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張富士夫氏が読み解く『トヨタ物語』(後編)

「いつまで経っても叱られるのは、幸せです」

2018年3月13日(火)

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 「いつまで経っても叱られるのは、幸せなことだ」。新刊『トヨタ物語』を読んだ張富士夫氏が語る真意とは。トヨタ生産方式を体系化した大野耐一氏から受けた薫陶とは。『トヨタ物語』著者の野地秩嘉氏が聞く。その後編。

■重版出来!『トヨタ物語
 トヨタはなぜ強いのか――その本質に迫る巨編ノンフィクション。日経ビジネス連載「トヨタ生産方式を作った男たち」に書下ろしの新章などを加えた圧巻の408ページ、ついに刊行。早くも4刷。日経BP社刊

前編から読む)

男のなかの男

張さんは大野(耐一)さんには叱られたのですか?

:そりゃ最初はもうボロクソでした。鈴村(喜久男)さんにも、もちろん叱られました。他の先輩たちに教わった通りやってたんだけども、そうしたら、ふたりから余計に叱られた(笑)。

 叱られたけれど、僕は怒ったり、うらんだことはありません。あの人たちは筋が通ってるというか、ほんとに男のなかの男だな、と。

「口先だけ、やりもしない、逃げる」

 こういう人間に対しては徹底的にやっつける。部下であろうと上司であろうと、ひるまずに闘う。けれども、失敗してもいいからと一生懸命に現場でやってるやつには絶対に怒らない。それが男ですよ。

「一個流し」といって、ひとつのラインにさまざまな車種が流れる方式はトヨタが始めたことですね。

:はい、そうです。

野地:大量生産方式の場合は同じ車種の赤い色の車だけがラインを流れていくということ。一方、トヨタ生産方式では普通の車のすぐ後ろにパトカーが流れていたりする。

:ええ、フォードの大量生産方式は当時の世界モデルでした。ひとつの種類を高速のラインで作っていく。すると効率がよく、原価が安くなる。ただし、大量生産にしか合致しない。

 あの頃のトヨタは少量、多品種の生産でした。まとめて作るなんてできません。少量多品種をどうやって生産現場で解決するかということで、考えついたのがトヨタ生産方式で、一個流しを実現するわけです。

しかも、『トヨタ生産方式』(ダイヤモンド社)という本が出るまでは現場でメモを取ってもいけなかったという…。

:はい。昭和43年でしたか。僕は常務の楠(兼敬)さんに「ちょっとこい」と呼ばれて。

 「今やっているトヨタ生産方式を理論化しろ。おまえたちがやっていることは価値はあるけれど、徒弟制度だ。やっているやつしかわからない。みんなが参加できるように理論化しろ」

 その話を鈴村さんのところに持っていったら、「よし、わかった。張、お前は事務屋で口がうまい。だから、お前が担当だ」と。ひどい話ですよね(笑)。そうやってみんなでまとめたのが『トヨタ生産方式』です。でも、大野さんは「お前たちは読まなくていい。現場で学べ」と。

張富士夫(ちょう・ふじお)
1937年生まれ。60年、東京大学法学部を卒業後、トヨタ自動車工業(現トヨタ自動車)入社。トヨタ生産方式の体系化に尽力した大野耐一氏の下、生産方式の現場への普及に奔走した。社長(99年~)、副会長(2005年)、会長(2006年~)、名誉会長(2013年~)を歴任し、現相談役。(写真提供:トヨタ)

コメント1件コメント/レビュー

張元ケンタッキー社長時代、社長室でお会いしたことを思い出しました。大野耐一さんや、鈴村さん、楠さんのお名前を拝見し、大変なつかしく感じました。現地現物をよく視る(データ化含む)とPDCAは、統計的品質管理(SQC)を実践するにも、Iot時代にも大切な考え方だと再認識致しました。(2018/04/04 08:11)

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「張富士夫氏が読み解く『トヨタ物語』(後編)」の著者

野地 秩嘉

野地 秩嘉(のじ・つねよし)

ノンフィクション作家

1957年、東京生まれ。出版社勤務などを経てノンフィクション作家に。人物ルポ、ビジネス、食、芸術、海外文化など幅広い分野で執筆。『TOKYOオリンピック物語』でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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張元ケンタッキー社長時代、社長室でお会いしたことを思い出しました。大野耐一さんや、鈴村さん、楠さんのお名前を拝見し、大変なつかしく感じました。現地現物をよく視る(データ化含む)とPDCAは、統計的品質管理(SQC)を実践するにも、Iot時代にも大切な考え方だと再認識致しました。(2018/04/04 08:11)

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