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TOTOが「自前」と「技術第一」主義を貫く理由

創立100周年を迎えた老舗メーカーのチャレンジ

2017年7月20日(木)

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トイレ国内シェア首位のTOTOが、この5月に創立100周年を迎えた。利用者の快適さにこだわり続け、社会の高齢化、グローバル化という時代の変化に対応する。M&Aでの規模拡大は追わない。自前による徹底した技術第一主義を貫き通す方針だ。

(左)研究者自ら多数のセンサーを身体に取り付け、快適に入浴できる浴槽を開発する(写真=陶山 勉)
(右)ドイツの見本市では早期の発売を望む声

 今年3月中旬、ドイツ・フランクフルトで世界最大級の水回り製品の見本市が開催された。5日間で20万人もの業界関係者が来場したイベントでとりわけ人だかりができたのがTOTOのブースだった。

 来場者が取り囲んでいたのは、青いライトに照らされた全長2mを超す大型浴槽。TOTOが見本市の目玉として出展したコンセプト商品だ。名称は「ゼロディメンション」。日本語に訳すならば「0次元」という意味になる。宇宙飛行のような無重力に近い感覚で入浴できるというのがうたい文句だ。

 従来型のバスタブとの最大の違いはその形状。底面が人間の身体のつくりに適した曲面を描く。仰向けに入浴すると、これまでのバスタブに比べ感じる重力が大幅に軽減されるという。TOTOは「寝浴(ねよく)」と銘打ち、新たな入浴スタイルを提案する。

 「早く発売日を決めてもらえないか。私だったら20台はすぐ売れる」。関心を持った欧州の販売代理店経営者らからはこんな声が上がった。欧州市場でのTOTOの存在感はまだ小さいが、実際に商品を販売する代理店には強い印象を与えることに成功したようだ。

 今年5月15日にTOTOは創立100周年を迎えた。日本国内ではトイレで6割のシェアを持ち、浴槽や水栓金具、システムキッチンなどを含めた総合水回りメーカーとして圧倒的な知名度を持つ。温水洗浄便座「ウォシュレット」など、独自技術を武器に水回り商品を開発。利用者の快適さを追求した商品を出すことで、新たな需要を掘り起こしてきた。今回の見本市で示した「寝浴」という新しいスタイルも開発陣による徹底した研究の成果だ。

入浴実験、1カ月に100回

 神奈川県茅ケ崎市にあるTOTO総合研究所。新型バスタブを生んだここでは、各種水回り商品の研究開発を進めている。

 働く研究者の顔ぶれは幅広い。祖業である陶器の素材や焼き方などを科学的に分析する人はもちろん、流体力学や電気工学、健康科学、スポーツ科学に至るまで各分野の専門家を集めている。総勢、数百人の研究者が、快適で利便性の高い商品開発を進めている。

 「1カ月で100回以上ここで入浴することもあります。全身がふやけてしまいますよね」。そう笑うのは中村遼太・研究員。所属は健康技術研究グループだ。職場である研究所3階には透明のバスタブが置かれ、中村氏は海水パンツ姿で毎日のように“入浴”する。

コメント1件コメント/レビュー

東洋陶器時代からずっと使っているので、安心感と親近感がある。規模を追わないのは素晴らしい判断だが、競合や市場と商品特性を考えると、ビジネスとして健全にやっていくのは厳しそう。技術を過信したソニーや日産を教訓として、地道に頑張ってもらいたい。(2017/07/20 08:47)

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「TOTOが「自前」と「技術第一」主義を貫く理由」の著者

武田 健太郎

武田 健太郎(たけだ・けんたろう)

日経ビジネス記者

2008年東京大学教育学部卒業、日本経済新聞社に入社。「NIKKEIプラス1」を担当後、証券部で金融マーケットや企業財務を取材。CFA協会認定証券アナリスト、AFP(日本FP協会認定)。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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東洋陶器時代からずっと使っているので、安心感と親近感がある。規模を追わないのは素晴らしい判断だが、競合や市場と商品特性を考えると、ビジネスとして健全にやっていくのは厳しそう。技術を過信したソニーや日産を教訓として、地道に頑張ってもらいたい。(2017/07/20 08:47)

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