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投信販売、背水の陣 顧客本位に変われるか

99%が長期投資「失格」商品

2017年9月4日(月)

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合格した投信は1%以下

 だが、金融庁が長期投資に適することを念頭に定めた基準をクリアした投信はあまりにも少なかった。日本で販売される投信は5000本を超える。条件を満たしたのはそのうち1%以下にすぎなかったのだ。

 1800兆円といわれる巨額の個人金融資産。リスクマネーとなって投資に向かえば、日本経済の成長を下支えする存在となり得る。ところが、投信の販売現場では本来あるべき姿に逆行する営業方針がまかり通っていた。

 その象徴が、多くの投信販売会社が主力として扱ってきた「毎月分配型」と呼ばれる商品だ。運用収益の一部を毎月の分配金として投資家に支払う。国内外の高利回りの株式や債券などに投資し、為替差益と金利収入から分配金の原資を稼ぐ。

 国内の低金利を背景に、「分配金を年金の足しに」といった目的で購入する高齢者を中心に人気を博したが、「長期投資で得られる複利効果を自ら捨てている。分配なしの商品を選ぶほうがはるかに合理的」と、金融のプロの評判は散々だ。ピークの12年には投信の純資産残高の7割を占めた毎月分配型だが、運用成績が悪化し、元本を取り崩して分配金を出すものが相次いだ。

 しかも販売会社は運用成績が悪化すると、顧客に対しその投信の売却を促し、値上がり傾向のある新しい分配型への乗り換えを勧めた。

 投信を乗り換えると、販売会社には都度、購入金額に対し3~3.5%の販売手数料が入る。さらに運用コストとして顧客から受け取る年1.5~2%の信託報酬も運用会社と販売会社の懐に入る。かくして分配金の高い、売りやすい投資信託が次々と新規設定された。

 リーマンショック以降、投信の純資産総額は100兆円弱の横ばいの状態が続いている。その背景には、業界が手数料欲しさに短期間で投信の乗り換えを勧め、顧客の資産を増やそうとしなかったことと、運用益が分配金の形で流出したことが深く関係している。

 長期保有に向く投信より手数料が稼げる投信の販売に奔走してきた業界に対して、森長官は「最終通告」とも受け取れるボールを投げつけた。そのボールを業界はどう返すのか。

 業界の代表として、野村証券、大和証券グループ本社のトップに顧客本位を実現するための取り組みと課題について聞く。

いまだに毎月分配型が残高の半分を占める
●投資信託(ETFは除く)の純資産総額と毎月分配型のシェアの推移
注:集計対象はETF(上場投資信託)を除く国内公募追加型株式投信とし、単位型や公社債投信(MMF、MRFなど)は含まない。データは投資信託協会。国内公募・追加型・単位型・株式投信・公社債投信など全て含めた数値(ETFも含む)。​2007年1月よりも前に償還したファンドはデータベースに蓄積がないため、06年3月以前のデータに関しては償還ファンドが含まれない
出所:QUICK資産運用研究所調べ

コメント1件コメント/レビュー

驚きです。販売手数料3,2%、信託報酬1.7%のファンドが日本でよく売れているんですか。異常です。こちら米国ではよく売れているファンドのほとんどが販売手数料0%、信託報酬0.5%以下ですよ。トップに並ぶのは信託報酬0.2%以下のものが多いです。「安ければいいとは限らない」という意味がわかりません。こちらの大手はみな安くて顧客本位のいいサービスを提供していますよ。(2017/10/16 11:47)

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「投信販売、背水の陣 顧客本位に変われるか」の著者

広岡 延隆

広岡 延隆(ひろおか・のぶたか)

日経ビジネス記者

日経コンピュータ編集部、日本経済新聞産業部出向を経て2010年4月から日経ビジネス編集部。現在は自動車など製造業を担当している。これまでIT、電機、音楽・ゲーム、自動車、製薬産業などを取材してきた。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

武田 安恵

武田 安恵(たけだ・やすえ)

日経ビジネス記者

大学院卒業後、2006年日経ホーム出版(2008年に日経BPと合併)に入社。日経マネー編集部を経て、2011年より日経ビジネス編集部。主な担当分野はマクロ経済、金融、マーケット。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

驚きです。販売手数料3,2%、信託報酬1.7%のファンドが日本でよく売れているんですか。異常です。こちら米国ではよく売れているファンドのほとんどが販売手数料0%、信託報酬0.5%以下ですよ。トップに並ぶのは信託報酬0.2%以下のものが多いです。「安ければいいとは限らない」という意味がわかりません。こちらの大手はみな安くて顧客本位のいいサービスを提供していますよ。(2017/10/16 11:47)

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齋木 昭隆 三菱商事取締役・元外務次官