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東大発VBが地球観測コストを100分の1に

超小型衛星の開発に取り組むアクセルスペース

2017年12月21日(木)

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 宇宙といえば夢がある半面、縁遠いものと思われがちだ。そんな宇宙を「身近」にすることを目指す企業がある。低コストの超小型衛星を開発。一般的な衛星では高価で手の出ない地球観測のハードルをぐっと下げる。

(日経ビジネス2017年10月9日号より転載)

50基の小型衛星が連携
衛星「GRUS」を2022年までに50基打ち上げる。1日1回、地球上の人間が活動する全領域の観測が可能になる。左は中村友哉CEO(写真=都築 雅人)

 今年7月、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地からロシアの「ソユーズ」ロケットが打ち上げられた。ロケットが搭載していた衛星の一つが、東京大学発ベンチャーであるアクセルスペース(東京・中央)が作った超小型衛星だった。

 衛星「WNISAT-1R」の大きさはおよそ50cm角、重さは43kgだ。「1R」は気象情報提供で国内最大手であるウェザーニューズの専用機として製作した。北極海域の海氷の動きを観測し、同海域を渡る世界の船会社への情報提供を主な目的としている。現在、稼働中の気象衛星「ひまわり」のような数トンの重さがある大型衛星に比べかなりのコンパクトサイズになっている。

 大型衛星の製作費は数百億円。その衛星で撮影した地球の画像を入手するには100万円ほどかかってしまう。一方、アクセルスペースの小型衛星は機能を最低限に絞り、部品も運用に支障のない範囲で汎用品を使っているのが特徴だ。製作期間も短く、大型衛星に比べてコストは100分の1になった。

 今回の「1R」は同社の衛星としては3基目だ。1基目の「WNISAT-1」は「1R」と同様にウェザーニューズの専用機だった。2013年に打ち上げられたが、予定より高い高度でロケットから切り離されてしまい、放射線の影響で電子機器が故障してしまった。

 「1R」は故障してしまった「1」のいわばリベンジだ。放射線への耐性を強化。光学カメラのほか、GPS(全地球測位システム)の電波を利用したシステムを搭載し、天候にも左右されずに観測できる機能を新たに備えて臨んだ。

自社のクリーンブースで衛星を開発した(写真:アクセルスペース提供)

 中村友哉CEO(最高経営責任者)が高校まで興味を持っていたのは宇宙ではなく有機化学だった。小型衛星との出合いは大学時代。高度な設備があるのだろうと思い見学に行った研究室で見たのは、Tシャツ姿ではんだごてを片手に作業をする学生たち。「こんなのでどうやって宇宙に行くんだ」と逆に興味が湧いた。

 大学時代の精神は今も受け継がれている。事務所の一角にホームセンターで買ってきた鉄骨と帯電防止シートで「クリーンブース」を作り衛星製作に取り組んだ。現在までに打ち上げた3基はこのクリーンブースで生まれた。

 大学発ベンチャー支援制度の対象に選ばれ、ウェザーニューズとの契約を経て創業に至るまではよかった。しかしそのほかの営業活動は思うように進まなかった。研究機関から宇宙関連のおもちゃを扱うメーカーまで営業に回ったが、興味は持ってもらえても契約までつながらない。

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「東大発VBが地球観測コストを100分の1に」の著者

浅松 和海

浅松 和海(あさまつ・かずうみ)

日経ビジネス記者

2013年日本経済新聞社入社。整理部で2年間紙面編集をしたあと、証券部で化学業界や株式相場を担当。2017年4月から日経ビジネス記者に。ウリ科が苦手。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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