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栃木レザー、職人集団が生む「最高峰の革」

20以上の作業工程で400種類を作り分け

2017年2月15日(水)

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膨大な手間と職人技の粋を集め、国内最高峰の革素材としてブランド化に成功した。顧客の要望に合わせて革の質感や色味などを自在に変化させることで、安価な大量生産品と一線を画す。

(写真=佐藤 久)

 JR栃木駅から歩くこと約10分。栃木レザーの本社兼工場を訪れると、日差しを遮る薄暗い建屋の中に、小さなプールのような「ピット槽」が並ぶ。合計160個もあるピット槽の一つひとつを満たすのは植物性のタンニン液だ。そこに何百枚もの「皮」が漬けこまれ、「革」へと変化していた。

 皮はそのままでは水分が多く、腐りやすい。そこで、タンニン液や化学薬品などと反応させ、腐りにくく加工しやすい革へと「なめす」作業が必要となる。大量のピット槽は栃木レザーのなめし技術の中核を担う設備だ。

 タンニンなめしで生み出された革は「ヌメ革」と呼ばれ、使い込むことで美しい色合いに変化する。中でも栃木レザー製はアパレル業界の中で最高品質として知られ、市場では1デシ(縦10cm×横10cm)当たり、一般的な革の数倍の価格で取引されるという。

作業工程は20以上

 栃木レザーは原皮から革に加工し、染色するまでの工程をすべて自社で賄う。作業工程は20以上にも及び、これができる会社は「国内でほかにない」(山本昌邦社長)という。

 安価な化学薬品を使えば数週間で済む作業を、栃木レザーでは濃度の違うタンニン液に何回も漬けることで何カ月もかけて仕上げていく。「採算が合わない」と他社が諦めるような工程を積み重ね、最高品質の革として評価を勝ち得てきた。

 欧米では皮革メーカーの知名度が高く、そうした会社の作る素材自体がブランド化している。仏デュプイや米ホーウィンなどはその典型例だが、栃木レザーのように国内でブランド化に成功した会社は極めて珍しい。

石灰漬けにし、毛と脂を取り除く(写真=佐藤 久)
ピット槽でタンニン液に漬ける(写真=佐藤 久)
なめした革を伸ばす(写真=佐藤 久)

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「栃木レザー、職人集団が生む「最高峰の革」」の著者

杉原 淳一

杉原 淳一(すぎはら・じゅんいち)

日経ビジネス記者

2005年、日本経済新聞社に入社し、大阪経済部に配属。2009年に東京に異動し、経済部で銀行や農林水産省、財務省、金融庁などを担当。2015年4月から日経ビジネスで金融機関を中心に取材している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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