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経営の要は、トップが社会から信用されること

第67回 加藤雄彦 仙台育英学園理事長(4)

  • 慶応ビジネス・スクール

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2017年9月5日(火)

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 慶応義塾大学大学院経営管理研究科(慶応ビジネス・スクール)が次世代の経営の担い手を育成すべく、エグゼクティブ向けに開設する「Executive MBA」。6月の経営者討論科目に登壇した加藤雄彦仙台育英学園理事長は「東日本大震災から学ぶ教育機関のリスクマネジメント」というテーマで講義を行った。

 授業の後半ではリスクマネジメントをテーマとする意見交換が行われた。学校経営と企業経営の「差異」について尋ねる加藤理事長からの問いに対し、受講者は教育機関として持つべき「公益性」や、「カスタマー」とも異なる生徒との独特の関係などを指摘した。加藤理事長は学園トップとして社会や地域から信頼を得ながら、生徒たちを「日本の宝」となるよう育てたいと意気込みを語った。

(取材・構成:小林 佳代)

加藤雄彦(かとう・たけひこ)氏
仙台育英学園理事長
1958年宮城県仙台市生まれ。1980年慶應義塾大学経済学部卒業。1982年慶應義塾大学大学院経営管理研究科(慶応ビジネス・スクール)修了。1982年4月仙台育英学園事務職員兼仙台育英学園高等学校教諭に。1989年6月学校法人仙台育英学園法人事務局長、1996年7月仙台育英学園秀光中学校(現秀光中等教育学校)校長、仙台育英学園高等学校校長に就任。1998年6月仙台育英学園副理事長を経て2007年6月より現職。(写真:陶山勉、以下同)

リスクが顕在化した時、メンバーに何を求めるか

加藤:東日本大震災の時に私がとった行動をお話して、それを題材に皆さんの意見をうかがってきましたが、引き続き、質問したいと思います。「リスクが顕在化した時、組織メンバーの方々に、組織のトップのあなたは何を期待しますか」──。どんな行動や、判断を望みますか。

受講者H:東日本大震災では我が社も被災しました。ちょうどその時、経営層が不在だったため、現場のマネージャーである私たちは、経営者から一切の判断を仰ぐことができませんでした。

 災害が発生した時のマニュアルは詳細につくってあるはずなのですが、困ったことにそのマニュアル自体が入手できない状態で、私たち自身の判断で社員の安全を確保しなくてはいけなくなりました。

 この時の経験をふまえて今の質問に答えますと、計画通りに物事が進まない時には、その場で必要な判断をすることというのが、組織のトップが会社など組織のメンバーに求める動きなのではないかと思います。

 ちなみに東日本大震災の時には、私たちは二次災害が起きることを一番心配して従業員が帰宅するのを止め、全員オフィスにとどまらせました。防災グッズが足りない状態でしたが、それでも帰らせず、翌朝まで待機させて次のアクションを考えました。

加藤:的確な判断ですね。他にはどうでしょう。

精神的に自立している集団は強い

受講者I:東日本大震災が発生した時、実は私はゴルフからの帰り道でした。後輩が運転するクルマの助手席でガーガー寝ていたら、驚くような大きな揺れで飛び起きました。

 いったい何事が起きているのかとちょっと分からない状態でしたが、その時にすぐ考えたのは「自分たちの身の安全を確保すること」でした。最初に後輩に指示したのは、先のことを考えて「ガソリンを満タンにする」ということと「食料と水を買い求める」こと。女の子も一緒にいたので、冷えないように暖を取れるものも確保しました。

 会社に電話をしてみんながどういう状態なのかというのを確認し、「帰れると思う人は帰りなさい」と指示しました。その時、一人ひとりが自立していることが非常に重要だと痛感しました。

 我々はその時に手に入る情報で判断しなくてはなりません。家族のことを重視する人もいれば、自分の安全を重視する人もいる。それぞれにプライオリティーは違うはずですから、その範囲で行動してほしいと考えました。ただし、「どこに行くのか、何をするのかだけは周囲に伝えておいてくれ」と言いました。

 今の質問に答えると、組織のメンバーには、各人が自分の取るべき行動というのを考えてほしい。先を見通す目を持ち、精神的に自立している人たちが集まっている集団は強いと思います。

加藤:確かにそうですね。仙台に戻って職員たちにそのように指導したいと思います。他には。

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