• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

佐渡島庸平氏が読み解く『トヨタ物語』(前編)

コルク社長に響いた「壊してゼロから作る凄味」

2018年4月16日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 クリエイターのエージェント会社、コルクを率いる佐渡島庸平氏は新刊『トヨタ物語』を読んで、トヨタの創業者、豊田喜一郎氏の「凄味」に心を動かされた。好調な織機事業がありながら、敢えてゼロから自動車事業を始めた決意と、ずっと先を見通す先見性に、だ。佐渡島氏が見据える「この先」を『トヨタ物語』著者の野地秩嘉氏が聞く。その前編。

■重版出来!『トヨタ物語
 トヨタはなぜ強いのか――その本質に迫る巨編ノンフィクション。日経ビジネス連載「トヨタ生産方式を作った男たち」に書下ろしの新章などを加えた圧巻の408ページ、ついに刊行。早くも4刷。日経BP社刊

クリエイターのエージェント会社、コルクを始めて、どのくらい経ちましたか?

佐渡島:5年経って、今年は6年目です。5年間、まあまあやってきました。ただ、社員の力を引き出すのが経営者としての務めでしょうけれど、僕はまだまだですね。

 うちには優秀な人間やエンジニアがいます。彼らの力を引き出すためには言わなきゃいけないことや与えなくてはいけない刺激があります。それぞれ違うやり方で引き出していけばいいんだなと、やっとその辺がわかってきたところです。

それはつまり?

佐渡島:人間は誰しもプライドがあります。エンジニアでも経理でも営業でも、それぞれの技術や仕事のやり方に自負がある。

 経営者はそのことをわかって、人間の性格や仕事の種類によって、それぞれの力の引き出し方を変えていかなくてはならない。僕はこの5年間でそれを学んできました。

イケイケのものを壊して進む

佐渡島庸平(さどしま・ようへい)
コルク社長

2002年に講談社に入社し、週刊モーニング編集部に所属。『バガボンド』(井上雄彦)、『ドラゴン桜』(三田紀房)、『働きマン』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)、『モダンタイムス』(伊坂幸太郎)、『16歳の教科書』などの編集を担当する。2012年に講談社を退社し、作家のエージェント会社、コルクを設立。(撮影:神戸健太郎)

 さて、『トヨタ物語』ですけれど、経営者にとっては教科書になり得ると思いました。トヨタ生産方式は現場の力を引き出すシステムでしょう。まず、その部分に僕は惹かれましたし、そこを読みました。読みながら、線を引いた個所がいくつもあります。

ありがとうございます。たとえば、どんなところに線を引きましたか?

佐渡島:『トヨタ物語』でもっとも感動したのは、トヨタがベンチャーだってこと。トヨタは最初から大企業ではなくて、常識をひっくり返そうとしたベンチャーなんだ、とわかりました。

 そして、トヨタ自動車をつくった豊田喜一郎さんがとてつもなく偉大な経営者だったんだな、と。織機を発明した豊田佐吉さんよりもむしろ、彼の方が難しいことをしているんじゃないでしょうか。

 喜一郎さんはすごい。僕を含め、現在のスタートアップの創業経営者よりも、彼の方がはるかに難しいことしている。

 僕らは社会や自分が属する企業のような出来上がったものに対して不満があったから、それを壊して新しく創りたいと思った。

 ところが、豊田喜一郎さんの場合は自分の父親がつくった会社に不満があったわけでもなく、しかも、その会社はまだまだイケイケだったのに新しい仕事を始めた。イケイケのものを壊すアイディアを持っていたわけです。それは簡単にはできないことですよ。絶頂に向かう会社で仕事をしながら、もう次のことを考えたのだから。ベンチャーマインドの塊です。

 僕の場合、会社をゼロから創りました。それはそれで大変でした。しかし、一方で、既にあるもので、しかも間違っていないものを否定して、新しい仕事をやるのもつらいことだと思う。もしくは、そちらの方がはるかにつらいことかもしれない。そして、既存の人間だけで新しい仕事に挑むのではなく、自分の周りにいなかった販売担当の神谷(正太郎)さんみたいな人を仲間に引き込んでくる。想像すると、なかなかできないことですよ。

 また、当時は日産の方がはるかに大きな力を持つ王道の会社だった。それでも、豊田喜一郎さんは自動車を造り始める。

 僕らベンチャー経営者はつねにたくさんの反対にあう仕事をしています。そんな時、喜一郎さんがやったことを読むと勇気が出てくる。

オススメ情報

「『トヨタ物語』外伝」のバックナンバー

一覧

「佐渡島庸平氏が読み解く『トヨタ物語』(前編)」の著者

野地 秩嘉

野地 秩嘉(のじ・つねよし)

ノンフィクション作家

1957年、東京生まれ。出版社勤務などを経てノンフィクション作家に。人物ルポ、ビジネス、食、芸術、海外文化など幅広い分野で執筆。『TOKYOオリンピック物語』でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

ディズニーと一緒にいいものが作れるのなら、ロボットの導入もあり得るかもしれません。

上西 京一郎 オリエンタルランド社長兼COO(最高執行責任者)