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「正露丸」を強くした、社長の「目利き力」

第101回 柴田高大幸薬品代表取締役社長CEO(2)

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2018年11月15日(木)

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柴田高(しばた・たかし)
1981年川崎医科大学卒業。医師免許取得後、大阪大学医学部第2外科に入局。大阪府立千里救命救急センター、市立吹田市民病院外科、84年大阪大学医学部第2外科酵素化学研究室に勤務し、87年大阪大学医学博士号を取得。大阪府立成人病センター外科医員、市立豊中病院外科部長を経て、2004年大幸薬品副社長、2010年代表取締役社長に就任。

 慶応義塾大学大学院経営管理研究科(慶応ビジネス・スクール)が次世代の経営の担い手を育成すべく、エグゼクティブ向けに開設する「Executive MBA」。10月の経営者討論科目の授業には、大幸薬品の柴田高代表取締役社長CEOが登壇し、「外科医療から生まれたEvidence Based Marketing」をテーマに講義した。

 外科医からの転身後、大幸薬品の成長戦略を描いた柴田社長CEOは、既存事業である「正露丸」のテコ入れを図った。その時に重視したのがエビデンス。「発ガン性がある」という誤解の払拭、薬効のメカニズム解明に力を注いだ。さらには「上場企業を目指す」という意思決定を行い、ガラパゴス化した老舗企業の企業文化の改革にも乗り出した。

(取材・構成:小林佳代)

 外科医として経験を積んだ私は大幸薬品に入社後、「Evidence Based Medicine(科学的根拠に基づく医療)」にちなんだ「Evidence Based Marketing(EBM)」を目指しました。

 EBMは1人では完結できません。志をともに抱くことができる一流のご縁が必要です。私が最も得意なのは目利きができること。そう思って、医者時代から各界の一流の人たちとご縁をつなぐよう努めてきました。

 その一人が緒方規男先生です。現在、大幸薬品の顧問を務めていただいています。緒方先生は熊本大学医学部を卒業後、京都大学医学部大学院で博士号を取得しました。フランスのストラスブール大学に留学後、大阪の個人病院で内科医をする傍ら、研究がしたいからとマンションを借り、超遠心機を置いて実験していました。

 近所から「騒音がうるさい」と迷惑がられているという話を聞いて、「それなら大幸薬品で好きなだけ研究をしてください」「ノーベル賞を目指してください」と口説き、大幸薬品の顧問に就任してもらいました。私が大幸薬品に入社するずっと前のことです。その頃から、いずれ自分が大幸薬品に帰る時のことを考えて環境を整えていました。

自ら正露丸の薬効である食あたりのエビデンスに

 緒方先生はご自身の興味のある研究をいろいろとされていましたが、研究が一段落した時、私が「正露丸は面白いですよ」と勧めて、正露丸の薬効が作用するメカニズムを解明していただきました。そのほかにも何度か仮説を立てて実験・実証した論文を書いていただいています。

 私自身が正露丸の薬効である食あたりのエビデンスとなったこともあります。2005年ごろのことです。会食で刺身を食べたら夜中に激痛が始まりました。胃腸薬をのんでも一向に効きません。試しに正露丸をのんでみるとぱっと痛みが消えました。後から胃カメラで検査をしてみてアニサキスによる食あたりだったとわかりました。その後、同じようにアニサキスの食あたりになった社員が正露丸を飲み、私と彼の症例2例が論文になりました。

 世界で日本食人気が高まるのに伴い、アニサキスの問題が大きくなっています。そのアニサキスには今、特効薬はありません。正露丸はアニサキスを疑う食あたりに対して需要を拡大するポテンシャルがあると思っています。

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