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取引先企業の最期に立ち会うのも、銀行の役割

第85回 中西勝則 静岡銀行会長(2)

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2018年3月20日(火)

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 慶応義塾大学大学院経営管理研究科(慶応ビジネス・スクール)が次世代の経営の担い手を育成すべく、エグゼクティブ向けに開設する「Executive MBA」。1月の経営者討論科目では静岡銀行の中西勝則会長が登壇し「事業承継支援について ~業績悪化先に対する静岡銀行の取り組み」をテーマに講義を行った。

 経営改善やM&A支援では再生が難しい企業に対し、静岡銀行は転廃業の支援も行ってきた。地域経済への打撃を少しでも減らすという目的もあるが、中西会長には何より「おつき合いをしてきた取引先企業には、その最期まできちんと立ち会うべきだ」という強い思いが背景にあるという。

(取材・構成:小林佳代)

中西勝則(なかにし・かつのり)氏
静岡銀行会長

1976年3月慶応義塾大学商学部卒業後、同年4月静岡銀行に入行。富士宮北支店長、三島支店長などを経て1998年12月人事部副部長兼人事課長、1999年4月理事人事部長に就任。2001年6月取締役執行役員経営企画部長、2003年6月取締役常務執行役員、2005年4月取締役常務執行役員企画・管理担当経営統括副本部長を歴任。同年6月取締役頭取に就任する。2017年6月より現職。2011年6月から12年6月、2016年6月から2017年6月と、2度にわたり全国地方銀行協会会長を務める。(写真:陶山 勉)

長年おつき合いをしてきたからこそ、最後まで誠実に

 静岡銀行が事業承継や再生に積極的に取り組んでいるのは、金融機関の使命を果たすこと、つまり、地域経済を守り活性化させるためです。しかし、そうした経済的側面以前の問題として、私自身には「長年おつき合いをしてきた取引先企業は、最期にもきちんと立ち会うべきだ」という考えが背景にあるからで、どのような取引にも誠意をもって対応してきました。

 おつき合いしている企業には“生まれた時”に立ち会ったケースもあれば、成長して“青年”になってからつき合ったケースもあります。いずれにしても、長い間ともに同じ時間を過ごしお世話になってきた間柄です。最後まで責任を持ってつき合うことが地方銀行としてのあるべき姿。“臨終”の席にもいなくてはならないというのが、私の考えです。

 また、業績が悪化して経営改善やM&A(合併・買収)では再生が難しい企業の事業承継を実現するために、転廃業の支援に力を入れています。

「もう会社を続けられない」という後輩の一言が契機に

 ある時、中学時代の後輩が訪ねてきて、「もう会社を続けられなくなりました。明日にも倒産しそうだから弁護士を紹介してほしい」と……。

 倒産させて逃亡してしまう経営者がいる一方で、このようにしっかり筋を通して後始末をしようとする経営者がいることに心を打たれました。同時に、そういう人たちが実際に倒産や廃業をしようという場合、具体的なやり方が分からないのだということにも気づかされました。

 その時の後輩の会社は最終的に「民事再生」で処理をしました。彼は80歳になるお母さんと一緒に住んでいたので、自宅を残すことを優先的に考えました。当然、自宅は担保に入っていましたが、その額は数百万円。ちょうどその額を貸してくれる人が現れたので、そのお金で担保を外し、借りたお金を、毎月家賃のように返済するというスキームをつくりました。

 この出来事をきっかけに、自ら後始末をしようと考えている経営者を助けるために、静岡銀行全体で転廃業支援にも力を注ぐようになりました。今は「経営改善支援・事業再生支援」と「転廃業支援」を両輪として、地域経済の安定化・活性化を図っています。

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