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「天下取り」の理念が信長の奇襲作戦を生んだ

第89回 山根節慶応義塾大学名誉教授(2)

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2018年5月29日(火)

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山根節(やまね・たかし)
1973年早稲田大学政経学部卒業。74年トーマツ入社。80年慶応義塾大学大学院経営管理研究科(慶応ビジネス・スクール)を経て、82年にコンサルティング会社を設立して代表に就任。94年慶応ビジネス・スクール助教授、98年米スタンフォード大学ビジネススクール客員研究員を務める。99年商学博士を授与され、2001年教授に就任。2014年慶応ビジネス・スクールを退職し名誉教授に。同年早稲田大学ビジネススクール教授に就任。2016年早稲田大学ティーチング・アワード受賞。(写真:陶山勉、以下同)

 慶応義塾大学大学院経営管理研究科(慶応ビジネス・スクール)が次世代の経営の担い手を育成すべく、エグゼクティブ向けに開設する「Executive MBA」。2018年度最初の経営者討論科目では慶応義塾大学の山根節名誉教授が「ビジネススクールを目一杯活かす学び方」と題した講義を行った。

 自身も慶応ビジネス・スクールの卒業生で、その後、母校で教鞭を執るようになった山根名誉教授は「ユーザーからサービス提供者に回り、サービスの中身をよく知っているからこそ、ビジネススクールで何を学ぶのかを伝えることが使命」と語る。日本の経営トップが世界から酷評されている現状を鑑み、まず経営トップはどういう存在か、どんな仕事をすべきかを理解することが大事だと強調した。

(取材・構成:小林佳代)

 ハーバード・ビジネススクールのリチャード・ルメルト教授による「ホンダは自動車市場に参入すべきでない」という誤った判断を題材にディスカッションしてきました。ここからは、学者と経営者の違い、経営学の役割、ビジネススクールでの経営の学び方などについて、私の考えを述べていきます。

 始めに私自身の経歴を少しお話しします。私は大学卒業後に監査法人に入り、公認会計士資格を取得しました。5年間、監査しながらコンサルティングにも携わり、自分には知見が足りないと思い知って慶応ビジネス・スクールに入りました。2年間必死に勉強しました。げっそりやせるぐらいに。

 ビジネススクールでの勉強はとても役に立ちました。「あなたがこの会社のトップだとしたら、どう経営しますか」という議論を繰り返していたので、自分でも会社を経営できる気になり、卒業後、起業して社長になりました。

“なんちゃってMBA”の罪

 13年ぐらいして、慶応ビジネス・スクールの恩師から「手伝いに来てくれ」と言われ、非常勤講師として会計管理を教えるようになりました。なかなか評判が良かったらしく、「うちに来てくれよ」と誘いをいただき、すったもんだの末、慶応ビジネス・スクールの助教授に迎えてもらうことになりました。慶応ビジネス・スクールの卒業生教員第1号です。以来、20年間勤めました。

 そういうわけで私はユーザーからサービス提供者に回りましたので、ビジネススクールのサービスの中身はよく知っているつもりです。ビジネススクールで何を学ぶのか、ビジネススクールをどう活かすのかという話をすることは一種の使命だと思っています。

 皆さん、『MBAが会社を滅ぼす』という本を知っていますか。米国流ビジネススクールに批判的な経営学者のヘンリー・ミンツバーグの著書です。ちょっと過激なタイトルですが、私もこれには同感です。といっても、会社を滅ぼすのは経営を本質的に勉強せず、ロジカルシンキングを形の上でだけ学んだ“なんちゃってMBA”です。こういう人たちは始末が悪い。

 でも、“なんちゃって”ではないMBA取得者はビジネス界で大いに活躍しています。外資系企業、コンサルティング会社、同族企業の後継者、起業家などには多いですね。最近では伝統的な重厚長大企業でもMBA取得者が増えています。

コメント4件コメント/レビュー

先生の論旨に異を唱えるものではありませんが(要は賛成なのですが)、一点だけ。
信長が天下布武の高名な印鑑を使い出したのは、美濃稲葉山城を攻略して、岐阜と地名を改めた後です。つまり、桶狭間の合戦の大分あとです。
因みに、桶狭間の戦闘の前に、村木の合戦というものがあり、刈谷の水野家が今川家に領地を分断され、その後詰として信長が船で知多半島に上陸、半島を陸路横断し村木砦を攻め取った合戦があります。その結果分断された鷲津砦への後詰をせざるを得なくなった今川義元を信長が桶狭間(田楽狭間との説もあり)で討ち取ったのが史上有名な桶狭間の合戦です。
鷲津砦の守将が、織田家に寝返ったという諜報で今川家から詰め腹切らされたあと合戦が起こったことを考えれば、桶狭間の合戦が奇襲でもなんでもないことは素人にも一目瞭然。(2018/06/04 09:06)

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先生の論旨に異を唱えるものではありませんが(要は賛成なのですが)、一点だけ。
信長が天下布武の高名な印鑑を使い出したのは、美濃稲葉山城を攻略して、岐阜と地名を改めた後です。つまり、桶狭間の合戦の大分あとです。
因みに、桶狭間の戦闘の前に、村木の合戦というものがあり、刈谷の水野家が今川家に領地を分断され、その後詰として信長が船で知多半島に上陸、半島を陸路横断し村木砦を攻め取った合戦があります。その結果分断された鷲津砦への後詰をせざるを得なくなった今川義元を信長が桶狭間(田楽狭間との説もあり)で討ち取ったのが史上有名な桶狭間の合戦です。
鷲津砦の守将が、織田家に寝返ったという諜報で今川家から詰め腹切らされたあと合戦が起こったことを考えれば、桶狭間の合戦が奇襲でもなんでもないことは素人にも一目瞭然。(2018/06/04 09:06)

 全体最適の話についていえば、テロ・ハイジャックが起きた場合に現場の警官や特殊部隊は当然被害者救助ファーストで動く。しかし国のトップはテロに屈することでの国際的な悪影響や更なる被害拡大を考え、被害を最低限に留める為の取捨選択を行うといった感じですかね。
 確かに日本の場合ではトップにおいても現場感覚で「人命は地球より重い」とのたまい要求のままに身代金を払い、二次三次のテロ活動の資金を与えている。

 これは叩き上げだけでは絶対に解決できない問題ですね。まあ中国みたいな究極のトップダウンになっても困りますが。(2018/05/29 09:01)

日本の大会社のトップがトップになっていった歴史を考えれば、なぜ彼らが企業のトップとして評価されないかは凡そ推察できる。景気の良かった頃に企業体が成長拡大。この成長神話を冒涜すれば出世の線路から外れる。トップ予備軍はこのようなスクリーニングに残った同質の人間で彼らを支える二番手の人材も同質。過去の否定が出来ない人たちが集まると答えは自ずから保守的であり官僚的になる。会社の成長と成功よりも、自信の保身がメインテーマになる。もう一つの彼らの弊害は同質の人間を好むので部下も同質化していく。エリート意識を持っている集団とそうでない集団に分かれて、価値の最大化より排他と保身に走る。これで業績が落ちるとリストラ。決定的に社員の信頼を失くす。トップを目指す集団が理解できていないことは、雇用契約でのみ結ばれた従業員という経営資源と会社との相互の価値最大化を考えていないこと。常にゼロサムで如何に従業員に時間当たり最大の仕事量をこなすことでしか考えていない。その裏腹に従業員は無駄なことをして頑張っている振りをする。騙しあいより相互価値の最大化への一歩を踏み出すイニシアチブは会社のトップが握っていることを判っていないトップが多すぎる。(2018/05/29 08:28)

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