記念日に、「2020年までの改憲」との考えを表明して以後、一気に速度を上げた。安倍首相はその際、戦争の放棄などを規定する憲法9条に自衛隊の存在の明記を訴え、教育の無償化にも理解を示したことから改憲論議の真ん中に躍り出たのである。

 5月22日には自民党の教育再生実行本部が、大学などを含む教育全般の無償化財源として、こども保険を国債発行などと並ぶ選択肢とする提言を安倍首相に提出。さらに6月5日、党の憲法改正推進本部が教育の無償化を改憲論議の柱の一つにする考えを示した。

現行憲法のどこに課題があるのか
●改正の議論が行われている主な論点
(教育の無償化)

幼稚園と高校、大学などすべての教育を無償にする

憲法は26条で「義務教育は無償とする」と規定している。これについては日本維新の会が幼稚園や高校、大学などすべての教育の無償化を憲法改正で実現することを訴え、自民党も改憲項目の一つとして検討するとしている。だが、財源が課題。

(9条改正)

改憲派、護憲派の最大の争点。9条に自衛隊を明記する

9条は1項で「戦争と国際紛争を解決する手段としての武力による威嚇と行使を放棄」を規定。2項で「戦力を不保持、交戦権は認めない」としている。安倍晋三首相はこれに自衛隊の存在を明記する第3項を加える考えを示している。改正の柱となっている。

(参院改革)

参院の権限や合区した選挙区の見直しを実施する

最終的に衆院議決が優先する予算、条約、首相指名を除き、法案は参院が否決すると衆院の3分の2以上での再可決が必要。かつて「決められない国会」と批判された。また、国会議員を国民代表でなく、地域代表と位置づけ、選挙区を見直す動きも。

(衆院の解散権明記)

首相の「専権事項」とされるが、憲法に明記はない

衆院の解散は首相の「専権事項」とされている。が、憲法には、首相の解散権は明記されておらず、「内閣の助言と承認による天皇の国事行為」としての解散を行っている。明記のない行為を首相が繰り返すことの是非を問う声もあり、議論になっている。

コメント6件コメント/レビュー

『こども保険』のことについて、何故、無条件に、その是非を論ずるのでしょうか?
 『保険』とは、「被保険者」に何らかの見返りが在るものを指すものと思われます。 
 小泉進次郎氏に訊ねたい ・・・ 『こども保険』には、その「被保険者」に対する どんな 具体的・直接的な”見返り”が在るのでしょうか ?  何故、「保険」と称するのでしょうか?

財源の調達方法については 或る程度は是認できるとしても、『税』と言えるようなものを、『保険』と称するのは、“まやかし” ではないかと思われます。  又、その“まやかし” を、そのまま無批判に報道する ジャーナリズムも、なんらかの反省を要するのではないでしょうか?(2017/08/25 18:35)

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「憲法改正議論、踊る永田町と沈黙する大手町」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

坂田 亮太郎

坂田 亮太郎(さかた・りょうたろう)

日経ビジネス副編集長

東京工業大学大学院修了後、98年日経BP入社。「日経バイオテク」「日経ビジネス」を経て2009年から中国赴任。北京支局長、上海支局長を経て2014年4月から日経ビジネスに復帰

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

『こども保険』のことについて、何故、無条件に、その是非を論ずるのでしょうか?
 『保険』とは、「被保険者」に何らかの見返りが在るものを指すものと思われます。 
 小泉進次郎氏に訊ねたい ・・・ 『こども保険』には、その「被保険者」に対する どんな 具体的・直接的な”見返り”が在るのでしょうか ?  何故、「保険」と称するのでしょうか?

財源の調達方法については 或る程度は是認できるとしても、『税』と言えるようなものを、『保険』と称するのは、“まやかし” ではないかと思われます。  又、その“まやかし” を、そのまま無批判に報道する ジャーナリズムも、なんらかの反省を要するのではないでしょうか?(2017/08/25 18:35)

このコラムは、タイトルにある「…ようやく動きだした」に主題がすべて表れている。
国の内閣総理大臣が5月に言ったことで「ようやく動きだした」と話を進めているが、そもそも憲法に縛られている施政者が憲法改正を推し進めることはできないということを意識的に無視している。根本的に前提が間違っている。日経ビスネスのコラムとしては考えられないほどのモノである。
「憲法族」という言葉も見えたが、そんな“族”なんてあるんだろうか。普通に憲法を守り憲治しようとしている人たちを揶揄してそう呼びたいのかもしれないが、この言葉の使い方はないと思う。極めてレベルが低い。(2017/08/25 12:52)

そうかな〜?大手町は裏で都民ファーストの会と手を結んで、自民党に代わる右翼じゃない保守政権模索してんじゃないですか!じゃないと、海外で商売しにくいでしょw(2017/08/25 11:09)

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