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脳の再生へ、パーキンソン病以外の治療にも道

500万個の細胞を脳に注射、治療法を髙橋淳教授に聞く

2018年9月6日(木)

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 「iPS細胞を用いるには、様々な課題がありました」と髙橋教授。iPS細胞は髙い増殖力を持つため大量の細胞が作れる半面、未分化なiPS細胞や未熟な細胞が残る可能性があり、それらを移植してしまうと、いわゆるがん化を起こす可能性が指摘されていました。

 そこで、髙橋教授は、未熟な細胞などが混じらずに、ドーパミンを産生する神経細胞だけを選別する「セルソーティング」の手法を開発。「これによって質の髙い神経細胞だけを作り出すことができるようになった」と髙橋教授はいいます。そして、ドーパミン神経細胞に分化する手前の「ドーパミン神経前駆細胞」を移植することで、脳内にドーパミン神経細胞が効率よく生着することも判明します。

iPS細胞から神経細胞を作り出す。正確には、分化する手前の「ドーパミン神経前駆細胞」を作り出して、脳内に注射で移植する

まずは猿で有効性を確認

 iPS細胞から作った神経細胞をパーキンソン病のカニクイザルに移植し、最長で2年間観察を行ったところ、症状が改善。がん化も見られないなどさまざまな研究結果を経て、今回、ヒトに移植する研究(治験)が国から承認されスタートすることに。

 今回の治験では、「iPS細胞ストックプロジェクト」の他人由来のiPS細胞から作った「ドーパミン神経前駆細胞」を、患者の左右の頭蓋骨に小さな穴を開けて、脳の深部に計約500万個注射。移植後1年間は免疫抑制剤を投与し、2年間の経過観察で、移植細胞の状態や改善効果などを確認していくといいます。

 特に、安全面では慎重な検討が必要です。細胞ががん化する可能性もゼロではないため、経過観察には、陽電子放射断層撮影装置(PET)を使用して、がん化が生じていないかを定期的に検査します。髙橋教授は、「万が一の場合は、放射線でがん化した細胞を焼き切ったり、手術したりすることも考えている」といいます。

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「脳の再生へ、パーキンソン病以外の治療にも道」の著者

中能 泉

中能 泉(なかの・いずみ)

フリー編集者・ライター

女性の健康・美容を中心に健康・医療・美容全般が得意分野。『日経ヘルス』『日経ヘルスforMEN』ではエディトリアル・ディレクターを務める。WEBマガジン「なかよく通信」で女性向け健康・美容情報を発信。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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